コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023316157

作品紹介・あらすじ

【社会科学/経営】ベストセラー『コトラーのマーケティング3.0』の先には「4.0」があった! 本書では「3.0」で考察された次世代マーケティングを発展させ、さらに自社の商品やブランド戦略に具体的に取り入れていくための方法論も解説する。神様コトラーの最終講義!

感想・レビュー・書評

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  • 2017年の時代に書かれたコトラー先生のマーケティングは2023年に読むと少し当たり前に感じてしまう内容でしたが、他で読んだマーケティング書籍はここから参考にしたものも多かったはずですね。 5.0はなる早で読むようにします!

  • 恐らくベビーなネットユーザーにとって本書は”what’s new”を見出せないのではなかろうか。下手をすると本書に触発されて新しいことを始めようと考える時点でもう「時代遅れ」なのかもと思ってしまう。読んでいてある種の面白さは感じられるけど、個人的には何とも後味が悪く、困惑する一冊だった。

  • 3.0が出たのが最近だと思っていたら、もう7年も経っていると。3.0は観念的な感じがしたが、4.0はかなり具体的に書いてあると思う、これからは4Pではなく4C(co-creation, currency, communal activation, conversation)だと言ってみたり、カスタマージャーニーは5A(aware, appeal, ask, act, advocate)だったり。3.0の人間中心のマーケティングが、SNSの普及によりどのように進化しているかを説いている。帯に「最終講義」とか書いてあるが、もっと講義して欲しい。

  • 「成功する企業やブランドは、ワオの瞬間を偶然に任せたりはしない。ワオを意図的につくり出し、顧客を認知から推奨へ建設的に導いていく。顧客とのインタラクションを、喜びから経験へ、さらにはエンゲージメントへと、創造的に高めていく。あなたのブランドは、そのひとつだといえるだろうか?」
    本書の結びのセンテンスであるが、上記の問いに応えるべくヒントが詳しく解説されている。本書で解説された具体的なキーワードとしては、デジタル時代のメガトレンドとしての企業と顧客の関係性の縦から横への変化、デジタル時代のカスタマージャーニー(認知(AWARE)→訴求(APPEAL)→調査(ASK)→行動(ACT)→推奨(ADVOCATE))に即したコミュニケーション、認知から推奨に進ませるOゾーン、顧客エンゲージメントを高める手段としてのモバイルアプリ、ソーシャルCRM、そしてゲーミフィケーション。マーケティングに携わっている方は必読だと思います。

  • 前作に引き続き、マーケティングを定義し直した。
    今回はデジタル時代におけるマーケティング4.0。
    キーワードはカスタマー・ジャーニーであり、従来とは異なり、顧客は5Aという段階を経て認知から推奨までを経験するという。

    SNSの普及で拡散力が複利的になる中、企業もYWNをターゲットにつながりを築く必要がある。

    2Cでも2Bでも応用できる、カスタマー・ジャーニーの類型があったので、自分の従事する産業はどれに当たるか、蝶ネクタイ型にするにはどうすれば良いか、定期的に見直したい。

  • デジタル時代のマーケティングについて学べる本。前回の3.0から、人の求める価値観の変化に合わせたマーケティングに対して、その人の心理に向き合いデジタルを活用してどのようにマーケティング活動を行なっていくかのヒントが得られる。

    学びメモ
    ・マーケティングは、製品やサービスを顧客が知り、購入、推奨に至るまでのカスタマージャーニーの質の変化に対応していく必要がある。マーケティング4.0の究極の目標は、顧客を認知から推奨にに進めることである。
    ・カスタマージャーニーは、認知、訴求、調査、行動、推奨の5Aモデルの時代になっている。
    ・5Aフレームワークはあらゆる産業に適用できる柔軟なツールであり、顧客の行動を描写するために使われる時、従来のフレームワークより、実際のカスタマージャーニーに近い図を描いてくれる。このツールを使うことで、産業間の比較も可能になり、それぞれの産業の特性について知見を得ることができる。また、企業と顧客との関係についても競合他社と比較しての特徴を把握できる。測定する価値があるのは、2つの指標がある。購買行動率(PAR)、ブランド推奨率(BAR)カスタマージャーニーには様々なパターンがあるが、蝶ネクタイ型のパターンを目指すのが重要である。

  • コトラーのマーケティング4.0 スマートフォン時代の究極法則を読んで

    構成
    第一部 マーケティングを形作る基本的なトレンド(第1〜4章)
    第二部 デジタル経済におけるマーケティングの新しいフレームワーク(第5〜7章)
    第三部 デジタル経済におけるマーケティングの戦術的応用 (第8〜11章)

