- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023309463
作品紹介・あらすじ
自由と仲間が最重要な、『ONE PIECE』世代の20代。理不尽な組織から逃れられない、『機動戦士ガンダム』世代の40代。二つの世代の対立と解決策を説く。
感想・レビュー・書評
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「ワンピース世代」と「ガンダム世代」この二つの異なる世代が一つの会社や組織に並存するのが現代でその世代間抗争は激烈な物になっていくだろうと予言したのが本書です。果たしてそれは本当か?
この本によるカテゴライズでは僕はギリギリ「ワンピース世代」に属すのですが、残念ながらこの時期を書いている段階ではワンピースをまったく読んだことがないのでこの本で取り上げられているあらすじの範囲内でしか世界観がわかりませんでした。一方、ワンピース世代の上司である『ガンダム世代』の抱える内在的ロジックのほうが十代の時の友人たちの影響でガンダムをしこたま見ていたので少しはわかるのかもしれません。
年齢が特定されるので詳しくは書きませんが僕個人は自分のことを基本はエヴァンゲリオンとガンダムのハイブリッド種。その中に宇宙戦艦ヤマトが少々だと分析しております。まぁ、自分のことはさておいて、筆者はガンダム世代とワンピース世代を次のように分析しております。
◆ガンダム世代の特徴
1960~69年生まれ
キーワードは「組織への従属」
「人類のニュータイプへの進化へのあこがれ」
「個人の感情は押し殺してでも組織に従うべきだ」という考え方。
タテ社会という枠組みの中で生きているのが特徴。
◆ワンピース世代の特徴
1978~88年生まれ
キーワードは自由と仲間という価値観。
「自分で正しいと思うことを判断する」という行動規範。
ヨコ社会という枠組みの中で生きているのが特徴。
本書の中では二つの価値観が異なる世代が『なぜお互いのことを分かり合うことができないのか?』ということについて多種多様な分析を重ねながら、近い未来の姿についてかなり大胆な予測を立てているのが印象的で、破綻した日本の中でそれを実感できないまま日々をやり過ごす人と、ヨコの連帯を駆使して自分の組織には忠誠心や帰属意識を持たずに生きていく人の違いが描かれていて、そこがなんとも不気味だったことを覚えております。
しかし、双方ともに共通していることは「ウチ」と「ソト」に対する態度を明確に「区別」しているという点で、この辺は僕自身がかねてから嫌悪している「ムラ社会」の存在が形を変えて彼らの「裡」に横たわっているのか、ということを感じました。個人的には何度もいうようにワンピース世代ですが、漫画そのものはまったく読んだことがないので、「イマドキの若者」の内在的ロジックを知るためにも少し読んでみようかな、とは感じました。まぁでも「世代間構想」というのはいつの時代にもありましたし、これからも変わらないでしょう。そんなことを考えつつ、ここで筆を擱きます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ガンダム世代とワンピース世代の考え方の違いなどが書かれています。
私は、どちらのアニメも観て知っています。
どっちも頷けるし、判ります。 はい
ですのでもちろん、ガンピース世代です。(^o^)
って、無駄な抵抗は止めて、ガンダム世代と白状しましょう。
縦社会のガンダム世代の行動特性とその背景
成程成程そりゃそうでしょ わかるわかる
横社会のワンピース世代の行動特性とその背景
へ~っ、そうだったんだ、え~~、そ、そうなの(><)
なかなか面白い物のみかたですね
ガンダム世代がワンピース世代に
良かれと気を遣っても、何とも感謝しないというか、リアクション薄い
価値観が違うので、彼らはそれをありがたいと思わないからだ とか
我慢が足りん! って思ったけど、彼らは我慢する必要を見出してない
そりゃ我慢しないわね (^o^) とか
攻略法が見えたわけじゃないけど、相手を理解する助けにはなります。
宇宙人のワンピース世代を
後半の超超近未来の予測も、なかなか面白かったです
2012年とかあって、今じゃん とか思いましたけどね -
ハッキリ言うと、この本はただのエッセイである。
面白いと感じた箇所は以下の通り。
↓↓↓
流行している物語には、流行する理由がある。
世相を反映している。
50代:ガンダム。組織に殉じる必要がある
30代:ONE PIECE。自由と仲間が第一 -
