アニマルアイズ動物の目で環境を見る 2

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035262206

感想・レビュー・書評

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  • 宮崎学「死を食べる」読了。
    自然の中で死んだ狐や魚、蛙や鹿に定点的な視座でカメラを向け続け、蝿が来て蛆が沸いて野生動物に食べられて朽ちて土に帰るまでを記録した「死に、そして死を食べる命」の写真集。
    死から遠ざかっている私達にとって「意味の分からないもの」である死を「どこにでもあるかもしれないもの」として見せてくれる超良書。
    そうなんだ。こうして人とて、例外なく死に、例外なく自然に帰る。
    人生観を変えるかもしれない一冊。

  • 読了日 2022/07/17

    図書館で読了。
    しんだいきものが生きている生き物に食べられていく様子を写真と言葉で記録した絵本。

  • スゴ本さんから。
    子供達は、興味津々で見ていた。
    生き物は死を食べて、死んで食べられる。

  • 読む、というより見る本。
    普段の生活では動物の死を見ることはほぼなくて、しかもその死の後の様子を見ることはほぼない。道路に動物の死骸があっても、いつのまにか綺麗に片付けられている。まるで死は見てはいけないものとして隔離されているよう。
    だから、私も死んでいる動物を見ると怖くて目を逸らしてしまう。

    でも動物が死ぬから、他の動物が生きられるわけで、死は全く汚いものでも怖いものでもない。昆虫も含めて、動物の世界では生きるためには死んだものを食べるか、生きているものを殺して食べるしかない。私たち人間だって家畜を殺して、魚を殺して食べているのに、それを忘れてしまっている。

    食べ物のありがたみをもっと感じて、感謝して食事したい。ありがとう、いただきます、とちゃんと言おう。

  • 生き物が死んだ後、どうなって行くのか、
    定点写真を通して見ることができる。

    見ていくと、生き物の死は、他の生き物の生に繋がっていくことが分かる。
    そして、死には全く無駄がないということも分かる。
    人間の生も、たくさんの死からできているということが理解できる。

    死を恐怖の対象ではなく、そこにあるものだと感じられる本。
    シンプルな内容ながら、人によっては人生観が変わってしまうかも、

  • 2002年

    動物の目で環境を見るシリーズ2

    宮崎学(動物写真家)


    環境とは
    環〜かん  つながり
    境〜きょう 世界を表す
    みんながつながっている世界


    動物の死の変わりゆく様を写し、自然界のサイクルを知る

    アマガエル
    アメンボ
    アリ
    イタチ
    イノシシ
    ウシ
    ウジ
    ウナギ
    エゾシカ
    エゾユキウサギ
    オイカワ
    オカヤドカリ
    カエル
    カラス
    カラフトマス
    キタキツネ
    キツネ
    キンバエ
    クジラ
    ゴイサギ
    ササゴイ
    シジュウカラ
    シデムシ
    スズメバチ
    ダニ
    チョウセンイタチ
    ドバト
    トビ
    トビイロシワアリ
    トンボ
    ニクバエ
    ネコ
    ノスリ
    ノシメトンボ
    ノネズミ
    ノラネコ
    ハエ
    ハクビシン
    ハシプトカラス
    ハネカクシ
    ヒミズ
    ヒメネズミ
    フクロウ
    フナ
    フナムシ
    ベッコウシデムシ
    ヘビトンボ
    ボンドギツネ
    ホンドタヌキ
    マツモムシ
    ミヤマカケス
    ヤブキリ
    ヤマガラ

  • つい目を逸したくなるけど、そうなんだよなあ。食べるもののほとんどは、何かの死。

  •  動物の死体を放っておくと,どのようにしてその姿がなくなっていくのか…それを定点カメラを使って写真を撮り,私たちに教えてくれます。
     宮崎学さんは,その過程を「死の時間を撮影する」と呼んでいます。
     前半はキツネ。キツネの死体が冷えると,それまで血液を吸っていたダニが毛の中から出てくる場面から始まります。うちの愛犬にも,ときどきかみついているあのダニたちは,愛犬が生きているからこそかみついているのだということを改めて感じた写真でした。いろんな生きものがやってきて,死体をどんどん分解していく様子を写真で見ていると,気持ち悪さを通り越して,命のつながりを感じてくるからフシギです。
     後半は,いろんな動物の死骸に集まってくる生きものの写真です。これもまた,すばらしい。
     「生きもののつながり」ということを示すのに,とってもいい写真絵本です。
     最後の写真は,私の大好きな死体たちでした。最後にこれを持ってくるのがニクいですねえ。
    「死が,いのちをつないでいる」…その通りですね。

  • 生きているものは死ぬ。私たちも時々、道路で動物の死骸を見つけ、つい目を背けてしまう。
    けれどこの本では、死んだ動物がどうなるのかを、時間をおって見せる。


    キツネの死骸にハエが飛んできて卵を産み付ける。スズメバチが、肉を喰らう。2週間後、キツネのお腹のあたりが膨らみ、その3日後、ウジが毛皮を食い破って溢れ出す。それをハクビシンが食べる。キツネの体はボロボロになり、骨が見えるようになる。半年後、雪どけころになると、キツネの体は土に還ろうとしていた。・・・

    昆虫の死骸にはアリがやってきて、土の中に引き込む。
    砂浜に打ち上げられた魚を、オカヤドカリが群がって食べる。
    大きな生き物を、小さな生き物が食べる。

    タブーのように死を避けてきたような子どもの本の世界に、死がやってきた。人間も死んだ生き物を食べる。

    死んで食べられることによってほかの生き物の命に関わっていく。
    一生懸命死を食べて、一生懸命生きたい。(作者・談)

  • 食べる事
    動物も虫も魚も他者の死を食べることによって生きテイル
    子供向けの為かグロテスクではない

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著者プロフィール

写真家。1949年長野県生まれ。精密機械会社勤務を経て、1972年、プロ写真家として独立。自然と人間をテーマに、社会的視点にたった「自然界の報道写真家」として活動中。1990年「フクロウ」で第9回土門拳賞、1995年「死」で日本写真協会賞年度賞、「アニマル黙示録」で講談社出版文化賞受賞。2013年IZU PHOTO MUSEUMにて「宮崎学 自然の鉛筆」展を開催。2016年パリ・カルティエ現代美術財団に招かれ、グループ展に参加。著書に『アニマルアイズ・動物の目で環境を見る』(全5巻)『カラスのお宅拝見!』『となりのツキノワグマ』『イマドキの野生動物』他多数。

「2021年 『【新装版】森の探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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