チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023311213

作品紹介・あらすじ

2012年、中国の審判が下された。文化大革命時代、父親の肋骨をへし折った男・薄煕来。彼は、手段を選ばぬ方法で野望を膨らませ、5000億ともいわれる不正蓄財をし、「第2の毛沢東」を目指した…。薄煕来の妻・谷開来は、なぜ英国人ヘイウッドを毒殺したのか?莫大なチャイナ・マネーとスパイ。権力と欲望。世界をゆるがす薄煕来事件の真相に迫る。中国高官と太いパイプを持つ著者がつきとめた真実とは?渾身の完全ノンフィクション・サスペンス。

感想・レビュー・書評

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  • 文章がかなり下手くそで40ページほどにまとめられる内容が冗長
    引用も正確に明記していなくて、どこまでが筆者の主観でどこまでが事実かもわからない
    説明も結論と論旨と脱線がミニマルに繰り返されるので読むのが苦痛
    筆者は大学で高い地位にいたようだが、現代の学生なら落第レベルの文章力
    編集も真面目に仕事をしてほしい

  • 面白い!事実は小説よりも奇なり・・・。

    09年に重慶、成都に行った時に、じっとりと湿っている重慶と、からっと脳天気な成都との違いに驚かされた理由が少し分かった。

    毛沢東になれなかった男を通じて、中国共産党の集団指導体制が如何に強固であるのか、奥深いのかということが分かる。その中で、仕事をしているということは、甘くないなと再認識させられました。


  • 著者のチャイナシリーズはどれもが深く取材されており、緻密な内容で一気に読み終えた。

  • 著者の推理小説的な観点で、書かれていて面白いし、中国をよく理解している。中国を知るには、参考になる。

  • 2017/12/02 18:28:08

  • 薄熙来事件(薄熙来、谷開来夫妻のによる汚職、スキャンダル事件)の真相に迫るノンフィクション。

    薄熙来やその父親の薄一波という人物の強い権力欲、なりふり構わぬ上昇思考に圧倒される。このような人物が高い地位にまで上り詰めてしまえるところに、怖さがあると思った。

    不正蓄財した幹部や富裕層の子女を投資移民として積極的に受け入れている先進国。チャイナ・マネーの力も恐ろしい。

    前著「チャイナ・ナイン」と同じ時期を綴ったものなので、内容的には分かりやすかった。

  • 遠藤誉自身の中国における自分の体験。
    そして、薄煕来ー谷開来+薄瓜瓜事件の成り立ちから、推察。
    読みやすいようで、読みにくく、編集技術がいまいち。
    それをこえる 現実と事実。
    薄一波の執念。毛沢東、鄧小平より長生きしたオトコ。
    小説より奇なり というほどの 想像的ノンフィクション。
    中国を語る場合には こんな風にしか
    書くことができないのかもしれない。

    薄煕来 1949年7月3日生まれ。薄一波の息子。
    薄一波は 革命初代の勇士。八代元老のひとり。
    そして、文化大革命で 徹底して追求され、失脚。
    胡耀邦によって名誉回復したが、
    1979年 国務院副総理となる。
    1982年 党中央顧問委員会副主任となる。
    のちに書記の胡耀邦の経済政策を批判する。
    江沢民は 薄一波によって、鄧小平に推薦される。

    薄一波を薄煕来は 文化大革命の時に、
    肋骨3本をおる暴行を働くが、
    息子は将来の幹部になると思い込む。
    そのために、全力を挙げるが。
    薄一波の失脚とともに、投獄。
    薄一波の復活とともに、
    1977年北京大学 入学、
    そして1979年中国社会科学院研究生院にいく。
    北京大学で 谷開来とあったという。
    薄煕来は 李丹宇と結婚していた。
    『中国人民解放军北京总医院的女军医。1976年9月和薄熙 来结婚,1977年生下一子,名叫薄望知(后更名李望知)。四年后,1981年离婚。其父 李雪峰,曾任“文化大革命”初期的中共北京市委第一书记』

