なつのいちにち

  • 偕成社
4.17
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本棚登録 : 1319
感想 : 170
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784033313405

作品紹介・あらすじ

まっ白な日ざし青い草のにおい…ページのなかからあふれだす。はたこうしろう・待望のオリジナル創作絵本。3歳から。

感想・レビュー・書評

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  • 田んぼが広がり、海も見え、牛舎もあり、森の端に神社がある。日本人がノスタルジアを覚える風景。僕はクワガタを採るために走る走る。切り絵のような色彩がいい。

  • 入道雲とセミの大合唱。
    全方位に広がる緑の海。

    立ちのぼる草いきれに
    田んぼのなかのカカシ。

    ・・・

    記憶のなかに刻まれた
    風景が懐かしさと共に
    よみがえりました。

    遊びに行くといつでも
    お煎べいと鈴カステラ
    を出してくれた、

    近所のおばあちゃんの
    しわしわの温かい笑顔
    まで思い出しました。

    しばしタイムトリップ。

    休みなんてあってない
    ような少し疲れている
    大人にこそ、

    手にとってほしい絵本
    です。

    • こっとんさん
      コルベットさん、こんばんは♪
      いつもありがとうございます。
      この絵本、子どもが小さい時に読み聞かせました。
      今、手元にないので、うろ覚えです...
      コルベットさん、こんばんは♪
      いつもありがとうございます。
      この絵本、子どもが小さい時に読み聞かせました。
      今、手元にないので、うろ覚えですが、色彩がはっきりしていて疾走感があってカッコイイ絵本でした。
      懐かしい夏の日のことを思い出させてもらいました。
      ありがとうございます(о´∀`о)
      これからもよろしくお願いします♪
      2023/08/19
    • コルベットさん
      こっとんさん、こんばんは。いつもありがとうございます。きっとお子様にとって思い出の一冊ですね。私は先日はじめて手にとりましたが、幼い日に見た...
      こっとんさん、こんばんは。いつもありがとうございます。きっとお子様にとって思い出の一冊ですね。私は先日はじめて手にとりましたが、幼い日に見た風景、というかまさに懐かしい色彩が広がっていて感動してしまいました。頭のなかには井上陽水の少年時代が流れ(笑 これからもよろしくお願いします♪
      2023/08/19
  • 夏なつがつく本をさがしていたらコルベットさんのレビューを見つけてお取り寄せ。井上陽水の少年時代が私も流れてきました♪

    疾走感あふれる一直線に「げんじのたに」まで向かう少年を同じ目線、横から、上から、下からいろんな角度でとらえている
    切り絵かな?と思うような描線と「卓抜」な色彩とのバランス、太陽の光をさんさんと受けているような明るさに、懐かしい夏の晴れた日を思い出す心地よさを感じる素敵な絵本でした

    • コルベットさん
      ベルガモットさん、こんばんは。いつもありがとうございます。ノスタルジーいっぱいで少年時代が流れてきますよね。お仲間が出来て嬉しいです♪
      ベルガモットさん、こんばんは。いつもありがとうございます。ノスタルジーいっぱいで少年時代が流れてきますよね。お仲間が出来て嬉しいです♪
      2023/09/10
    • ☆ベルガモット☆さん
      コルベットさん、多くのいいねとコメント嬉しいです!ご紹介なさったレビューのおかげで素敵な絵本に出会うことができました。この暑い夏もノスタルジ...
      コルベットさん、多くのいいねとコメント嬉しいです!ご紹介なさったレビューのおかげで素敵な絵本に出会うことができました。この暑い夏もノスタルジーにひたることができ久しぶりに少年時代♪を聞いて楽しくなりました。これからもレビュー参考にいたしまーす
      2023/09/12
    • コルベットさん
      こちらこそ参考にさせていただきます。これからもよろしくお願いします(。・・。)
      こちらこそ参考にさせていただきます。これからもよろしくお願いします(。・・。)
      2023/09/12
  • 7,8年前に初めてこの本を見たとき、絵本もこんな時代になったのだなと、そう思った。
    ビジュアル的に、とても素晴らしい絵本なんである。
    誰もいない玄関と門から出るまでの真っ黒い縁取り。
    静かでひんやりとした土間の気配が漂ってくる。
    麦藁帽をかぶった男の子がひとり、虫取り網を持って家から出て行く場面だ。
    海辺と田んぼと牛小屋の前を疾走し、神社の階段でひと休み。
    「ハア ハア ハア」というカタカナの息遣いが、見開きで続く。
    この子は、クワガタを捕りに行くのだ。
    この間の、むっとするような濃い緑と青い青い夏空。
    テントウムシ、トンボ、蛙、バッタ、カワセミ、セグロセキレイ、ツユクサ・・・

    いよいよクワガタを捕るという場面は、今度はコマ割りで描かれる。
    何度も失敗して、ようやく捕まえると今度は夕立だ。その爽快な達成感!

