- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035404200
感想・レビュー・書評
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ラストの解釈が難しいと感じた。
しかし短編集なので、読書初心者の私でも読了することができた。
多様な国を題材にしていて、どの物語も引き込まれるものだった…!
特に中国の皿(恋愛物)が好き。
時間が経ったらまた読み返したい!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ある日図書館に現れた不思議な男MCC。雇われた売れない古道具屋で商品に対する物語を聞かせ、次々と商品を売っていく。
物語は時代背景、人物など様々で、それだけでも十分面白い。そして各話にさり気なく教訓みたいなものも感じられる。小学生の時に出会いたかったなぁ。(当時まだ発売されていないけれど(^_^;)) -
1つの物語のなかに複数の物語が入り込んだ“枠物語”。
エイルサが図書館で出会った「MCC」と名乗る活字中毒で風変りな男は、翌日からエイルサの母が営む古道具屋で働くことになった。男は給料はいらないと言い、売り物のベッドで本を読み漁る。エイルサ親子は不審がったが、この男は大変商売上手だった。男はお店にやって来た客にそれぞれの古道具にまつわるお伽話を聞かせ、巧みに売りさばいていく。
MCCの語る奇妙な物語の虜になる客やエイルサ親子同様、私自身もすっかり魅せられた。動かない大時計、開かない寄木細工の文具箱、ありがちな中国の柳模様の皿など、それ自体はまず魅力に感じない商品ばかり。
しかしひとたび「この品にはこんな話がありまして…」とMCCが語り出すと、知らない世界を知りたいと思う好奇心が抑えられなくなる。時代を越えてこの古道具屋に流れ着いた品物たちにまつわるそれらの物語は真か嘘か。真偽のほどはともあれ、話に夢中になって耳を傾けてしまうのは登場人物も読者も同じ。
人間の滑稽さ、物への執着が生んだホラー、男女の淡い恋物語など、MCCが語る話は古今東西・千差万別。あらすじで訳者の金原瑞人さんが現代版「アラビアンナイト」と称していたのは言い得て妙だと思った。
個人的には『テーブル』『鏡』そして特に『鉛の兵隊』が印象的だった。
随所に描かれた佐竹美保さんのイラストも秀逸。各章の扉絵や物語の挿絵など、この本を魅惑的に、そしてより不思議な世界に誘ってくれる。
個々の短編ととれるお伽話は勿論のこと、MCCを中心とした物語も少しづつ進展して面白い。原題は『A Pack of Lies』。その名の通り狐につままれたようなラストではあるけれど、不思議と心地良い余韻が残った。 -
ひとつひとつのお話が面白い。
後味の悪いものもあったが、それがまた飽きさせなかった。
ただラストの解釈が合っているのか…、謎。 -
ある日突然、つぶれかけの家具屋に転がり込んできた男が、売り物の家具にちなんだお話を「でっちあげ」、それをお客に売っていく、というお話。
ラストが切ないと言うか、どうなの?と言う感じ。 -
「本の国からやってきた」男が、ある骨董品屋に住みついて、やってくるいろんなお客さんに物語を聞かせては骨董品を売っていく、というお話。
やってくるお客さんごとに異なるお話を聞かせて、しかもそれがいちいち魅力的なんですよね。ファンタジックなんだけど寓話的でもあり、その意味で、短編集として捉えても素晴らしい作品集です。
しかし、やはり最終的には長編なんだなと思わせる「最後の不思議」が、巻末には待っています。ワシは「やられた」感はそんなになかったですが、ああ、なるほどなぁ……という感覚。
確か、ミヒャエル・エンデの「モモ」にもいろんなお話をしてくれる登場人物がいたと思いますが、彼にしろこの不思議を売る男にしろ、物語を人に伝え聞かせられる人ってのは憧れます。
(2007年読了) -
エイルサが図書館で出会った謎の男。
本の国から来たと言い、MCC.バークシャーと名乗るその男は、翌日からエイルサの母が営む古道具屋で働き始めることになりました。
古道具屋の経営は綱渡り状態で、あと一歩で閉店…といったところ。
しかし、このMCCのおかげで店の商品が少しずつ売れ始めます。
彼は古道具にまつわる「おはなし」を語ることで、お客さんやエイルサを魅了していきます…
MCCの語る11の古道具にまつわるおはなしがとても面白い!
特に「中国のお皿」「鏡」「鉛の兵隊」が好きでした。
ただ、結末は好き嫌いが分かれそうだな、と思います。
個人的には、クライマックス手前までに夢中になっていたので、この最後はちょっと残念。
誰もが「おはなし」を求めている、ということには同感です。
ストーリーテラーはいつでも多くの人々に待ち望まれているんですね。 -
購入日:200?/??/??
読了日:2009/02/28
久しぶりに面白い!と思える本に出会ったよ。
やっぱり海外児童ファンタジーはいいねぇ。
挿絵が佐竹美保だったのでつい。
面白くて読み終えるまでに三日の日付を要したよ。
主人公エイルサの元に現れた不思議な男、MCCはエイルサの家である古道具屋で働くことに。
MCCが語る古道具にまつわる本当のようなウソのような物語を聴き、訪れた客は商品を買ってゆく。
物語の中に物語がはめ込まれている話はやっぱり好きだなぁ。
「パープシコード」と「鉛の兵隊」の話が特に良かったよ。
冒頭でエイルサが図書館のマイクロフィルムで見た文字「不思議を売る男 一九九八年」
これを見る限りで予想されるMCCの正体を裏切る結末。
予想を裏切られたからという訳では決してないが、最後は残念だったなぁ。 -
今原書読んでるところ。
何度も読んでるけど、最後の部分がわからない・・・(´・ω・`)
「MCCは実在しなくても、あのお話はほんとうだとしたら、答えはひとつしかない」という言葉の真相とは・・・ -
どの物語も面白くて、一気に読んだ。
『鏡の話』が一番好き。