あいつもともだち (おれたち、ともだち!)

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784032321500

作品紹介・あらすじ

ぼく、キツネ。オオカミさんとともだちです。イノシシさんもともだちです。イタチさんもクマさんも、ヤマネさんもともだちです。じゃあ、あいつは?あいつはともだちかな?あいつもともだちなのかな。かんがえてたらこんがらがって、わからなくなっちゃった。だから、あいにいったんだ!そしたらね…。3歳から。

感想・レビュー・書評

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  •  キツネとオオカミは、冬ごもりする友達としばしのお別れのあいさつをしました。クマやヤマネと、握手したり、ハグしたりして。
     けれど、ただ一人声をかけてあげることが出来ない友達がいました。ヘビです。キツネはヘビが苦手だったのです。ながーい体に抱きつかれたときのことを思うと、ゾゾーっとして。
     キツネは冬のあいだ中、ヘビのことが気がかりでした。オオカミと一緒に年賀状を書いていたのですが、ヘビにだけはどう書けばいいのか分かりませんでした。「ごめんね ヘビさん」ではおかしいし、「これからも よろしく」では、なおさら変でした。
     キツネの気持ちを察してくれたオオカミが、冬ごもり中の友達巡りに付き合ってくれました。寝言を言いながらスヤスヤ眠るクマやヤマネ。ヘビの所にも行って、ぐっすり眠るヘビの顔をそっと撫でるとひんやりしていたけれど何ともありませんでした。
     春になりました。「原っぱに出て行ったら誰もいない」という寂しい夢を見ていたヘビ。だけど、目を覚ましたら……。
     まぶしい光の中、キツネとオオカミが笑っていました。そして差し出されたしっぽにヘビもしっぽを巻き付け、握手です。
    「ヘビさんを待っていたんだよ。」
    「わ、た、く、しを…?」
    「今日は起きたばかりみたいだから、またくるね」

    いいお話です。

  • >キツネは、ヘビと冬ごもり前のお別れをしなかったことを気にしています。
    キツネが友だちについておおいに悩むシリーズ7作目。

    「おれたち、ともだち!」シリーズ。
    キツネがヘビに一声かけられなかったことをずっと悔やんでいる様子に共感しました。
    思い切って声をかけたらいいと頭では分かっているんだけど、なかなか実行するのは難しいんですよね。

    ヘビが冬眠から目を覚ましてまぶしさに目をつぶり・・・目を開けるとキツネが笑っている場面が強く印象に残ります。
    仲良くなれてよかった!
    オオカミのさりげない優しさがとても素敵でした。

  • 秋から春の話。冬眠する子としない子と。
    秋、冬眠する仲良しさんたちに挨拶をする。
    キツネはびみょうな関係のヘビさんに言葉をかけそびれてしまったことを気にしながら冬を過ごす。
    キツネもオオカミもあんまり人づきあいが得意じゃなさそうだったけど、どんどん世界が広がっていくなあ。

    冬の空がきれい。降り始めの雪の空の白さ、真っ青な空と積もった雪の眩しさ。
    それぞれの家の様子に個性があったり、クマは冬眠にそなえていたりするのも楽しい。
    キツネファッションが季節感全開で楽しい。
    前にきた服をちゃんと着まわしているのも、キツネのワードローブの存在を想像させて、世界観をつくりだすのに一役買っている。

    引っ込み思案で勇気がもてないヘビさんは、どうせ私は握手もできませんしね、とちょっと世をすねている。
    「はじまりのはじまりのはじまりのおわり」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4834021831のエドワード(カタツムリと握手しようとして相手に手がないことに気づき、それではとセルフ握手でさっさと解決する)を紹介してあげたい。

    キツネは気がかりがあるけれどオオカミと遊んでいるときは楽しそう。
    今回はオオカミがいなくてもいいような話だけど、オオカミがいつも一緒にいるからキツネが落ちずにすんでいるんだろうな。

  • 最近ブーム(私の)なのが、このともだちシリーズ。
    誰もが感じたことがあるようなともだちへの感情を描いています。
    深くて、じーんときちゃう。
    内田麟太郎さんの文はおもしろいので、そこもはまりどころ。
    絵も素敵です。みんなのファッションに注目~。

  • キツネと狼のともだちシリーズ。たくさん出てますね。
    キツネは冬ごもりをするクマさんともヤマネさんともあいさつをします。でもへびさんにはあいさつしそびれました。冬の間、へびさんのことがきにかかって仕方ありません。へびさんもへびさんで、春になっても一人ぼっちという夢を見て寂しい気持ちになります。
    気になるともだちには声をかけよう、自分からかけよう、そんなお話です。

  • 苦手な蛇さんと、冬眠前の挨拶ができなかったことを悔やみ、心を痛めるキツネくんは優しいな。
    苦手だからと切り捨てないところが素晴らしい。友達との関係は、こうあって欲しいです。
    (4歳9ヶ月)

  • 苦手な蛇さんへの、冬眠の前の別れ方に後悔しているキツネ。
    冬眠の前に寂しさを感じたままを夢で見てしまって、冬眠が冷めた後も寂しさを引きずっている蛇。そんな、それぞれの想いを解消する為にやらなくちゃいけない?事を教えてくれる良い本です。やっぱり誰でも不安だと思うのです。僕たち友達…なの?と。

  • あるある!

    言っておけばよかったこととか、こう云えればよかったなーみたいのは
    あるなあ・・
    わたしの場合言わなきゃよかった、余計なひとことも多いのだけど・・

    なんとなくお別れが言えなかったきつねとへび
    春になって、ちゃんとあいさつできてよかったよかった^^

  • 友達シリーズの冬バージョン。
    苦手なあの子と仲良くするには???
    きつねさんの気持ちの変化といつもながらのおおかみさんとの
    やりとりが可愛い作品。

    見せ方、衣装も◎

  • オオカミさんはともだち。じゃあ、あいつは??
    冬眠する友達としばしのお別れ。でもヘビに挨拶し損なったキツネは心に引っかかりが。「一声交わしておけば良かった……」。言葉を交わせばすぐ友達になれる。その一歩が意外と勇気がいることで、でも大切なこと2009/03/10

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著者プロフィール

《ありえる》
父は桃太郎。母はかぐや姫。妻は白雪姫。
エッセイ『絵本のことば 詩のことば』
詩集『ことばの遊園地』『たちつてと』
《ありえない》
1941年、福岡県大牟田市生まれ。
絵本『ともだちや』。

「2024年 『ありえない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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