    薄煕来は あまり人気がなく
    薄一波の力を持ってしても、上に上げることはできなかった。
    1984年10月、遼寧省に転出し同省金県党委員会副書記。
    その頃、薄煕来は『三国志演義』を熟読していた。
    その時期に 黒社会とつながりができる。
    1987年 薄瓜瓜が生まれる。
    1992年 大連市市長。
    『南巡講話、鄧小平が1992年1月から2月にかけて
    武漢、深圳、 珠海、上海などを視察し、重要な声明を発表』
    1992年10月の中国共産党第14回党大会における「社会主義市場経済」路線の確定
    谷開来は弁護士、外資導入が、旺盛となり
    錬金術を発揮。ここでの蓄財が大きな土台となる。
    2001年遼寧省省長
    2002年11月、第16回党大会において党中央委員。薄一波も参加。
    2004年2月 商務部長に転出。
    遼寧省書記に 李克強。ここで薄煕来の悪事を収集。
    のちに 追求されたのは
    『遼寧省時代の職務に絡んだ約 2000万元(約3億2000万円)の収賄罪と約500万元(約8000万円)の横領罪』
    それは、明らかにされた内容に過ぎない。
    2007年10月の第17回党大会で中央委員に再選され、党中央政治局委員に昇格した。
    同年11月30日、重慶市党委書記に任命される。
    12月29日、商務部長を退任。
    2008年3月、第11期全人代重慶市代表に選出される。
    『唱紅打黒』運動。

    ヘイウッドと谷開来のつながり?
    →ヘイウッドは、イギリス ハロー校出身。
    薄瓜瓜の家庭教師。
    ヘイウッドは 何ものか?
    →2000年から2003年 谷開来はイギリスでイギリス人と同棲?
    後ろにひかえる パウエル卿。
    なぜ、谷開来は ヘイウッドを殺したのか?
    金銭トラブルであり、息子への脅威と言うことが、理由であったが、
    充分な蓄財があった。
    谷開来が 恐れたものは?

    遠藤誉は、その推理の仮説をおこない
    検証する。なぜか、その検証が 執拗でおもしろい。

    チャイナジャッジは あくまでも 
    中国の共産党支配体制を崩壊させないことを基準とする。

  • 文化大革命、個人崇拝、薄一波のやった事、其の馬鹿息子の人生…天安門事件の背景、鄧小平の疑心、中国の愚かな歴史の繰り返しでした。ミラノ出張のお供2でした。

  • 話の流れ的には前作「チャイナ9」からの続きで、結果として第五世代では指導層に入れなかったどころか、政治的には完全に終わることとなってしまった薄熙来に関する多くの謎について語る本。

    ・・・というと、冷静なノンフィクションかと思いきや、内容的には著者の想像が大半を占めている。これまでは中国生まれで日本育ち、成人してからは中国の公的機関の顧問も経験したという立場からの光るコメントが多いかったのに、ちょっとどうしてしまったの・・・というのが正直な感想である。

    著者自身も書いている通り、自分の幼少期の体験と関係してくるような内容だっただけに冷静に語ることが出来なくなってしまったのだろうか。
    事件直後になるべく早く出そうというのもあっただろうと想像するけど、完成度は類書に比べるとかなり低い。前作はなかなかよかっただけに残念。。

  • 政治は権力闘争と言われるが、ここまでだと誰のための政治かわからなくなる。もちろん全てがノンフィクションではなく一部筆者の想像もあるが、こういう体制だと中国が自助浄化されるのは無理ではないだろうか。
    いずれにしても詳細な取材に基づいた作品で良かった。でも少し読みづらいか?

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著者プロフィール

1941年中国吉林省長春市生まれ。1953年帰国。東京福祉大学国際交流センター長。筑波大学名誉教授。理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『チャイナ・セブン 〈紅い皇帝〉習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』(以上、朝日新聞出版)、『完全解読 「中国外交戦略」の狙い』(WAC)、『ネット大国中国――言論をめぐる攻防』(岩波新書)、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』(日経BP社)など多数。

「2015年 『香港バリケード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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