アニマルアイズ動物の目で環境を見る 2

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035262206

感想・レビュー・書評

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  • 宮崎学「死を食べる」読了。
    自然の中で死んだ狐や魚、蛙や鹿に定点的な視座でカメラを向け続け、蝿が来て蛆が沸いて野生動物に食べられて朽ちて土に帰るまでを記録した「死に、そして死を食べる命」の写真集。
    死から遠ざかっている私達にとって「意味の分からないもの」である死を「どこにでもあるかもしれないもの」として見せてくれる超良書。
    そうなんだ。こうして人とて、例外なく死に、例外なく自然に帰る。
    人生観を変えるかもしれない一冊。

  • スゴ本さんから。
    子供達は、興味津々で見ていた。
    生き物は死を食べて、死んで食べられる。

  • 生き物が死んだ後、どうなって行くのか、
    定点写真を通して見ることができる。

    見ていくと、生き物の死は、他の生き物の生に繋がっていくことが分かる。
    そして、死には全く無駄がないということも分かる。
    人間の生も、たくさんの死からできているということが理解できる。

    死を恐怖の対象ではなく、そこにあるものだと感じられる本。
    シンプルな内容ながら、人によっては人生観が変わってしまうかも、

  •  動物の死体を放っておくと,どのようにしてその姿がなくなっていくのか…それを定点カメラを使って写真を撮り,私たちに教えてくれます。
     宮崎学さんは,その過程を「死の時間を撮影する」と呼んでいます。
     前半はキツネ。キツネの死体が冷えると,それまで血液を吸っていたダニが毛の中から出てくる場面から始まります。うちの愛犬にも,ときどきかみついているあのダニたちは,愛犬が生きているからこそかみついているのだということを改めて感じた写真でした。いろんな生きものがやってきて,死体をどんどん分解していく様子を写真で見ていると,気持ち悪さを通り越して,命のつながりを感じてくるからフシギです。
     後半は,いろんな動物の死骸に集まってくる生きものの写真です。これもまた,すばらしい。
     「生きもののつながり」ということを示すのに,とってもいい写真絵本です。
     最後の写真は,私の大好きな死体たちでした。最後にこれを持ってくるのがニクいですねえ。
    「死が,いのちをつないでいる」…その通りですね。

  • 車に轢かれたキツネの屍体が日を追うごとにどのように変化していくかを定点カメラで追っていく写真の数々がすごいです。
    死を「グロテスク」より「自然」に感じさせてくれるいい本だと思います。

  • 交通事故にあった野生生物。浜に打ち上げられた魚の死骸。地面で息絶えた昆虫。さまざまな生き物の死から、また自らの命を繋ぐ生き物がいる。刻一刻と移り変わるその様子を写真で捉えたすばらしい本です。目をそむけず、よく観察してみよう。私たちも生き物の死を食べて命を繋いでいるということに気づく。

  • はっきり言って、グロテスクである。
    虫が得意ではない私は、思わず目を背ける写真ばかりである。
    かわいそう、どうしてこんな写真を撮るのか、
    そう思う人もいるかもしれない。
    でも、私達もここにでてくる昆虫や甲殻類、鳥たちと
    なんら変わらない。
    “死体”から“食べ物”にする行程を、
    自らするか、人に任せているか、だけ。
    私も含め、ほとんどの人は
    その行程を人に任せている。
    それが悪いことではない。
    ただ、知らないのだ。
    私達は毎日死を食べていることに。

著者プロフィール

写真家。1949年長野県生まれ。精密機械会社勤務を経て、1972年、プロ写真家として独立。自然と人間をテーマに、社会的視点にたった「自然界の報道写真家」として活動中。1990年「フクロウ」で第9回土門拳賞、1995年「死」で日本写真協会賞年度賞、「アニマル黙示録」で講談社出版文化賞受賞。2013年IZU PHOTO MUSEUMにて「宮崎学 自然の鉛筆」展を開催。2016年パリ・カルティエ現代美術財団に招かれ、グループ展に参加。著書に『アニマルアイズ・動物の目で環境を見る』(全5巻)『カラスのお宅拝見!』『となりのツキノワグマ』『イマドキの野生動物』他多数。

「2021年 『【新装版】森の探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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