- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784033313603
作品紹介・あらすじ
タンザニアの草原にたつ一本のイチジクの木。大きなイチジクの木は、ずっとずっとむかしから草原をながめていました。イチジクの木はたくさんのことをしっています。草原はずっとかわらないこともしっています。そのイチジクの木のもとでくり広げられる「どうぶつさいばん」。うったえたのはヌー。うったえられたのはライオン。かずかずの証言、タンザニアの草原、ライオンに罪はあるのか?長年、野生動物の獣医として動物を診続けてきた著者竹田津実と、動物園の飼育係として20年以上、動物と生活を共にしていた画家あべ弘士が、動物たちのあるがままの姿を語る絵本。5歳から。
感想・レビュー・書評
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「キタリス」の竹田津実さんとあべ弘士さんによる絵本。
フォローしている方に教えて頂き、図書館で借りました、ありがとうございます。
草食動物の群れを襲うライオンが裁判にかけられる。
犠牲となった身内が涙ながらに訴えるのだが、しかし、ライオンのしている事は罪なのだろうか?
と、サバンナの諸動物や読者に考えさせる。
ライオンが狩をすることで、悪い病気が流行るのを防ぐことができる。
ライオンが狩をすることで、草食動物が増え過ぎず、食糧である植物がなくなることもない。
今や、自然界の理から大きく外れてしまった人間の存在は?
こんなことを言ってはいけないのかもしれないが、定期的に大流行する感染症は、地球が自らバランスを保つために起こることなのではないだろうか?とこの絵本を読みながら考えてしまった。
2020.7.26
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そういうことなのかぁと腑に落ちた。
このどうぶつさいばんシリーズすごいな。 -
「おおお!そうだったのか!」と、思わず声をあげて、その後はまるで登場する動物たちのように「いいさいばんだった!!」と感心してしまった。
タイトルを見ると??となるが、お母さんを食べられてしまったヌーの子が、食べたライオンを訴えるという話。
舞台はタンザニアで、8つの証言があり、その後判決が出る。
果たしてライオンの罪は・・?
それらすべてを見守る大きなイチジクの木が、象徴的だ。
ダイナミックで色鮮やかな挿絵を手がけたあべ弘士さんは、20年以上旭山動物園に勤務し、飼育係としてあらゆる動物たちの世話をしながら絵を描いていたという。
作者の竹田津実さんは、91年に獣医を退職してからも、傷ついた野生動物たちの保護・治療・リハビリに取り組んでいるということだ。
つまり、おふたりの長年の経験とその中で培われた考えの結晶のような作品と言えるかもしれない。
ライオンの罪と言っても、それは弱肉強食の世界だしやむを得ないだろうと、ほとんどの方が考えるだろう。
それぞれが生き抜くための手段としての、行為だと。
私もそうだった。だが、これは目がウロコの真実が見えてくる作品なのだ。
自然の摂理とはこんなにも懐が深いものなのかと、驚かされるだろう。
そして、かたや人間は、足ることを知らずいかに貪欲に他の動植物の命を奪ってきたことかと、恥じ入ってしまう。
動物たちに訴えられなければいけないのは、まっさきに私たち人間だろう。
生きていくことは、食べること。
でももっともっと「いのち」と「食」に対して謙虚にならなくてはと、心から反省させられる。
マサイの村の牛の話と、モンゴルの羊飼いの老人の話は、特にドキリとする。
約10分。4,5歳からでもOKだが、まずは大人が読んでみてね。 -
食べられたヌーのお母さんの子どもと食べたライオン、そしてそれぞれの証人が裁判でする主張に考えさせられます。
竹田津実さんの文はやさしく、あべ弘士さんの絵は迫力があります。
子どもと一緒に読むのがおすすめです。 -
ライオンが訴えられました
訴えたのはお母さんを食べられたヌーの子供
それぞれに弁護士がつき、証人も呼ばれます
ハイラックスが裁判長
ライオンが動物を食べることの必要性がわかる絵本
読み聞かせ時間は10分弱です -
ライオンはヌーを食べる。
これは悪いことなのか?
裁判を動物を通じて身近に触れられる本。 -
食物連鎖の重要性が描かれた作品。
あべ先生の絵が好きで、今回も色味が鮮やかで最高の作品と思いました!! -
《図書館》【再読】ライオンは、歩くない。弱肉強食の世界だから。