チーム・ファシリテーション 最強の組織をつくる12のステップ

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023308169

感想・レビュー・書評

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  • 前日本ファシリテーション協会会長の堀公俊さんの本。
    凄い本だった。200ページ強の本に3時間もかかったのは久しぶりだと思う。
    組織をファシリテートすること、あるいはファシリテートされた組織について非常に整理された内容だった。

    僕にレビューできる内容ではないので、
    読みながら書いたメモのみ共有しようと思います。

    そこにいる人が悪いのではなく、関係性に問題がある。

    成熟社会では、資源を増やす事は難しく、有効な活用がテーマになる。

    参加→納得→決意→行動→承認のサイクルをまわして行くことが、双方向の話し合いによるアプローチだと可能。

    話し合いには、会話・対話・議論の3モードある。
    テーマは、
    記述的問題…知識や経験に関わる「正誤問題」
    功利的問題…効率や経済性に関わる「損得問題」
    模範的問題…価値観や信条に関わる「善悪問題」
    感情的問題…知覚や心理に関わる「好悪問題」

    ファシリテーションは本気度が技術を超える。

    情報を渡せば責任が生まれる。

    日本ではビジョン先行で意思決定をする機会が少なく、既成事実を受け入れる現実主義的な発想がある。
    だから、ビジョンよりもバリュー(なにを大切にするのか、譲れないものはなにか)の方がうまく行く場合もある。

    価値観はそもそも一致などしない。
    尊重するかどうかだけ。
    その上で、みんなが正しいと思える事を捜す。

    組織の本質的な課題は3つのレベルに分かれる。
    戦略レベル…方針・資源配分・基本構造など、方向性に関わる問題
    業務レベル…仕事のやり方、システム、組織設計、マネジメントといった、仕事のプロセスに関わる問題
    文化レベル…モチベーション低下、モラル低下、能力不足、コミュニケーション不足といった人に関わる問題

    問題解決アプローチの4種類。
    問題解決型
    問題発見→原因探索→解決策立案→評価決定
    目標達成型
    目標設定→現在施策→追加施策→実行計画
    対立解消型
    対立整理→背景理解→総合的目標→解決案策定
    構造変革型
    システム分析→原型把握→破壊策立案→実行計画

    ラベリングが本当に恐ろしいのは、貼り付けたラベルが現実を作り出すこと。

    同じ間違いを繰り返す理由。
    成果についてのみ振り返りを行う(達成できた/できなかった)
    プロセスを見ても、行動を変えられない
    打ち手が間違っている/変えられないものをコントロールしようとしている
    正しい方向を向いているが、その通りに出来ない(マネジメント問題)
    →「振り返りをしている暇がない」のではなく、「振り返りをしないから暇がない」

    多くの人を巻き込むには、巻き込めるだけの「主題設定力」が必要。

    誠とは言った事を成すこと

  • ・チームの育て方には「人工栽培」と「自然栽培」がある。
    一人ひとりが能力を発揮でき、多様な人達が有機的に連携していくチームをつくっていく=「自然栽培」
    ・あらゆる組織において、問題解決のスタートは「話し合い」から始まる。 会話→対話→議論→省察
    ・ファシリテーションのスキル:①場のデザインのスキル・・場をつくり、つなげる②対人関係のスキル・・受け止めて、引き出す③構造化のスキル・・かみ合わせて、整理する④合意形成のスキル・・まとめて、分かち合う、難しいのは③と④かなぁ
    ・課長からかりて読んでみました。

  • チームファシリテーションについて、他の有名な書籍を引用しながらわかりやすく紹介している。人は悪くない、関係が悪いという点は共感が持てる。チームとは様々な人が集まり関係性を持つ。中にはうまくコミュニケーションを取らない人もいる。そのような人のために、話し合いの場をうまくデザインできれば、チームは活性化する。その方法が、会話→対話→議論→省察といった項目で紹介されている。
    会話の中では、マイブームや相手のストーリーを引き出し、語り手の興味や関心がどこにあるのかを見極める。相手の話を引き出すには、自分から心を開く・弱みを見せるといったことを行い、心理的ハードルを下げるのが効果的。
    対話ではミッション・ビジョン・バリューといった本質的な深い話を発見を通して見つけていく。
    議論では問題点を明らかにし、思考の壁を打ち破る。
    省察で経験を学習に結び付ける。
    メンバー全員がリーダーとなるような組織にできることが一番望ましいのかもしれない。

  • ファシリテーションのスキルを使ってチームビルディングを行う方法を学ぶことが出来る一冊。「会話」→「対話」→「議論」→「省察」のサイクルと、それぞれのサイクルで扱うテーマが12個上げられており、これを回せば、チームビルディングが出来上がる。
    難しい考え方や取り組みはほとんど無いが、ファシリテーター型リーダーシップが成功の鍵となるのは明らか。ファシリテーション自体、会議のファシリテーターからチームリーダーとしてのファシリテーター、ファシリテーター型変革リーダーと成長していくものであると考えると、チームの成長なくしてリーダーの成長もないのだろう。共に学び合える環境を作ることも、大切なファシリテーションなのだろう。

  • (S)
     ファシリテーションで有名な堀氏の本。
     チームをより良くするためのプロセスが、4つのステップ、12の議題とともに紹介されている。
     かなり淡々とした説明が続くので、チームビルディング本でよくある読んでいる最中の高揚感みたいなものは得られない。

     説明されているステップは納得性が高く、確かにこんなステップで話し合いを進めていけば、チームとしての合意や連携されたアクションにつながりやすいイメージを持てる。
     本書では「ファシリテータをするのは、チームのメンバー(当事者)で良い」ということが書かれているが、ここには若干の疑問が残る。チームがうまくいかない原因のほとんどは、(最終的に)人間関係に行き着く。つまり人間関係が良くない中で、そのうちの誰かがチームビルディングを仕切ってもうまくいかないのではないかと思う。

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著者プロフィール

組織コンサルタント、日本ファシリテーション協会フェロー。大阪大学客員教授(テクノロジーデザイン論)。
1960年神戸市生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。ミノルタにて製品開発や営業企画、経営企画に従事したのち独立。2003年に日本ファシリテーション協会を有志とともに設立し、初代会長に就任。組織変革、企業合併、教育研修、NPOなど多彩な分野でファシリテーション活動を展開している。ロジカルかつハートウォーミングなファシリテーションに定評がある。

「2022年 『ファシリテーション・グラフィック[新版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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