- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035402909
作品紹介・あらすじ
アスラは自らの力にめざめ、サーダ・タルハマヤ"神とひとつになりし者"としておそろしい力を発揮しはじめる。それは、人の子としてのアスラの崩壊を意味していた…はたして、バルサたちはアスラを救うことができるのだろうか。
感想・レビュー・書評
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「来訪編」も「帰還編」も、おもしろくて一気に読んだ。
一番印象に残っているのは、アスラがイアヌを助けようとしたところ。アスラにタルハマヤを招くわなみたいなものだから、ドキドキした。それから、バルサたちがみんなで助けようとしたから、みんなが死んじゃうんじゃないかと思って、またドキドキした。アスラが、タルハマヤと戦ったのはすごかった。元にもどりたい、人を殺したくないという気持ちが、すごく強かったんだろうな。すごくがんばったと思う。
もし、自分がアスラだったら、がんばれるかわからない。自分のお母さんが殺されちゃったとしたら、がまんできないかもしれない。でも、トリーシアは、自分のむすめにタルハマヤを宿すというのは、ひどい。アスラの意識が戻って、チキサと楽しく暮らしてほしい。
今回は、スファルが好きだった。優しい。シハナはスファルを殺せるかもしれないけど、スファルはできそうにない。そういうところが好き。(小6)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
このシリーズも6冊目。
またバルサが物語の主軸となるストーリー。
幼きバルサと同じような境遇を持ったアスラに出会い、彼女が持つ不思議な力を巡って国を巻き込んでいく…。
物語最後の「もっとアスラを誇ってやりなよ」とアスラの兄チサキに声をかけるシーンは、ある意味バルサが自分自身に言ってあげたい言葉なのかもしれないと思いました。
続きが気になる終わり方だったけれど、この先あの終わりの先について書かれることがあるのだろうか。
それも楽しみにこのシリーズを読み進めたい。 -
人は物事の片側からしか観ず、あらゆることを判断しているか、そのことがどれだけ危うさを含んでいるかということをテーマにしてた物語だったと思う。
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2020.05.05
大きな物語は、必ず誰かを犠牲にして成立する
為政者の思惑か
弱者の言い分は決して後世には残らない
極端に見えるものいいも、虐げられた歴史を見返せば、反論することは難しい
人と人とのつながりは、あたたかなだけではすまされない
自分が得ている日常や幸せは、誰かの不幸を踏み台にしたものなのかもしれない
大きな物語のなんとそら恐ろしく、ざわざわと鳥肌の立つ感じがすることか
宗教の、信ずるものの見方の違いで、こうも悲劇は起こるのか…だから、宗教という漠然とした存在に触れるのに二の足を踏む
答えは出ない
知っているつもり、仕組みをわかっているつもりでも繰り返される、血なまぐさい出来事
無力…こんなに心がざわざわしたまま本を読み終えるとは -
人の裏切りや欲望に揉まれて我が道を捻じ曲げられていくアスラ。その中で、最後の最後まで信じ切ったバルサとチキサやタンダ。彼らたちのおかげで、あの最初の事件のように我を失わなかった。彼女にとって大事な人が誰なのか、誰を信じなければいけないのかが分かったのではないだろうか。
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女用心棒バルサシリーズ。
バルサとタンダがやっと会えてよかった。
今回はバルサが何度も何度も危機に陥ります。
その度に驚異的な体力と精神力で少女アスラを救おうとします。
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心優しい少女でも邪神に取り憑かれると我を忘れて凶暴化する様子に恐怖を感じた。
特にラストのシーンのアスラの恐ろしさには身震いした。
次巻「蒼路の旅人」がとても楽しみ。 -
バルサは不死身だなあーとつくづくかんじた。 大分心配したけど、タンダの献身的な介抱が良かったのだろう。 アスラが可哀想な終わりになった。
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「狼殺し」
命の危機を感じた瞬間には。
自分がやった事に恐怖心を抱いているなら兎も角、高揚感を感じているのは危険極まりないのではないだろうか。
人柄のせいという場合が多いのだろうが、彼も命の危機を何度も味わっている苦労人だよな。
「罠」
出会った時から始まってた。
偶然出会ったのか必然的に出会ったのか分からないが、寸前まで罠に気付かないほどとは中々に用意周到だよな。
本当の話と嘘の物語を程よく混ぜるて語ると、全てが事実だと思い込んでしまうらだろうな。
「サーダ・タルハマヤ〈神とひとつになりし者〉」
目覚めさせる為に仕組んだ。
幼い子供を相手にするのなら、下手な大人を陥れるよりも簡単に掌の上で操る事が出来るだろうから楽だったろ。
記憶の中に残っていたからこそ抵抗したのだろうが、何もなければ一瞬で終わっただろうな。
「サラユの咲く野辺で」
魂は奥深くに眠ってしまい。
これまでやってきた事を受け入れれるには幼すぎるだろうが、目覚める為には全てと向き合うしかないだろう。
苦しみを味あわせたくない気持ちはあるだろうが、眠っている間にすることではないだろう。