わたしのおじさん

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (85ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784030052307

感想・レビュー・書評

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  • 生まれる前ってこんなんだったんかも、飛び降りたわたしすごかったなあ

  • これから生まれる女の子は出会う。死んでしまった自分のおじさんに。おじさんは女の子のお母さんの子どもの頃に死んでしまった弟。閉じたお母さんの心に呼びかけるおじさんとの旅。おじさんとの思い出は忘れてしまってもきっと心の奥底に根付いてくれる。
    死ぬこと、生きること。死んだ人、残された人、これから生まれる人。死と生が交差する世界。死んだ人も生きている人も同じ世界にあるってことだ。続く。

  • いつか、わたしは思い出すだろう。
    遠い昔、はるかな草原をあなたと旅したこと。

    草原が広がるこの地で、わたしがコウちゃんと過ごしたこと。
    しりとりしたりトランプをしたり、コウちゃんのお父さんとお母さん
    それはわたしの祖父母で、コウちゃんはわたしのおじさんだった。

    コウちゃんはわたしのお母さんの弟で、
    お母さんが11歳のときに、交通事故で亡くなった。

    縄跳びをするお母さん。

    コウちゃんやこの草原と別れてお母さんに会いにいくよ。
    わたしはいつかきっと、ここで過ごしたことを覚えているはず。

    こういう雰囲気の話、書くのは簡単そうで難しいだろうなあ。
    絵がまた雰囲気が出ていていい。

  • 出発の朝の、静謐で凛とした空気。独特のムードをはらんだ無二の世界で、いつまでも浸っていたいような優しさがあった。
    上品で美しい装丁と、植田真さんの清々しいかわいらしさのあるイラストもよかった。

  • もう死んでしまった人と
    これから生まれる人がいるところ。
    誰かの頭(記憶)の中のような場所。

    主人公にとっての母親と
    その弟(もう亡くなっている)との不思議な関係。

    懐かしくなるような文体で
    自然の中で遊び回る情景は
    想像して心がわくわくとあたたまった。

  • 独特の死生観。
    これから生まれる少女と、その叔父にあたる死んだ少年。
    生まれる前に見守り、送り出してくれる自分に繋がる人たち。その想いは生まれた後もきっとそこにある。

  • 湯本さんはこういった感じの話をよく書く気がする。ちょっと不思議は感じ。私はこういうのより直球の小説の方が好きだなぁ。

  • 2017.2.1

  • 201612/18

  • 三途の川のような場所。
    死んでしまったひとやこれから生まれていくひとが待機する場所の話だったと思う。違うかもしれない。
    語り手の女の子はおかあさんから生まれる前で、おかあさんの弟のコウちゃんはもう亡くなっている。おじいさんとおばあさんも亡くなっているということだったのかな。きっとそうだと思う。
    おかあさんの記憶と生まれる前の女の子の意識が共存しているってことだと思ったんだけど、自信はない。
    これが児童文学なのだろうか。深すぎる。

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著者プロフィール

1959年東京都生まれ。作家。著書に、小説『夏の庭 ――The Friends――』『岸辺の旅』、絵本『くまとやまねこ』(絵:酒井駒子)『あなたがおとなになったとき』(絵:はたこうしろう)など。

「2022年 『橋の上で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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