しばてん (田島征三)

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784032040500

感想・レビュー・書評

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  • 人は、かってなもんだわ…

  • 「しばてん」とは、カッパに似た化け物。その生まれ変わりといわれる太郎のたどる運命を、深いペーソスをたたえながら描きます。

  • ハッピーエンドの予定調和にはならない、すごい話だ。

  • ものすごい怖さと迫力で迫ってくる絵本。

  • 5分

  • 山口県立図書館のHPで知り、図書館で借りた。

    「こいつは、しばてんの うまれかわりや ないやろか。」
    たろうが ないたのは、うまの とめきちを みたときだけ。
    しりっぺたには、ひづめの かたちの あざがあり、すもうが すきで つよい。
    (土佐の話。この絵本の母体・手刷り絵本『しばてん』は、作者が1962年に自費出版したそうだ。)

    表紙・裏表紙をみて、「なんじゃこりゃ」とつぶやいてしまった。
    古事記しかり遠野物語しかり、異質なものは物語のなかで妖怪などにされてしまう。
    道徳的だと思うけれど、作者の「あとがき」が良かった。
    こういう気持ちは、言葉にするととたんにうそくさくなってしまうから、心にとどめておきます。
    絵はダイナミックです。
    た「し」ませいぞう、さんです。

  • 5分くらい。

  • 面白くて楽しくて煌びやかな世界だけが絵本の世界じゃない。
    重くて深くて悲しくて…そんな世界だって、ある。
    この重さや深さを、少しでも子供にも感じて欲しいなぁ。
    本当に大切にしたい作品です。

  • 田島征三著・絵、絵本「しばてん」を読む:
    「読書の森」から、「絵の中のぼくの村」という本を、拝借してきた時に、絵本も、一冊、併せて、読むことにした。土佐の民話に出てくる相撲好きの「物の怪」である「しばてん」の生まれ変わりであると信じられていた太朗という子供の物語で、飢饉に苦しむ村の民のために、長者の屋敷に、打ち壊しに入り、その力強さを存分に発揮して、村人に、米を分け与えて、飢えから救ったにもかかわらず、結局、取り締まりの役人に、村人の告発によって、捕縛されてしまうという何とも、民衆の持つ無責任さと太朗という差別され続けてきた人間の無垢の善意が、対比的に、描かれていて、子供と云うよりも、大人に成長した後の子供にこそ、読まれて然るべき絵本かも知れない。著者の田島征三は、「絵の中のぼくの村」という本の一節で、少年期に、過ごした土地である土佐の民話をベースにしているものの、実は、被差別部落出身であろうと思われる「センジ」という転校生のことを、念頭に置きながら、描いたと、述べているが、家に、遊びに来たこの数少ない友達に対して、大人の世界の「ある理由」から、家に、挙げられず、結局、やがて、センジは、どこかへ、行方知れずに、再び、転校して行ってしまったらしい。その時に、自らの内面に感じた心の傷は、ゆっくりと、癒えてゆくけれど、その時に、負わせた傷は、いつまでも癒えることなく、その傷口からは、真っ赤な血が、今でも、流れ続けているに違いないと、、、、、どんなに、長い時間が経過しようとも、忘れ去ることが出来ないと、、、、、、。
    大人には、時々、子供と一緒に、絵本を読み返してみることは、大切なことかもしれない。子供に読み聞かせると云うよりも、自分自身に、問いかける必要があろうかと、そんなことを感じる絵本である。

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著者プロフィール

1940年、大阪府生まれ。幼少年期を高知県で過ごす。多摩美術大学卒業。『ちからたろう』(ポプラ社)でブラティスラヴァ世界絵本原画展〈金のリンゴ賞〉を受賞し、以降『ふきまんぶく』(福音館書店)、『とべバッタ』『オオカミのおうさま』(共に偕成社)などで多数の絵本賞を受賞。2009年、新潟県十日町の廃校を丸ごと空間絵本にした「鉢&田島征三 絵本と木の実の美術館」開設。2019年、ハンセン病回復者の国立療養施設がある瀬戸内海の大島で「Nさんの人生絵巻」を制作。

「2023年 『たべるぞ!たべるぞ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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