    今や滅多に見られない、全身で力いっぱい遊ぶ、子供の夏の話。
    疲れて帰る道にグミの実がなっていれば、すぐそれを口にほうりこんだ。
    甘くて美味しかったはずなのに、今食べてみると何の味も無い。
    そのとき私が分かったことは、あの頃は全身で味わっていたのだということ。
    あの夏は、もう戻らない。
    でもこの一冊の中にはしっかりと入っている。

    帯にはこう書かれている。
    【この本には少ししか文章がありません。あっという間に読めてしまいます。
    でも、絵と物語をゆっくり追うことで、それぞれの人が知っている「夏の音」や「夏の空気」を感じてもらえたらいいなと思います】
    おはなし会のスタートにも良いし、小さな男の子にはぜひ読んであげたい。
    約4分。文にはない音やにおいや空気を、一緒に感じられたらいいなぁ。

  • 以前、Eテレで見かけて読んでみたかった絵本。
    虫取り網を持った少年が家を飛び出して、街中、海沿い、山里を走る。
    ベターっとしたアニメのようなくっきりとした色合いの絵。
    だけど、家の黒からみた外の景色、緑の海、少年の足元から見上げる空。
    絵の迫力はもちろんだけど、彼のはやる気持ちが伝わってくる。森についたー!と飛び込んだ後のシンとした感じも。
    夏休みの一日にドキドキした。

  • 中古購入

    これは大人が懐かしく読む絵本
    色使いが 色鮮やか というだけじゃ
    物足りない
    とても伝えきれない
    見てもらえればわかるのだが
    これは 真夏の色 そのもの!!
    まず真夏の外から見た玄関の挿絵を見て
    ああ これぞ夏!と脳内で叫んだ気がした
    (自分でも何言ってんだかわかりません
    文才がなく本当に申し訳ございません)
    父の実家が埼玉の秩父で
    小学校の頃に毎年夏に遊びに行ったのを
    思い出す
    私の実家もわりと田舎なので
    ここの場面は近所のあそこに似てるなとか
    ここの場面は秩父で体験したなとか
    昔に想いを馳せる
    子どもと読む前に先に見て良かった
    一緒に読んでたら
    昔 お母さんもこうだったああだったと
    いちいち昔話を挟んで
    話が進まないところだった(笑)

    お話はごく単純だけど
    それ以上でもそれ以下でもない
    なんなら言葉もいらないくらい
    絵が語ってくれている絵本
    でも最後のセリフ とても良い
    やっぱり全部良い

    印刷すると
    絶対に同じ色にはならないので
    原画展で現物の色を見てみたかった

  • 濃い藍色に沈む夜空。
    アーケードに連なるちょうちんの灯り。
    露店から漂う林檎飴の甘酸っぱい匂いと
    少しずつ遅れて響く花火の音。
    うちわを手に浴衣を着て着飾った人たち。
    扇風機からの生ぬるい風と
    ラジオから聞こえるプレイボールのサイレン。
    縁側で食べるスイカのみずみずしさと
    喉を刺すキンキンに冷えたラムネの味、
    夕立を予感させる切なく甘い雨の匂い。

    子供の頃はいつまでもいつまでも
    ずっと続いていくような気がしていた長く暑い夏の日。
    けれどもそんなことはあり得ないって、大人になった僕は知っている。
    だから夏の夕方は
    切なくて物憂げで気だるいのだ。

    子供の頃の僕はいつだって冒険への扉を探していた。
    山や川はもちろん、
    押し入れの中も屋根裏部屋も工事現場にだって
    冒険への扉は潜んでいた。

    映画『スタンド・バイ・ミー』や『グーニーズ』に出てくる少年たちのように
    子供だけが入れる秘密基地を作ったり、
    山を探検したり、早朝に起きてカブトムシを捕りに行ったり、
    如何わしい本を探して夜のピクニックに出向いたり(笑)、
    自転車レースしたり、
    アスレチックコースを作ったり、
    毎日が冒険の連続だった。

    この絵本を開くとそんな夏の日が
    鮮烈によみがえってくる。


    あついあつい夏の日。男の子は虫取網を持って出かけていく。
    空にはたくさんのカモメと入道雲。あたり一面のたんぼのあぜ道。
    そして海岸沿いをひた走る男の子。

