- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035403807
作品紹介・あらすじ
『蒼路の旅人』でチャグムをさらったタルシュの鷹アラユタン・ヒュウゴ。ヒュウゴはなぜ、自分の祖国を滅ぼした男に仕えることになったのか。そして、バルサは、過酷な日々の中で、思春期をどう乗りこえていったのか。題名のみ知られていた幻の作品「炎路の旅人」と、バルサの少女時代の断片「十五の我には」が収められた、「守り人」読者待望の作品集。
感想・レビュー・書評
-
ヒュウゴとバルサ、二つの番外編。
残念なことに本編でのヒュウゴがどんな人物だったか覚えていなくて、予習が必要だったなぁと、
読み始めて後悔。
ヒュウゴもバルサも、十代の若者が普通経験することのないような波瀾万丈な人生を歩んできた。
だから同年代の子どもたちとは考え方も感じ方も
全く共通項がなくて浮いてしまってる。
その閉ざした感じが切なく、
こんな風にしか生きられない人生って…と
苦しい気持ちになる。
でもその分、彼らは他者を思いやり、感謝する気持ちを持ち合わせ、真っ直ぐな気性だ。
彼らの流す涙は、読む者の心を打つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ヒュウゴの少年時代。これだけで読ませる。読み終わるのがもったいなかったです。
-
(2015年2月22日 再読)
その後タルシュのタークとなるヒュウゴの少年~青年時代のお話。
国を家族を奪われ、それでも誇りを傷つけられても失わず生きていくのだけど、過酷過ぎだね。
若くして達観してしまったその後の姿が妙に切なく感じられるのはそういうことかと。
バルサとジグロのお話もあります。
こっちも過酷。
守り人、また外伝出ないかな。
シュガとかチャグムとか。 -
「…十五の我には 見えざりし、弓のゆがみと 矢のゆがみ、二十の我の この目には、なんなく見える 不思議さよ…」
守り人12冊目。ヒュウゴくんが熱くヤンチャしてた少年時代のお話。冷静沈着なタークの時代とは対称的。本来7巻になるべく執筆されていたということで、本編さながらのストーリーが楽しめます。登場時点でヒュウゴのキャラが出来上がってたのは、こういうことでしたか。 -
久々すぎて、どの人物か判断できなかった。
それでも、この世界観。やはり良かった。
ヒュウゴの幼年期の物語は、
国が征服されるということについて、
考えさせられる。
いつも物語だけでなく、
その背景にも思いを巡らさせられる。
この世界が、ちゃんと、
現実味を持ってつくられている証しだ。 -
蒼路の旅人で登場したヒューゴの物語と、バルサが15歳のころの出来事を綴った掌編の2編を収録した、守り人作品集。
…と言いつつ、ヒューゴのことをあまりよく覚えていないダメな読者の私なので、また守り人シリーズを全部読まなくちゃ、と思っている。
とりあえず、ヒューゴがどんな人物で登場したのかを思い出すため、
イレギュラーではあるけれど、青路の旅人から読むかな。 -
上橋菜穂子の守り人シリーズの番外編の一つ。
ヒュウゴの半生と、バルサのまだ幼い時の逸話。
シリーズ全部読み返したくなってしまった。
そのくらい守り人シリーズに新たな輝きを添える本だった。
ヒュウゴが男前すぎる。純粋にかっこいい。
そしてヒュウゴを救った親娘のその後が気になる… -
10代の葛藤。
自分は何をしているのか、自分に何ができるのか。
そして、自分がこんなに苦しんでいるのに、
世間はなんと図々しく、不平等に進んでいくのか。
ファンタジーの世界だけれども、
現実世界にも通じるテーマなのじゃないかな。
当時は自分ひとりで生きているような感覚だけれども、
そこには確実に多くの人々との出会いが関わっている。
振り返ってみると、それがよく分かる。
ヒュウゴの中編とバルサの短編。
どちらもすごく面白かった。
バルサの短編はアンジェラさんの名曲にも通じるのかな。
それとも、偶然の重なりなのかしら。