アサギをよぶ声 新たな旅立ち

著者 :
  • 偕成社
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本棚登録 : 102
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036358205

作品紹介・あらすじ

戦士になれなかったアサギは女屋で機を織る。そのころ、村では人々が蒸発するうわさが広がっていた。アサギは巫女ばあさんから特命を受ける。

感想・レビュー・書評

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  • 背負わなきゃいけないものって、なんでこうも容赦ないんだろう。現実を生きてると、何もかもをそのせいにしたくなることがある。でもそれって甘えだ。どんなときだって自分で切り拓くしかない。努力なんか報われないことのほうがずっと多い。でも、努力は成果じゃなくて過程だとか、よくキレイごとなカンジで言われるけど、こんな風に描かれると、ああ、そうだよなぁ、どう向き合うか、その姿勢を育ててもらえるんだよなぁ、その姿勢が視野を広げてくれて繋がりを作ってくれるんだよなぁと思える。
    ファンタジーだからこそ描ける真実かも。

  • 続きが読みたいと思っていたのでまた読めて嬉しい。

    戦士の道は閉ざされたものの、自らの力を信じて前に進もうとするアサギだが、女屋での機織りの仕事にはやはり魅力を感じず、つらそう。
    しかし、思いがけない展開で再び弓を手にすることになる。

    なんとなく縄文文化と弥生文化の対決っぽく。
    塩、という重要なものを手に入れるため、
    村の為、という名目での人売り。
    それを神のせいにして、目隠しするも、事実を突き合わせてみえる真実にアサギは気づく。
    攫われた、のではなく塩と交換された、と考えるべきだろう従姉たちを、どう救うのか?
    連れ帰ったとしても、村内、村外で争いが生じるのは必定。大きな村に飲み込まれるか、新たな道をみつけるか。
    これからの展開が非常に気になるところ。

    にしても結局「声」とはなにか考える。
    聞こえるのか、聞こえるようになる、のか。
    聞こえても無視したくなることも。

    自分にとっての弓がサコねえにとっての機織りなのだ、
    と自然気づくアサギが好きだ。
    それは自分が経験したことからくることなのだろうけど、
    だからといってそれを他人に対しても考えられるかっていうとそうじゃないことも多々あり・・・。
    いい子だなあ。

  • 弓の勝負には勝ったが戦士になるための男屋に入ることができず、女屋で単調な機織りの生活を続けるアサギ

    山中で見かけたことをきっかけに、真相をさぐるために「とが村」に行くことになる

    そこは、しも村とはまったく異なる大きくて活気のある村だった

    『アサギをよぶ声』三部作の第2巻、2015年9月刊

    アサギに聞こえる声、アサギを助ける小猿、戦士だった父の秘密、そしてとが村でアサギが見たものは……物語は大きく動き出して最終巻へ

    『アサギをよぶ声』2013年6月刊
    『アサギをよぶ声 そして時は来た』2015年11月

    そして後日譚
    『闇に光る妖魔 アサギのよぶ声』2021年6月

    カバーには遠く一点を見つめ口を真一文字に結ぶアサギの立ち姿
    スカイエマが力強く描き出すアサギがかっこよくて魅力的

  • え、なんか大変なことになってますが……想定外の展開で、以下、続く!

  • 前作が気になり、速攻で読みました。
    戦士の道が断たれても、モノノミカタを学んだアサギが、流されそうになりながらでも、考えて行動するところがぐっときます。
    とても応援したくなるお話。

  • うん。良い世界観だった。
    子供を舐めてない。でも子どもの勇気を鼓舞するような、ドラマを真剣に楽しめる物語。
    良書。良書。
    最後泣いたわー!

  • 前作を読んでこの後があったらいいな、と思っていたのは私だけではないハズ!!新しい冒険の始まりにページをめくる手が止まらなくなりました。戦士ではないけれど、自分の中のどうにもならない気持ちやや村のしきたりや人間関係と戦うアサギの姿を追いかけたい気持ちになりました。

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著者プロフィール

森川 成美
東京都生まれ。「アオダイショウの日々」で第18回小川未明文学賞優秀賞。『マレスケの虹』(小峰書店)で、第43回日本児童文芸家協会賞。そのほかの作品に『さよ 十二歳の刺客』『はなの街オペラ』(ともにくもん出版)、「アサギをよぶ声」シリーズ、『ポーン・ロボット』(以上、偕成社)、『夢の発電って、なんだろう?』『光るマウスが未来をかえる』(以上、講談社)、『てつほうの鳴る浜』(小学館)など。

「2023年 『かわらばん屋の娘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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