    兄にいいところを見せるため
    『きょうはひとりでクワガタムシをつかまえるんだ。』

    でっかい牛小屋の前を通り、
    神社の石段をハァハァ言いながらのぼり、
    生命力の光を撒き散らしながら
    山を脱兎のごとく駆けめぐる男の子が本当にかっこいい。

    山は生きものたちの宝庫だ。
    鬼ヤンマやカワセミ、蝶の大群、森の中こだまするセミの鳴き声、
    ショウリョウバッタにてんとう虫、
    そして男の子は
    目標のでっかいクワガタムシをみつける。

    高い木の上にいるクワガタムシは
    子供にとっては鯨ほどの巨大な敵に見えたに違いない。
    案の定、力の差は歴然。何度やっても何度やっても届かない。
    泥まみれになり地面に叩きつけられ、何度も木から落ちながらも
    決してあきらめない男の子。
    そしてついに彼は自分だけの力で、
    クワガタをつかまえるのだ。

    頼りない男の子はいつしか
    たくましい少年の顔に変わる。
    降りしきる雨の中、ずぶ濡れになりながらも
    クワガタをつかまえた喜びを隠しきれない少年をみごとに閉じ込めた
    カラフルで躍動感みなぎるダイナミックな構図が素晴らしい。
    意気揚々と緑の中かけぬけていく少年を見開きのアップでとらえたページの迫力は
    壁に飾っておきたいほどのカッコ良さである。

    子供は屋根から飛んだり、ブランコで回転したり、川で泳いだり、木から飛び降りたり、
    遊びの中から『危険』を体験して
    無意識にその、さじ加減を覚えていく。 
    ここから先は死が待ってるということを
    子供ながらも遊びの中で
    『感覚』として身体が理解していくのだ。

    山の中、巨大な敵に一人で立ち向かっていった少年も
    今日の冒険譚を忘れることはないだろう。
    自分の足を使って、見て触って、肌で感じた『生の体験』は、
    どんなに年月が経とうとも記憶の核となって、 自らを支えてくれる。

    誰もの記憶の底に眠る『あの暑い夏の日』を真空パックしたかのような、
    音や匂いまで閉じ込めた秀逸な絵本なので、
    夏にトリップしたいときに
    何度も見返せるのも嬉しい。

  • ページをめくると夏の空気が溢れてくる。強い日差しがつくる影の濃さ、抜ける青空と海の風、草の匂いまで感じられる、素晴らしい構図と色彩で描かれた夏の絵本。0歳の娘に複数の絵本を並べて選ばせると、だいたいこれが選ばれる。対象年齢など関係なく、人を惹き付ける魅力があると感じる。

  •  夏のある日、“ぼく”は1人でクワガタムシを取りに行く。今日こそは絶対に捕まえてやるんだ!


     図書館本。
     数ページ読んで思ったのが、狙い過ぎ!(笑)
     いやもう、いかにも田舎の夏真っ盛り!って絵ばかりなんだもの。「ぼくのなつやすみ」みたい。
     でもやっぱり良いんだよね、こういう夏。
     主人公の“ぼく”はなかなかワイルド。川を岩伝いに飛び越えて渡ったり、クワガタを取るために木に猛アタックしたり。いいねえ!
     近年は田舎でもこういう遊び方は減ってきている気がする。

  • 男の子の夏の一日。
    いつもはおにいちゃんと一緒に行く虫捕りに一人で行きます。
    「きょうは ぜったい つかまえる。ぼくが ひとりで つかまえる」
    路地、海、田園、牛小屋、神社…美しい風景の中、谷間で走って走って。
    そして見つけたクワガタを捕まえようと、何度も何度も挑戦。けがをしても、どろどろになっても。
    大雨にふられても、やっとクワガタを手にした男の子はすがすがしい笑顔です。

    短い文章でつづられた1冊ですが、夏の暑さ、におい、音、風の肌触り、けがの痛み、達成感、五感が刺激されます。

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著者プロフィール

はたこうしろう(秦 好史郎):兵庫県生まれ。絵本のほかに、イラストレーション、ブックデザインなど幅広い分野で活躍。作品に「おとうさん もういっかい」シリーズ(アリス館)『なつのいちにち』(偕成社)『むしとりにいこうよ!』(ほるぷ出版)『にちようびの森』(ハッピーオウル社)『どしゃぶり』(文・おーなり由子/講談社)「めいたんていサムくん」シリーズ(作・那須正幹/童心社)など。

「2023年 『まいごのモリーのおかいもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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