    はじめに
     マーケティング3.0では、顧客が全人的存在に変化していることを指摘し、マーケティングの未来は、人間的価値を支持し、表現するサービスや企業文化を生み出すことにあると主張した。
     ハイテク世界では、人々はハイタッチ(人間的なふれあいを強く求める。社会的になればなるほど、自分だけのために作られたものを欲しがる。ビックデータ分析に支えられて、製品はよりパーソナライズされ、サービスはよりパーソナルになる。
     本書の前提として、マーケティングはデジタル経済におけるカスタマージャニー(製品やサービスを知った顧客が購入•推奨に至るまでの道筋)の質の変化に適応する必要があると言うことがある。
     第一部は、現在の世界の観察結果。第二部では、どのように生産性を高めることができるか。第3部では、マーケティング4.0の主な手法を詳しく説明する。

    第一章 繋がっている顧客へのパワーシフト
     世界は覇権から多国分散型の権力構造に移行している。 排除から包摂(違いがあるにも関わらず、調和して生きるということ)へ。
     ロングテール理論(ネット販売では膨大な数のアイテムを低コストで取り扱えるので、あまり売れない製品でもアイテム数を幅広く取り揃えることで大きな売り上げをあげたい)
     最近の調査によると、マーケティングコミニュケーションよりもFファクター(friends, familiy, Facebook fans, Twitter followers)が信頼されている。
     モバイル端末による接続性のおかけで、顧客は集合知を獲得して、より良い勾配決定ができる。顧客はもはや、受動的なターゲットではなくなり、能動的なコミニケーションメディアになりつつある。

     まとめ〜横のつながりを重視する包括的、社会的なビジネス環境〜
    ソーシャルメディアは、地理的•人口動態的障壁を消し去って、人々が繋がってコミニュケーションを取ることを可能にし、企業が協働によってイノベーションを行うことを可能にしている。顧客は横の関係をより重視するようになっている。彼らは、ブランド発のマーケティング•コミニュケーションをますます警戒するようになり、代わりにFファクターに頼っている。最後の点として、顧客の購買プロセスは、今まで以上に社会的になっている。顧客はこうばいけっていを下す際、自分の属している社会集団にかつてより、注意を払うようになっており、オンラインとオフラインの双方でアドバイスやレビューをまとめている。

    第二章 繋がっている顧客に対するマーケティングのパラドックス
     オンラインとオフラインを融合させた顧客経験を。
     接続性により、マーケティング•コミニュケーション、周りの意見、自分の意見のうち、周りの意見が重要になっている。忠実な推奨者が欲しい。

    第三章 影響力のあるデジタル•サブカルチャー
     ywn(若者、女性、ネット市民)がデジタル時代の重要なセグメント。
     若者はアーリーアダプターであり、トレンドセッターであり、ゲームチェンジャーである。主流の顧客のマインドに影響を及ぼしたいのなら、まず若者を取り込むこと。
     女性は、全体を見て判断する買い物客であり、ハウスホールドマネジャー(アメリカでは男性26%, 女性 41%)であるため、市場シェアを獲得する鍵となる。
     ネティズンは、Fファクターも含み、ブランドの伝道者となる可能性が高い。また彼らはコンテンツ伝道者である。

    第4章 デジタル経済におけるマーケティング4.0
     マーケティング4.0は、企業と顧客のオンライン交流とオフライン交流を一体化させるマーケティングアプローチ。透明性が高まる世界では真正性が貴重な資産。さらに、接続性とAIを利用して、マーケティングの生産性を向上させる。
     セグメンテーションやターゲティングは、企業からの一方的なものなので、顧客に寄り添う姿勢は大切にしていきたい。
     4Pを売り込むことから、4Cを利益に繋げるところへ。共創では、顧客が製品をカスタマイズしたりする。

    第5章 新しいカスタマージャーニー
     接続性時代のカスタマージャーニーは、5A(認知→訴求→調査→行動→推奨)

    これらのステップを飛ばす客や前の段階に戻る客も存在する。
     ニールセンによると、83%の人が家族や友人を信頼できる広告源にしており、66%がオンライン上に投稿された他者の意見に注意を払っている。
     3つの主な影響源については、外的影響→マーケティング•コミニュケーションに力を入れる 他者の影響→コミニティマーケティングに力を入れる 自身の影響→購買後の顧客経験を高める

