バーナンキは正しかったか? FRBの真相

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023308046

作品紹介・あらすじ

絶大な影響力を持つ米中央銀行FRBの議長ベン・バーナンキ。就任から二年半後の二〇〇八年九月、経済学者としての研究テーマである「大恐慌」に酷似する危機が発生した。そのとき、FRBの内部で何があったのか。ピュリツァー賞を二度受賞したウォールストリート・ジャーナルの敏腕ジャーナリストが内幕を暴く。

感想・レビュー・書評

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  • ウォールストリート・ジャーナルの経済担当エディターである著者が、ベン・バーナンキFRB議長を主人公に据えて、彼や、ハンク・ポールソン財務長官、ティム・ガイトナーNY連銀総裁(肩書きはいずれも当時)らアメリカ金融界のリーダーたちが、サブプライムローン問題に始まりリーマン・ブラザーズ破綻でピークを迎えた「グレート・パニック」に直面し、如何に苦悩し、如何に対処したのかを追ったドキュメンタリー。

    いやー面白いです、この本。
    危機に際して、アメリカ経済・政治の中枢で何が起こっていたのか、金融政策を学ぶ意味での知見が得られるというより、単に人間臭いドラマとしてムチャクチャ面白い。

    ついに引き受け手が見つからずにリーマンが倒産し、CDS問題でAIGの深刻な経営危機に直面したあの2008年9月から、早いもので2年が経とうとしています。
    AIG問題に続く、シティとの合併を破談にしてのウェルズ・ファーゴによるワコビア買収、金融安定化法の下院での否決・再可決など、今も記憶に新しい一連の激動を生生しく追体験することができます。

    「●日後までに○百億ドル調達できなければもたない」とか「アジアの市場が開くまでに間に合わせるために日曜に声明を発表する」とか、とにかく短いタイムリミットで、何が正解かも分からないまま、法的・制度的にはギリギリの打ち手を次から次へと繰り出さねばならないわけで、深夜・早朝を問わず議論と厳しい意見調整を続けた彼らのタフさには感服させられます。

    「グレートパニック」に挑んだバーナンキおよび彼のチームに対する著者の評価は、すべてを正しく決断したわけではなく、批判することはいくらでもできるが、仮に大恐慌研究の専門家であるバーナンキがFRB議長の立場にいなかったとしたらパニックはもっと深刻になっていた可能性は高い、といった感じでしょうか。

    「グレート・パニック」後の「グレート・リセッション」は未だ収束の気配が無く、財務長官へと立場の変わったガイトナーやFRB議長を再任されたバーナンキの奮闘は今も続いており、ここにきて金融規制法の成立、バーナンキによる個公聴会での「景気懸念」証言、欧州での銀行ストレステスト結果の発表など、風雲急を告げる感もありますが、その舞台裏でどのような生々しい応酬が繰り広げられているのか…そんなことに思いを馳せたくなってきます。

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  • 400ページ近くあるので、今月の読書はほぼこれに費やしました(^^;経済学と金融の初歩的な知識がないと何を言っているのかたぶんわかりません。
    ただ、それを抜きにしても、「未知の領域」に対する対処はどんなに優れた人であっても難しいということは良くわかります。特にFRBは組織上独立している部分があります。その点では、何をやってもたたかれることになります。「未然に防いだ」ということは「未然」のため、目に見えないですし、何もしないでトラブルにたてばたたかれる。財政の運営はとても難しいです。

    最近、日銀もインフレターゲットの話を持ち出しはじめましたが、もともとはこのバーナンキさんが提唱したことでもあります。しかも、日銀もFRB同様、雇用の保障も考えることになるとか。白川さんも大変だ・・・。と思うような本でした。

  • 少し読んだ。

  • 20100924 読了
    アメリカの金融危機に対して、ベン•バーナンキを中心とするセントラルバンカーが、何をめざしてどの様に対応したかを絵がいた著書。

  • 金融危機の対処で米国財務省とFRBの影響力が非常に大きいことを改めて確認。議会以上に。さて、日本はどうだろう。
    金融危機のための対処がどのような過程で作られるのか、考えてみたことはなかったのでためになった。
    バーナンキやガイトナーの行動が事細かに彼らの心情も含めてつづられていて、事実ベースで金融危機を復習できたのもよかった。

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