タンチョウは悪代官か?―どうぶつさいばん

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784033313702

作品紹介・あらすじ

北海道の湿原。さいばんがはじまります。うったえられたのはタンチョウです。タンチョウはヤチウグイをたべます。ふえ続けるタンチョウは、もっともっとといいます。ヤチウグイのからだは、タンチョウに支払う年貢、いいかえると、税金のようなものです。「このままでは全員たべられてしまいます!」ヤチウグイがいいました。納得できない年貢のとりたてをする人のことをむかしは悪代官といいました。タンチョウはほんとうに悪代官なのか?さいばん長は、ワタリガラスです。5歳から。

感想・レビュー・書評

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  • この「どうぶつ」の定義には人間も含まれている。
    どこに着地するのかと思って読んでいたけど、そうだよねぇ、そうだと思う!と納得する結末。

    10分くらい

    2023.9.6 5-2

  • 〝北海道の東の外れに広い湿原があります。大昔は海でした。湿原の真ん中には、キラコタンという丘があって、湿原に棲む生き物たちの集会場になっています。この丘で「動物裁判」が始まります。訴えられたのは、ヤチウグイ食べ放題のタンチョウです。「このままでは全員食べられてしまいます! ヤチウグイのからだは、タンチョウに支払う年貢のようなものです。タンチョウは、納得できない年貢のとりたてをする悪代官です」と、ヤチウグイが訴えました...裁判長のワタリガラスが下した判決は?〟自然の摂理を歪めた人間への戒めの絵本。

  • 動物の知識を易しく見せる前作と異なり、こちらはちょっとヒトゴトじゃない。
    テレビで見るきれいなタンチョウの足下には別の生き物がいるんだよなあ。
    答を出さない結末なのは、出せないからか読み手が出せということか。
    それにしても相変わらずすごい絵だ。

  • 北海道に縁がある竹田津氏とあべ氏の本。
    多くの人が気づかないような環境問題がテーマ。
    このような問題に子どもたちが気づく意味は大きい。

  • 2023.9.6 5-2

  • キラコタンの丘に私も行ったことがあります。
    そこはほんとうに壮大な自然が残る場所です。

    しかし昔はもっと自然が多く生き物も安心して暮らせていた。

    そんな釧路湿原で繰り広げられる、どうぶつたちによる裁判!

    いきものはにんげんだけじゃない。にんげんがいちばんじゃない。みんながみんなのことを思いやって生きていかなければならないと教えてくれる作品でした!!


    故 伊藤良孝氏(1919~2000)

  • 竹田津 実 (著), あべ 弘士 (イラスト)

  • 図書館本。私の選定本。6歳半の長女には難しかった。でも、分からない言葉を質問しつつ、最後までついてきた。絵本にして言葉も難しければ、ストーリーもまた深い問題を扱っています。

  • 難しい問題です。悪いのは人間なんですか?どこかで動物裁判が行なわれているのかもしれませんね。

  • 竹田津実さんとあべ弘士さんの「どうぶつさいばん」シリーズ。

    本作の舞台は北海道の湿原です。
    湿原の真ん中にあるキラコタンの丘で1年に1度行われるのは、動物たちの裁判。この年に訴えを起こしたのはヤチウグイ、訴えられているのはタンチョウでした。
    タンチョウはヤチウグイを食べます。年々増えるタンチョウに食べられるヤチウグイの数もまた、どんどん増えています。このままではヤチウグイが絶滅してしまう!ということなのです。
    ヤチウグイの弁護士・ヒグマとタンチョウの弁護士・カワウソがそれぞれ呼んだ証人たちは、一体なにを語るのか?ワタリガラスの裁判長が下した判決とは?

    読んだ後、めちゃめちゃ落ち込んでしまった……。

    私は生まれてこの方40年近く北海道に住んでいるんですけど、タンチョウの給餌事業のことを何も知らなくて。そしてその活動が着実に実を結ぶ一方で、本書で提起されているような別の問題も起こってしまっている、という事実が純粋にショックでした。

    この『タンチョウは悪代官か?』の初版発行が2006年。
    1953年に33羽とされていたタンチョウの生息数は、2012年の段階で1,500羽以上と推定されており、2016年には保護増殖事業を将来的に終了する方針が示されたそうです(Wikipediaより)。

    北海道の自然がより良い形で継承されていく事を願ってやみません。と云うか、願ってるだけじゃダメに決まってるので、娘の環境教育入門に本書を繰り返し読んで考えたいです。

  • キラコタン、ヤチウグイ、ワタリガラス

  • 2010.02 4-2

  • 2015/5/19 4-4

  • 人間の身勝手さを感じます。

  • 動物たちの裁判で、自分たちをどんどん食べようとするタンチョウはひどい、と餌である魚・ヤチウグイが訴えた。それについて動物や人間が議論する。
    最終結論は「人間の勝手だった、タンチョウが悪くない」。

    「食物連鎖と人」の関わり方、問題点を訴える絵本。
    なかなか新鮮な視点だなと思った。

  • 「悪代官」って子どもには難しそう!?とも思いつつ、考えさせられるお話。
    『としょかんライオン』同様、法教育教材としても紹介された絵本。

  • どうぶつさいばんシリーズ。
    北海道の湿原。訴えられたのはタンチョウです。タンチョウはヤチウグイを食べます。毎年、数を増やしているタンチョウは餌であるヤチウグイをどんどん食べていくため、ヤチウグイの数は減っていき、このままでは絶滅してしまう。
    タンチョウの数は何故、増えたのか。
    人間が冬場のタンチョウを可哀相に思い餌をやったから。人間が湿原を半分にしてしまったから。
    地球は人間と人間の好きな物だけのものではありません。天然記念物だとて、沢山の普通の生き物がいて、やっと生きてゆける生き物だった。
    タンチョウを悪代官(税金を不当に取り立てる役人)と言わしめたのは人間だったのだ。

  • 畑をあらすタンチョウ。
    でも本当のところはどうなのか?
    環境と弱肉強食の世界。

  • 北海道の湿原で行われた動物裁判。ヤチウグイから「悪代官!」と訴えられたタンチョウ。なぜ?
    タンチョウが増えたせいでこのままでは「みんな食べられてしまいます!」とヤチウグイ。そもそもタンチョウが増えてしまったのはなぜ?
    人間の傲慢さを思い知らされる2009/04/10

  • 前作「ライオンのしごと」と比べると、
    やっぱり前者がかなりいい。

    ちょっと難しくなってます。

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著者プロフィール

獣医師,動物写真家


「1992年 『☆新版☆ 北海道の鳥』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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