- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784033270401
感想・レビュー・書評
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「ロッタちゃんとじてんしゃ」
作 アストリッド・リンドグレーン
絵 イロン・ヴィークランド
訳 山室静
1976年 2020年3月 第49刷
お転婆で生意気な5歳の女の子が
お誕生日に織りなすドタバタ^^;
きっと来年はもっと良いお誕生日になるのだろう。
それはロッタちゃんの周りの人達にとっても。
カラフルな絵がとても良い。
眺めているだけで楽しい。
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何と言ってもイロン=ヴィークランドさんの絵が素晴らしい!
最初に目にする絵は、ロッタちゃんの家の前の坂道と、近所の街並み。
俯瞰(ふかん)で描かれた見開きのイラストは、ロッタちゃんの家の前の道が坂道で、自転車で風を切って飛ばしながら走ると、とっても気持ちいいってことが一目でわかるようになっている。坂道の立体感の描き方が見事。
そのあとも夕食で1つの円卓に家族5人が輪になって食事をしているシーンも俯瞰。
ロッタちゃんの誕生日の朝の彼女の寝室の風景も俯瞰。
ロッタちゃんが訪れた近所のベルイおばさんの部屋も俯瞰。
これって、ドローンを操作したことがある人ならばこのアングルを考え付くのは易しいかもしれないけど…
ましてや小さい女の子が主人公のおはなしに付く絵だよ?
ふつうは子ども目線の低いところから見上げるアングルにしようとするところ。
それを、“逆転の発想”での俯瞰の多用により、風景のなかでのちっちゃい姿のロッタちゃんが、「わたしだってできる」と言って大きな存在になろうとしている様子が、うまくコントラストとして表現されていると思う。
お話も、子どもだけでなく、5歳前後の自我が芽生えて何でも自分でやってみようとする子どもに振り回された(?)経験のある大人ならば誰でも楽しめるはずです。 -
「あたいだって、きっと、じてんしゃにのれますよ。」とロッタちゃんは、さけびました。(引用)
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お兄ちゃんとお姉ちゃんが自転車に乗っている姿を見て、5歳のロッタちゃんは、いつも「わたしだって乗れるんだから!」と思っています。
けれど、ロッタちゃんが持っているのは自転車ではなく三輪車だけ。
そこで、ロッタちゃんはある計画を思いつきました。それは…
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フリーハンドで描かれたロッタちゃんたちが住む町並みの建物。
建物の柔らかな線が、絵本のあたたかな世界においで、と誘ってくれているようでした。
表紙のツン!としたロッタちゃんの得意げな表情といったら!
5歳と言えば、お話は上手になってきますが、やりたいという気持ちに身体の動きがついてこない時期でもあります。
そんなもどかしい気持ちを抱えているロッタちゃん。
オトナからみれば、いたずらにしか見えないロッタちゃんの言動が、小憎たらしく思えてしまうのですが、きっと子どもにとっては「ロッタちゃんの気持ち、わたしとおんなじだ!」と思うのでしょうね。
さて、自転車に乗りたくてたまらないロッタちゃんの冒険は、どうなりますことやら?!
小2の娘に読み聞かせをしましたが、意外と文章量が多く、25分くらいかかりました。
読み終わったときには、わたしの声はへろっとなっていましたが(苦笑)、娘は読んでいる間もずーっと絵を見つめ、集中していました。
やんちゃな5歳の女の子のお話を通して、親子ともどもロッタちゃんの行動のウラにある気持ちを、ぜひ味わってみてくださいね。 -
映画にもなっているけれど、まずイロン=ヴィークランドの絵がいい。絵だけ見ていると、日本人の感性に近いものがあるような気がしてくる(フィンランド生まれの人の名前も、どこか語感が日本人の名前に似ているのは気のせいか)。
けれども話を読んでみると(訳はムーミンシリーズで有名な山室静)、国籍うんぬんではなく、出身国がどこであろうが、子どもはどこにでも存在すると思わされた、いい意味で。それほど子どもの心理(その変わりやすさ、善悪が曖昧模糊としているところなど)をものすごくリアルに描いてあって驚いた。 -
娘と読んだ本。ロッタちゃんは、自転車に乗りたくて盗んで乗って派手に転んだりと、娘はしないだろうなぁということをどんどんやっていき、痛快。自分とは違った世界が見れるのは絵本の素敵なところだなぁと実感しました。
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「ロッタちゃん5才の誕生日。ほしかった自転車を買ってもらえなかったロッタちゃんは、お隣から大人用の自転車を盗みだしました。」
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良かった
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【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
ロッタちゃんは5歳の誕生日をむかえます。しかし、欲しかった自転車を買ってもらえず、とんでもないことをします。
始終、ロッタちゃん!? と叫びたくなるくらい大暴れですね!発想が自由すぎて、最初は「盗む???」とひいていたのですが、途中から笑えてきました。とんでもない子だ。
子どもの頃、ちょっとしたことで、気分が上がったり下がったりしたことを思い出しました。誕生日は特別な日だったし、お兄ちゃんお姉ちゃんの態度も「わかるわかる」とうなずきながら見てしまいます。ささやかな事も重大ミッションで、なんとかしようと、作戦を立てたりしたな……さすがに盗みはしなかったぞ。ロッタちゃんたら、本当に恐ろしい子!
風景がとてもきれいな絵本でした。日本で言うと4月くらいかな。桜っぽい花、スイセン、若葉が茂る庭など、春の景色と誕生日という言葉に心が浮き立つ1冊です。 -
包容力のある、温かいストーリー。
ビビッドで発見の多い絵。
話と絵が実にしっくり合っていて素敵!