てんぐのそばや: 本日開店 (偕成社おはなしポケット)

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035010708

感想・レビュー・書評

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  • いやあ、面白いかったですね。面白ポイント、いろいろあるのですが、そば打ちの上手なてんぐ、ごきげんに、このような歌をうたいます。
    わしは天才 そばうちてんぐ
    わしのうつそば この世いち
    山神さまも ほっぺたおとす
    おちれば たいへん 山くずれ
    なにやらぶんぶん音がします。てんぐの鼻が大きくなってきました。
    そばうちてんぐは 大工もできる
    イスにテーブル、看板も
    あっというまに こしらえる
    カンペキ 天才 この世いち
    てんぐの鼻はどんどん大きくなり、つんのめりそうになりました。
    てんぐの鼻のなかには、じまんバチがすんでいて、てんぐがじまんをはしめると、じまんバチがぶんぶんさわぎだします。するとてんぐの鼻がどんどん大きくなるのでした。てんぐが歌をやめると、鼻ももとにもどります。

    てんぐはたったひと晩のうちに、
    緑につつまれたなみ木通りに、そばやをつくります。店の看板には <天狗庵 >と大きくかいてあります。店の右どなりには、クリーニングやのおじさん。左どなりにあるくすりやのおばあさんは、最初、山からきたてんぐを、おそろしいやら、きみがわるいやら……、といって、顔をしかめていましたが…。この、「くすりやのおばば」、や、クリーニングやのおじさん、など、でてくるキャラクター達が、みんないい味だしているのです。
    てんぐはとてもおいしいそばを作りますが、
    なんのかまえもなく、店を出しても、お客はやってきません。クリーニングやのおじさんのアドバイスで、のれんや、店の宣伝などを頑張っているうちに、しだいにお店ははやってきます。そのうちに、てんぐの子分のコノハが、お店で働くようになり、夢のようにおいしい、そば粉のどらやきも、おやつに出すようになり、お店が忙しく、はやっていくようすが、読んでいて、とっても楽しかったです。
    ヤマンバやアズキアライ、大きな赤鬼のおに平、などの山の仲間たちと、一年の終りに、山神さまをかこんで、楽しくすごし、山にもどってきてほしい、と、てんぐはいわれますが、ラスト、
    「いやあーあっちでも、わしをまってるものがいるからな。もうしばらくなみ木通りでそばをうってやろうと思うのだ。天才はつらいものだ。わっはっはっは。」

    わしは天才 そばうちてんぐ……

    じまんバチがぶんぶんさわぎだして、てんぐの鼻は新年の空にむかって、ぐんぐんぐんぐん大きくなっていきました。

    ☆ アールグレイさん、とっても面白かったです。
    楽しい本のご紹介、ありがとうございます!


    • アールグレイさん
      りまのさん(^_^)/こんにちは

      読んだのですね!
      私の記憶では、てんぐは一度山へ戻り、そばの修行をしたように思うのですが、10年以上昔の...
      りまのさん(^_^)/こんにちは

      読んだのですね!
      私の記憶では、てんぐは一度山へ戻り、そばの修行をしたように思うのですが、10年以上昔のこと。どうだったか?
      リストの残り2冊共に夏のお話。富安陽子さんの“シノダシリーズ”こちらもお薦めですよ!
      (*^ー゜)
      2022/10/23
    • りまのさん
      アールグレイさん
      こんばんは。今日は、図書館のあと、実家に行っていたので、いろいろしてたら、こんな時間に、なりました。10日も期限を過ぎてい...
      アールグレイさん
      こんばんは。今日は、図書館のあと、実家に行っていたので、いろいろしてたら、こんな時間に、なりました。10日も期限を過ぎていたので、やはり同じ本は借りれず、日を置いて、借りに行きます。しかし、今日も、11冊も、本を借りてしまいました。全て、創作活動用の、資料です。アールグレイさんからご紹介された、あと2冊のレビュー、だいぶ先になりそうです。
      でも、読んでいて、とても面白いです。でも、私にはレビューが難しいのです…。

      てんぐのそばやですが、てんぐが山に戻ったのは、そばの修業のためではなく、年末に、山神さまをかこんで、山のみんなと、食べたり、遊んだり、するためでした。
      面白い本を、紹介してもらい、ありがとうございます!
      2022/10/23
    • アールグレイさん
      こんばんは★りまのさんに
      遅くに失礼します。
      11冊ですか・・・・・私はいつも読みたい本をリクエストして順番が廻って来たら借ります。
      それで...
      こんばんは★りまのさんに
      遅くに失礼します。
      11冊ですか・・・・・私はいつも読みたい本をリクエストして順番が廻って来たら借ります。
      それでも、どんどん予約を入れてしまい、泣く泣くキャンセルすることもあります。
      今読んでいる本は、ブ厚いので(--;) ウウ~っと思いましたが、後1/3を切りました。今週半ば頃にレビューをと思っています!
      ではgood night (-_-)zzz
      2022/10/23
  • 4-03-501070-7 149p 2005.5.? 初版1刷
    ◯読み始めはハラハラしますが
    読んだ後、ほっこりします

  • あったかい気持ちになるいいお話だった。
    お蕎麦が食べたくなること間違いなし。

  • いばりんぼのてんぐのそばやが徐々に受け入れられていくようすがほほえましいです。

  •  なみ木通りに、たった一晩でできたそばや〈天狗庵〉。店の主人は、赤い顔に、大きな長い鼻のてんぐ。店を開いたもののお客はなかなかやってこない。お隣のクリーニング屋のおじさんのアドバイスで、のれんを出したり、お店の宣伝のポスターを電柱に貼ったり…。ポスターを貼るのを見られるのがはずかしいからと言ってカクレミノを使ったり、洗濯物をかわかすためにうちわで風をおこしたり、てんぐならではの小道具も登場。

  • 小学校中学年向け
    おいしいおそばを打つことのできるてんぐが、山をおりて、商店街でそばやをはじめます。
    じまんやのてんぐですが、商店街の人たちに助けられ、そばやは人気店に…。
    ほのぼのとした話でいいですね。
    夏休みにこどもたちに勧めたいと思います(*゚▽゚)ノ

  • なんかいいですね。
    おそばも本格的でおいしそう。鼻がテングになるくらい自慢屋の「てんぐ」の人付き合い。微笑ましいというか…笑えます。
    商店街シリーズ、いいですね!

  • 読んだ順番がちがうのでアレだけど。
    あのクリーニング屋さんと、あの薬局の間の、しかも天狗さんの蕎麦屋さん。
    なーるほど。
    どらやき、食べたいですー。

  • 緑につつまれたなみ木通りに、そばやが出来ました。「天狗庵」と書かれた看板のその店は、なんと天狗がそばをうつ蕎麦屋でした。
    山神さまも褒めるほどの蕎麦打ち名人の天狗は、ちょっと自慢がすぎると鼻がむくむく・むずむず大きくなります。鼻の中のじまんバチが鼻を大きくするからです。
    はじめは人間の町での生活がよくわからず、お店にも人があまり来ませんが、少しずつ、町の人とも仲良くなっていきます。

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著者プロフィール

1962年、東京都生まれ。東京外国語大学ヒンディ語学科卒業。故安房直子氏に師事。矢崎節夫氏主宰「貝がら」同人。ニッサン童話と絵本のグランプリ優秀賞受賞。作品に『クリーニングやさんのふしぎなカレンダー』『てんぐのそばや』『アヤカシ薬局閉店セール』(産経児童出版文化賞・JR賞受賞)など。

「2022年 『にわか魔女のタマユラさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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