ワンピース世代のコミュニケーション能力の高さが仲間内のみで発揮されることに納得。自由と仲間、意思決定を自分で行うことへの価値を見出す点もよく分かる。
著者がガンダム世代ということもあり、その世代を自虐的に書いているところが気になった。
ガンダム世代のキーワードが、組織への従属とニュータイプへの憧れと、基本的に良い側面が感じられにくいワードになっていることからも、上の年代への自虐観が透けて見える。
後半、たとえ話のところから論が失速した感がある。 -
「ジェネレーションギャップ」をそれぞれの世代のマンガになぞらえて紹介したビジネス書。
が、タイトルのわりに(?)けっこうシビアな内容で読み応えがあった。
最終章がストーリー予想という小説風のよみものにあてられていいるのだが、三番目のが一番おもしろかった。
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P23
『機動戦士ガンダム』に影響を受けた世代は、組織は理不尽なものと理解しつつも、そこに所属することをよしとしている。一方で、『ワンピース』に影響を受けた若い世代は、組織への所属よりも仲間への所属を由としている。
P94(柔道界の至宝、石井選手と、斉藤監督との確執を例に挙げ)
結局のところ、この寓話における”悲劇”とは何だったのだろうか。
コミュニケーション能力が仕事の業績を左右するような会社であれば、コミュニケーション能力の低いもの通りの軋轢が起こっても、大きな問題ではないかもしれない。(略)
しかし、そうではなく、別のスキルが業績を左右するような組織、たとえば研究開発現場、事業開発の仕事やITなど、コミュニケーションの能力よりも個人のスキルが会社の将来の価値に直結するような分野では、優秀な若手がやめるということは、将来の大きな損失に繋がる。
(略)ワンピース世代は新しいやり方で成果を出す傾向がある。ひとつの理由は若者という存在がいつの時代でも新しい現実に向き合う柔軟性が高いため、変化のある場所では若者の方が早く新しいルールに順応するからである。そしてもうひとつは、ワンピース世代の方が成果に意味を見いだす傾向が強いという点も重要である。
P105
ガンダム世代の管理職は、第1章で論じたように、表面的には正しいことに一旦従うという行動規範を青年期に身につけてきた。(略)なぜか。それは現実の世の中はどうしようもなく複雑で、絶望的なほどの矛盾に満ちているということを知って育った世代が、生きていくために身につけたガンダム世代なりの処世術だと私はそのことを捉えている。
P119
矛盾や虚構に気づいた上で、その虚構に乗って時代を生きる(のが、ガンダム)世代。
P120
この「人は革新する」ということと「社会は革新できない」という対局的なガンダムの世界観は、この時代の若者が存在した実社会での現実と奇妙に符号していた。(略)
自分自身は革新していくが、社会や組織は変われずに矛盾を抱えたまま存在する。その矛盾を飲み込んでわれわれは存在していく。苦悩の美学がそこには存在していた。
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2020年の二重政府
若者が年金や税金の支払いをボイコットし、SNSで繋がったいっけん非合法すれすれの組織で結託している社会。
彼らは政府にサボタージュというカタチで反抗し、いっぽうで自分たちの「リーダー」を守るためには労を惜しまない。
そんな彼らの屋台骨が、仮想通貨が支える地下経済である、というストーリー。 -
世代間のジェネレーション・ギャップを「ワンピース」(現在20代)と「ガンダム」(現在40代)に分別にして、論じた本。
既にある持論を無理やり上記のアニメ作品(世代に与えた影響とガンダムとの比較と言う意味でも「ワンピース」はアニメ作品として捉えるのが妥当だろう)に当てはめた印象。
ちょいちょい自明のこととしてでてくる「エヴァンゲリオン世代」について、もう少し言及スベキだと思った。自分を区分するとしたら、そこだろうからというのもあるけれど。 -
図書館
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「だいたいの世代論はおもしろくない」という私の思い込み通りの本でした。
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育った時代の環境があまりにも違うため、ガンダム世代とワンピース世代の考え方はお互いに分かり合うことが難しいとのこと。
○○世代と一括りにするのはよくないと思うが、各世代の思考方法が研究してあり興味深いいっさつであった。