未来思考 10年先を読む「統計力」

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023304888

感想・レビュー・書評

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  •  統計データを元に日本の少子化、格差、技術力について10年後の予測(本書の発行年が2010年のため、2020年頃まで)を行なっている。
     統計データの読み方だけでなく、社会問題に対する多様な考え方(例えば、少子化の問題は、子供の数を増やすことでしか解決できないのか?など、何が本当に問題なのか見極めることが重要)を知ることができた。

  • 読了。

    シンクタンク研究員としては、非常に刺激的。

    マクロフレームを統計的に把握しておけば、切れ味鋭い武器になります。

    そして、未来を考えたい、全てのビジョナリー達へ。

  • よかったです。
    統計についての解説がすごいです。

  • この本は凄い。こんなにわかりやすく統計の話を交えながら現在の日本の姿を描いた本ははじめてかも知れない

  • 統計データをもとにして、未来を地味に予測する。

    ・問題を考えるときの最大の罠は、問題にすべきではないことを問題にしてしまうこと、そして、問題にすべきことを問題にしないこと。
    ・鳥と同じように飛ぶことではなく、「飛ぶこと」を目的にしたから飛べるようになり、馬のように走ることではなく、「速く移動すること」を目的にしたから、速く走る乗り物が作れるようになったのです。

    [more]
    PART1 少子化と結婚
    第1章 日本の少子化、世界の少子化
    なぜ子どもが減ったのか/コウノトリはどこへ
    少なく産んで、しっかり育てる/なぜ子どもが減っているのか
    先進国の出生率を比べてみよう/教育費と出生率の関係
    少子化ヲ克服セヨ
    第2章 結婚しません?
    未婚が増えている/永すぎる春
    子どもは何人欲しいですか/生物学的限界
    結婚しない/できない理由/結婚の三大リスク
    第3章 産む自由、生まれる義務
    世代会計― 再配分の問題―/就学前教育の充実を!
    大学が高すぎる/このざまはなんだ
    子どもさえ増えればいいのか/統計的差別

    PART2 都市と高齢化
    第4章 人はどのように動いているか
    鳥の目でみた日本/うつりゆく三大都市圏
    Tokyo/Nagoya/Osaka
    北の国から2010/どこに住むか、だれと暮らすか
    成熟する地方/秋田の現在、私たちの未来
    都会と田舎
    第5章 都会は強力な磁場である
    人をひきつける力/ストロー効果
    超LSI都市/Tokyo―8:00a.m.
    街場の理論/過去から現在
    そして未来へ/列車の車窓から
    第6章 都市壊滅!?
    耳をすませば―地震の足音―/地震用語の基礎知識
    70% は本当か/考えるヒント
    ゆらぎの構造/正しく恐れよう

    PART3 仕事と経済
    第7 章 仕事というぜいたく
    社内失業/蜘蛛の糸
    非正規雇用がとまらない/非正規へとつづく道
    最低賃金を上げよ、さらば救われん?
    「同一労働同一賃金」は正しいか
    リスクを織り込む
    きれいはきたない、きたないはきれい―ワークシェアリグ―
    第8章 もし世界がひとつの村だったら
    相対的貧困率=貧困の指標?/相対的はく奪
    先進国における貧困とは?/非正規増加のミステリー
    日本の政策がまずいのか/グローバル化を追い詰めろ
    かつてのアメリカ/先人の心情
    モノづくりは、まず安いものから/逃げ遅れる人たち
    公害をひきうける「世界の工場」/失業する中国人
    貧困を抜け出すチャンス/格差をもたらす共犯者
    第9章 日本は変わるのか
    労働市場の二極化
    これまでのビジネスモデルが通用しない時代
    フランスの知識人/人口減のインパクト
    成長のレシピ/日本が発展した秘訣
    失われた10年の犯人/勤勉こそ美徳?
    急募:戦略家/技術力をムダにするな

  • 統計本で当たった著者に、編集者が未来予測のテーマでの執筆を持ちかけて出来上がった本、とのこと。
    未来を予測するなら、大胆な独自予想をするか、手堅いことを積み上げるかしかない、と思案した結果、後者を選んだとあとがきにある。
    各種統計の数字を元に進める議論だが、テーマが膨らみすぎたか。少子高齢化から働き方、高度成長の源泉を探るあたりまでは良いとして、地震の周期・メカニズムまではニーズがあったかどうか・・・。(2010年出版の本で震災前の仙台で、東京を心配する内容なのが何とも皮肉。)
    ともあれ、統計の分析が主となれば、そこから導き出されるのはこのまま進めば近未来はこうなる式のもので、もちろん押さえておくべき情報ではあるが、未来への提言とかいう類のものが書いてあるわけではないので注意。
    図らずも、未来を設計するのはエンジニアではないということを証明してしまった本。
    しかし、タイトルから期待していたのは、「こういう統計はこういうところに注意して読んでいくと数字のトリックに引っかからないですよ」という内容で、それが「統計力」というものだと思っていたんですけどね。

  • 少子化、晩婚化、自然災害、労働変化といった問題について、データを元に分析している。
    最後に、問題は本当に解決すべき問題なのか?勝手にもんだいだと思い込んでいるだけではないか?と疑え。という言葉に考えさせられた。

    そこで一歩止まってみることは必要だ。

    ①少子化
    →核家族化と制度不十分。
    →乳児死亡率の減少ー少数産む
    だが、ルーマニアのチャウセスクの子供達のように、過度な制度により孤児を増やすような事は...この本で初めて知った。

    ②晩婚化
    →結婚をしなくてもいい。ー社会進出!
    結婚への必要性を感じなくなったこと。
    自由を手放したくない。
    →結婚できない
    低所得、不安定
    良縁に巡り会えない。人付き合い不得手。


    ③労働
    非正規雇用と正規雇用
    →2010年出版のため現在とは制度も異なるため何とも言い難い。
    仕事の種類ー定型業務より、非定型業務、分析を伴うものなどが増えている。今後は非定型定型それぞれのプロが必要

    環境汚染
    →発展途上国=ブルーカラーの仕事が殆ど
    →中国大卒者の就職難が問題。
    このように労働内容は刻々と変化していく。マーケットもしかりだ。

  • 勉強にはなったね。そんな印象です。

  • 日本が直面している少子化の問題。


    北海道で少子化が進んだ理由は何か。沖縄県との違い。スウェーデンとの違い。教育費。結婚しない結婚できない理由。年収と結婚の関係。日本の社会保障制度の世代間格差は驚くほど若い世代の負担が多く、報われない制度。人口は都市に集中する。地震の予測。仕事というぜいたく。グローバル化による国内失業。国内で増えた仕事は非定型分析屋(情報処理技術者、電気・電子技術者、人文社会科学系技術者)のみ。定型業務はITに取って代わられた。エピローグ。少子化は本当に問題なのか?にギグッとした。

  • 「少子化問題って少子化でしか解決できないの?」
    という問題を問題から疑う姿勢に気づかされました。

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著者プロフィール

1967年東京都生まれ。博士(理学)。東北学院大学工学部教授。日立製作所中央研究所などを経て現職。著書に『「超」入門 微分積分』『直感を裏切る数学』『ウソを見破る統計学』『現代暗号入門』(以上講談社ブルーバックス)、『Pythonと実例で学ぶ微分方程式』(コロナ社)などがある。

「2023年 『Pythonでしっかり学ぶ線形代数 行列の基礎から特異値分解まで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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