ニホンカワウソはつくづく運がわるかった?!

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784035284802

感想・レビュー・書評

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  • NDC分類 K480

    「地球では、淘汰と進化の結果、さまざまな種の生物の出現と絶滅とがくり返されてきた。一方、人類は、さまざまなおこないによって、多くの動物を絶滅に追いやった。その原因を明らかにすれば、今、絶滅が危惧される動物に何をすればよいか見えてくるだろう。絶滅が宣言されたニホンカワウソを追いつづけてきた著者の、ひらめきいっぱい「動物保全学」。」

    目次
    第1章 地上から消えてしまった動物たち―食料にされた動物たち、「絶滅する」なんて考えてもいなかった時代
    第2章 保護と保全のちがい―生物多様性ってなんだ?
    第3章 外来動物の移入による絶滅―人間の移動が盛んになった時代
    第4章 戦争と政変による絶滅―人間のつごうで自然を動かした時代
    第5章 狩猟や密猟による絶滅―文明だけが飛躍的に進歩した時代
    第6章 運がわるかったニホンカワウソ―環境破壊による絶滅
    第7章 動物の再導入と保全―そして希望へ
    第8章 炭焼きと里山保全―炭焼きを通して、野生動物の生息空間を考える

    著者等紹介
    熊谷さとし[クマガイサトシ]
    1954年、宮城県仙台市に生まれる。漫画家村野守美氏に師事。グラフィックデザイン、アニメーションを経て、学習漫画家として活躍。また「自然保護運動図画工作執筆家」として、環境教育教材の開発・製作、動物専門学校やカルチャーセンターの講師も勤める。日本野生動物観察指導員、「ふくしまワイルドライフ市民&科学者フォーラム」クリエーター、富山市ファミリーパーク「21世紀の動物園展示を実践する」プロジェクトメンバー。里山の野生動物観察会、講演会を開催するかたわら、絶滅寸前のニホンカワウソを追い続けている

  • 先日どこかでニホンカワウソが発見されたとか
    ニュースがあったようなので 気になって読んでみました。

    とても可愛い絵で
    懐かしいイメージでしたが
    この著者は 学習漫画家という肩書きなので
    きっと どこかで見た事があったのだと思います。

    カワウソだけではなく
    他の国でも 消えてしまった生き物を取り上げてあって復習をしているような 感じで読みました。

    ふりがなも ついてるし
    難しくない本でした。

  • 人間がかかわる絶命種について。
    ・ドードー
    ・リョコウバト
    ・オオウミガラス
    ・ステラーダイカイギュウ
    ・スティーブンイワサザイ
    ・ロンサムジョージ
    ・ジャイアント・モア
    ・チョウセントラ
    ・シフゾウ
    ・アラビアオリックス
    ・タスマニアタイガー
    ・ニホンオオカミ
    ほか。

    保全と保護の違い。
    動物園の役割など。

  • 2012年8月、環境省はニホンカワウソの絶滅宣言を出した。
    1600年以降に絶滅した哺乳類の内、75%は人間の影響によるものである。その原因を探り、今絶滅を危惧される生き物の保全の道を探る。


    ニホンカワウソやニホンオオカミ(ヤマイヌ)…われわれ人間は幾種もの生き物を絶滅させてきたことか。
    確かに今のように保護という考え方がなかった時代もあっただろうが、リョコウバトのように想像すらできないほどの数がいた種までを絶滅させるとは。やはり人類は、自然界の生態系から一線を画してしまったのだろうか。
    絶滅してしまった種はもう戻すことが出来ない。それはもちろん哀しいことだが、私が危惧するのはその影響についてだ。その生物が生態系の中で意外な役割を担っていたかもしれない。たとえそれが人間にとって害獣(虫)とされていつものだろうとも。無くなってしまってから気付いても遅いのだ。
    だがそれを守れるのもまた人間なのだ。もちろんどこかの団体のように過激に叫ぶのでは駄目だ。かえって反感を買ってしまうだけだし、私を含め大多数の人は今の生活を手放してまでは…と思うことだろう。
    何が何でも保護するのではなく、代替え地を用意したり一時的に保護・繁殖をする保全の方が受け入れやすいだろうと著者もより現実的な道を模索するようになったらしい。
    あとショックだったのが、環境に良いだろうと思っていた自然派と言われる商品の製造の為、森林が開発され生息地を失う生物がいるということ。目先のことだけではなく、大元まで見ないと分からない…環境保護と一口に言っても難しいものである。

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著者プロフィール

1954年、宮城県生まれ。学習漫画家。里山の動物観察会、講演会を開催するかたわら、ニホンカワウソを追い続ける。日本野生動物観察指導員。著書に『動物の足跡学入門』(技術評論社)、『身近に体験!日本の野生動物シリーズ』『チンパンジーはいつか人間になるの?』(偕成社)など。この本が178冊目。

「2023年 『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド 増補改訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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