かりんちゃんと十五人のおひなさま

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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035283706

作品紹介・あらすじ

それは、しあわせの魔法。「ここでおこることの半分は、かりんちゃんの夢。あとの半分は、わたくしたち、ひなの夢。ほかの人びとにはわかっていただけないことですから、お話してはいけません」。小さなおひなさまたちが活躍する雅でポップなファンタジー。小学校中学年から。

感想・レビュー・書評

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  • お雛祭りに読む。
    チビちゃんたちは長くて飽きてしまい、結局一人で読了。

    かりんちゃんへひいおばあちゃんからお雛様が届く。
    古いけれどお道具の細工も素敵な段飾り。今まで狛犬雛だけだったかりんは大喜び。
    さてその夜、目が覚めたかりんが台所で出逢った人は…。

    小学生でも女は女っていうちょっと怖いシーンがあり、とくに「すごいって本当にそう思ってる?」とか言わせる必要あったのか。トゲも感じる。

    お雛様は守り子のために存在して人知れず、形代としてその子の代わりに災厄を引き受けている。
    真新しい豪華な雛飾りも、手作りの内裏雛も。
    雛祭りを考えるのにとても良い本。
    チビちゃんたちにもう一度読ませたい。

    お雛様と人との関係が温かくて、我が家のお雛様をまじまじと見つめてしまった。
    昨年「みてー!」の声に振り向いたら、チビ兄ちゃんがマジックハンドで女雛の顔を掴んで持ち上げていて、その時の額の傷が痛々しい。
    でもこれもきっと兄妹ゲンカでMが大きな傷を負っていない代わりなんだ。と思うことにした。

  • この本を読むと、おひなさまに対する考え方が変わります。
    おひなさまの役割や、それぞれの家庭にあるおひなさまがどのような想いで家にやってきたのか。
    お恥ずかしいことに、そんなことを真面目に考えたのは、この本を読んでからでした。

    私は男なので、本来ならば、兜やこいのぼりがあるはずだったのですが、そんな裕福でもなかった私の家には、どちらもありませんでした。
    二人の妹も同様に、自分のおひなさまはなかったように記憶しています。

    「十五段飾り」とか「人形は顔がいのち」というような高価なおひなさまを宣伝するCMがありましたが、よくよく考えてみると、実は各家庭によって、「うちにあるおひなさまは小さいんだ」とか「二人しかいないんだ」というような『おひなさま事情』というものがあるのではないかと思います。
    もし、今の自分のおひなさまに満足していない女の子がいたら、せひ読んでもらいたい本が、この『かりんちゃんと十五人のおひなさま』です。

    おひなさまは、その持ち主の子どもを守ってくれているのだそうです。そのおひなさまを贈った人の願いが込められているのだそうです。だから、おひなさまが大きいとか小さいということではなく、贈ってくれた人が自分のことをどんなに想ってくれているのかということに、気もちを向けて欲しいと思います。

    ありがたいことに、我が娘には、祖母(私の義母)の手づくりの木目込みのおひなさまがあります。毎年、おひなさまを出すことを楽しみにしています。
    娘もこの本を読んだので(この本を読んだときは小6)、おばあちゃんの気もちをきっとあらためて受け取ったのではないかと思います。私も感謝の気もちでいっぱいです。ありがとうございました。

    小学中学年から読める本です。今の女の子も、昔女の子だった人にも、ぜひ読んでもらいたい一冊です。

  • 女の子なら一度は考えるんじゃないかな。
    お雛様とお話ができたらいいなって。
    それがかなった気持ちになりました。

  • 真夜中にキッチンから小さな話し声がきこえた。ひいばあちゃんからもらった古めかしいお雛様たちがお水をくんでいる!

    (『キラキラ子どもブックガイド』玉川大学出版部より紹介)

    「それは、しあわせの魔法。「ここでおこることの半分は、かりんちゃんの夢。あとの半分は、わたくしたち、ひなの夢。ほかの人びとにはわかっていただけないことですから、お話してはいけません」。小さなおひなさまたちが活躍する雅でポップなファンタジー。小学校中学年から。」

  • おひなさま飾りを出したその日から読み始めたので、ドンピシャ。娘は、続きが毎日楽しみで仕方なかった様子。
    女の子同士の微妙な心理の変化や付き合いについては、まだ年長の娘にはそこまでわからないかな?と思ったけど、6歳なりに、「こう言ってあげたらよかったのにねー?」と色々と思うところもあったみたい。
    このお話を読んで以来、おひなさまに対する気持ちが親子揃って変化。怪我や病気を痛み分けしてくれていること、いつも守り雛として箱の中にしまわれても、夢で見守っていてくれていること。地元に残してきた自分のお雛様に会いたくなった。娘の心にも深く響いたようで、これは読んで良かったなぁと思える一冊。

  • おひなさまとの話だけでなく、女の子の友達にありがちな、嫉妬の気持ちが描かれていて、どの場面も読み応えがありました。

  • 役目を終えてひなの国に帰るおひなさまたちもいる
    いつかはみんな帰る いつかは

  •  かりんちゃんと、かりんちゃんがひいおばあちゃんから引き継いだおひなさまたちのお話。
     ひな人形たちが動き出す設定はよくあるけど、このお話ではキャラがみんなよかったな。
     かりんちゃんたち人間サイドも、小学生女子らしくてよかった。

  •  おひなさまを持っていなかったかりんのもとへ、ひいおばあちゃんからおひなさまが送られてきた。少しきずやよごれがあるけれど、上等なもの。おひなさまを飾ったその夜、不思議な夢を見て目を覚ましたかりん。水を飲もうとキッチンに行くと、小さな話し声が聞こえてきた。

  • 衣装や道具の豪華さで決まるのではない、それぞれのお雛様の価値。この本を読むと、自分のお雛様がいっそう大切に思えます。
    自分のモノと他の人のモノとを比べてうらやましくなったり、妬ましくなったり…そんな気持ちを頭から否定するのではなく、やさしく諭してくれるようなお話しでした。

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著者プロフィール

東京芸術大学卒業。児童書を中心に翻訳家、作家、絵描きとして活躍。創作絵本に『のはらひめ』『たこのななちゃん』(徳間書店)『おたすけこびと』(コヨセ・ジュンジ絵 徳間書店)など、『天使のかいかた』(理論社)で2003年度日本絵本賞読者賞、創作童話『かりんちゃんと十五人のおひなさま』(偕成社)で2009年度の野間児童文芸賞受賞。

「2023年 『プリンちゃんのなつやすみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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