    第6章 マーケティングの生産性の測定指標
     

     5Aの全ての段階でコンバージョン率を測定するのが良い。それぞれに意味がある。
     

     誘引力の要素の例→社会的•環境的価値、ライフスタイル運動、パーソナライズ
     好奇心の要素→コンテンツマーケティング(顧客の生活に関係あり、特定のブランドと結びついているコンテンツを作成、配信する)
     コミットメントの強化→オムニチャネルマーケティング
     親近感→ヒューマンタッチ、ソーシャルメディア、ゲーミフィケーション
     
    第7章 産業類型とベスト•プラクティス
     5Aに基づく4つの主な産業類型

    ドアノブ型→購買は概して一瞬のうちに衝動的に行われる。
    金魚型→家族旅行や企業間取引など
    トランペット型→高級車や腕時計など。推奨者の数が実際の購入者よりも多い
    漏斗型→耐久消費財やサービス産業。カスタマージャーニーのどこでもブランドを対象から外すことがあるので、総合的な顧客経験が重要。ドアノブ型で許される表面的なポジショニングはout。
    理想は蝶ネクタイ型


    第8章 ブランドの誘引力を高める人間中心のマーケティング
     人間中心のマーケティングのスタートは、顧客の心の奥底にある不安や欲求を明らかにすること。(デジタル化していく中でアイデンティティを探していく傾向から有効と判断)
     手段としては、ソーシャル•リスニングや、ネトノグラフィー、共感的リサーチがある。
     ブランドが構築すべき人間的側面(見た目、知性、社交性、感情性、人間力、道徳性)

    第9章 ブランドへの好奇心をかき立てるコンテンツ•マーケティング
     コンテンツマーケティングとは、コンテンツに関する会話を生み出すために、明確に限定されたオーディエンスグループにとって、興味があり、適切で、役立つコンテンツを制作、編集、配信、拡散することを伴うマーケティング。
     広告が、製品•サービスの販売を促進するために伝えたいと思う情報を含んでいるのに対し、コンテンツは顧客が自分の個人的•職業的目的を達成するために使いたいと思う情報を含んでいるのである。
     



    第10章 ブランド•コミットメントを生み出すオムニチャネル•マーケティング
     シームレスで一貫性のあるオムニチャネル•マーケティング。センサーによるナウエコノミーや、鏡に商品情報が映ることや、忙しい韓国人向けのポスターに貼られたQRからの注文や、イケアのARマーカーなどのオンライン(即時性)×オフライン(親密さ)は面白い。
     効果的に行うには、最も重要なタッチポイントとチャネルを特定し、戦略を実行可能にする組織構造も必要である。

    第11章 ブランド•アフィニティを築くためのエンゲージメント•マーケティング
     推奨のためのエンゲージメント強化には主に3つの方法がある。モバイル•アプリ、ソーシャルCRMアプリケーション、ゲーミフィケーションの利用。
     スマホの利用は大切。今では世界人口の7割がスマホを持っている。スマホには、コンテンツの媒体、サービスチャネル、製品•サービス経験の一部等に利用できる。
     アプリのデザインには、ユースケースの決定→機能とユーザーインターフェースのデザイン→バックエンドの統合の順が良い。
     ゲーミフィケーションは、より高い目標を達成し、自分の達成を認められたいという人間の欲求を利用している。またある程度依存性もある上、企業にとってはデータ収集の機会にもなる。

    感想
     第一章により、新興国も踏まえ全体を見るグローバルな視点を持つこと(排除から包摂より)、顧客同士の繋がり、会社なら他の産業を含めた動きに注目すること(縦から横へより)、集合知を得で判断する顧客に注意することが重要とわかった(個人から社会へ)。
     P&Gの「コネクト・アンド・ディベロップ」プログラムの成功は興味ある。(ファブリーズの商標の使用権を新しいカテゴリーの製品に許諾している)
     デジタル時代という大枠について話しているだけあって、大まかな方針程度に感じておいた方がいいかな。


    •自分の産業で、横の関係を重視する包摂的で、社会的なビジネス環境への移行を示すトレンドは何か?この変化にどう対応すべきか?

  • 現代では当たり前に語られていることを初期段階、最初に整理してまとめたものと理解しています。全体をざっと理解すると共に、実体験と照らし合わせていくとなお良いかと思いました。内容が内容なので多少の難解さ、読みにくさはあります。

  • 現代の基本が書いてある。オムニチャンネルなど、
    特性の箇所などは参考になる。

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著者プロフィール

2022年11月現在
米国・ノースウェスタン大学経営大学院(ケロッグスク-ル)S.C. Johnson & Sons 特別栄誉教授

「2022年 『「公共の利益」のための思想と実践』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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