セブンプレミアム進化論 なぜ安売りしなくても売れるのか

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023312203

作品紹介・あらすじ

【社会科学/経営】小売りが企画するプライベートブランド(PB)商品が売れている。なかでも、「低価格」ではなく「高品質」を訴求するセブンプレミアムが急激な勢いで伸びている。ほかのPBとは何が違うのか。流通ジャーナリストが強さの秘密を解き明かす!

感想・レビュー・書評

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  • セブンプレミアムの研究に役立った

  • セブンはよく利用するが、セブンプレミアムは高かったので、意識して利用したことはなかった。本書を読むとかなり高い意識を持って開発されている事がわかり、すぐにでも買いに行きたいと思わされた。
    PBというものが低価格と言う認識から変えていく事から始まっており、そこが競合他社と違う。またその意識の元で開発されていくが、マーケティングも他社での売れ筋を真似るのでなく、今はまだ表立っていないニーズを掘り起こす、それをPB商品として開発していけるのがすごいと思った。しかし、体力のある企業だからこそであろう。

  • 価格訴求ではなく、価値訴求。買い手のニーズを捉え、買い手にサービスを伝達・訴求し新しい需要を作り出す。

  • 同じことを何度も何度もリピートしているだけで目新しい有用情報は得られず。

  • 完全なセブン&アイ・ホールディングスの「ヨイショ」本。そのあたりをさっぴいて読んだ方が良いかな。

  • 「セブンプレミアム」誕生の背景から、差別化に向けたポイント(開発体制、
    商品力の検証・改良体制)と今後の展望までをまとめた良書。

    第1章にある鈴木会長のインタビューは読みごたえがあり、
    「お客さまの立場に立った質的追求に限界はない」「お客さまの飽きとの戦い」など、
    具体的なセブンの対応事例と併せると、非常に考えさせられる内容。
    (金融業界に当て嵌めるとどうか?)

    具体事例も豊富に入っており、大変勉強になる内容だが、競争力の源泉と
    言える商品開発における手順「マーチャンダイジング・プロセスシート」は、
    (当り前だが)ややぼかした記述になっているのはもどかしい。
    また、商品の具体事例は「どれだけ成功しているか」だけではなく、
    「どうやって成功に持って行ったのか」「何が成功の鍵となったのか」を
    掘り下げてもらえると読み応えが増す印象。

    最後に、セブンプレミアムの質重視を示す指標を、本書から抜粋。

    2012年度

    セブンプレミアム
    ・総額:4,900億円
    ・単品:約3億円/単品(※)

    ※10億円以上の販売アイテムが92種類

    トップバリュ
    ・総額:記載なし
    ・単品:約1億円


    ①セブンプレミアム誕生の背景
    ・価格以前に、心動かされるようなもの、欲しくなるようなものがないことが
     問題なのだ。そのような状況のなかで、安く売ることは大きな有効需要の
     創出にはならず、安く売った分だけ経済を縮め、デフレスパイラルへ
     直結していくという状況が現実に起こっている。
     (P45-46)

    ・商品開発は、これまでにどこにもない、見たこともないものを
     発明するのではないのです。うどんやラーメン、おにぎりといった
     すでに存在するものについて、極端に言えば、レストランで食べる
     以上のものができるかどうか、それが我々の商品開発なのです。
     (鈴木氏インタビューP34)


    ②質を追求する開発体制

    ・原点1:絶えることのない商品の質的革新
     ~1年間に70%以上の商品が入れ替わる
    ・原点2:商品の圧倒的な差別化を支える事業インフラ
     ~セブンの専用工場比率は97%、L社:30%、F社:4%
    ・原点3:企業の垣根を超えたチーム・マーチャンダイジング
     ~グループ各社の商品開発部の人間が組織横断的に取り組み
      (独立した専門会社にすると、サプライヤーが1つ増えただけの印象)
     ~外部のメーカー・ベンダーを集めた任意組織「日本デリカフーズ協同組合」
     ~「メーカーのポテンシャル」をカルテ化し、製品毎に最適な提携
     ~流通が販売をコミットすることで、メーカーが蓄積する開発力・技術力を
      引き出す
    ・原点4:仮説・実践・検証に基づいたマーチャンダイジング・プロセス


    ③絶えざる商品革新 ~ 商品力を検証する仕組み

    ・「プレミアルライフ向上委員会」によるチェック
     ~1万7千人が登録するインターネットを活用したモニター組織

    ・OFC(Operation Field Counseler)による試食
     ~購入費用は会社が負担

    ・セブンイレブン1万5000の店頭
     ~セブプレミアムの75%はセブンイレブンで売上
     ~加盟店は売れる/儲かるもの以外は購入しない

    ⇒上記にPOS調査を加えて、商品を徹底改良。
     (発売後、90日後には、仮説検証を義務付け)


    ④セブンプレミアムの今後

    ・2015年度に売上1兆円
    ・ゴールド比率を2%→15%、アイテム数も26→300
    ・セブンイレブンでの販売シェアを9%→12%
     (平均日販67万円を5~8万円引き上げる武器に)

  • 半分、巧みなセブンプレミアムの販促なのかと思えるほど、いいことを書き連ねている。

    実例は後半1\3に多く記されている。もう一つ気になったのが、現会長、CEOの鈴木さんの天才ぶりである。それを引き継げるだけの存在、仕組みがあるのだろうか。

    全ては人にやることであろう。

  • ものは安売りをしないと売れなくなったのか?
    今、スーパーでは安物売り競争に陥り、各社利益が出せず苦しんでいる。
    それをしり目に快走しているのが「セブンプレミアム」(セブン&アイグループ)のPB商品だ。
    この商品は上質なものをお手軽な価格で提供してくれる。
    派手さこそないが、厳選しきったNBパートナーと原料から作り方までこだわった商品群は強力。
    普段語られないセブンプレミアム商品の強さの秘密がこの本を読めばわかります。
    セブンイレブン15,800店の量を売りきる力もあり、他社は追随することはそう簡単なことではないね。

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