クオレ-愛の学校 下 (偕成社文庫 3129)

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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036512904

感想・レビュー・書評

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  • 母をたずねて三千里 | 作品紹介 | NIPPON ANIMATION
    https://www.nippon-animation.co.jp/work/962/

    ちょっとマニアな「母をたずねて三千里」の曲 | フリマママ(2020-04-21)
    https://ameblo.jp/wire-goto/entry-12591234047.html

    クオレ-愛の学校(下) | 偕成社 | 児童書出版社
    https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784036512904

  • 親の死を持ち出して説教に使うのは最低だと私は思うよ。
    いつ死んでしまうか分からないんだよってのは事実だと思う。
    だけど、いつ死んでしまうか分からないこの親に向かって、なんでお前はそんなことができるんだ、みたいな言いようは、どうしても気持ち悪い。

  • ほとばしる祖国への愛と誇り。

    有名な「母を訪ねて三千里」を収録。あまり考えたことがなかったが、イタリアはジェノバの人がアルゼンチンに渡っていたのか。当時はよくあることだったのだろうか。統一後のイタリアで、愛国心のために書かれた物語だということは知っていて、それを歴史を考えながら読むと、抹香臭い物語だとは思っていても興味深く読んだ。

    今は、国を愛する心、というと胡散臭く感じる人もいる時代、また、自分の国を愛することが、他国を貶めることと同義だと思っている人もいる時代である。この物語が書かれたとき、イタリアの人たちは、自分の国を愛し、自分たちの国を持っていることを誇り、その思いを子どもたちにも受け継いでほしい、と強く思っていたのだろう。自分の国や同胞を悪く言う者を決して許さない態度は、常に国や同胞に恥ずかしくない立派な態度を取ることに通じている。

    そのような国民を育てるのが、家庭であり学校であること。父母に続き、先生を大切にすること。学ぶことへの強烈な熱が、先生という職業への信じられないほど強い期待と尊敬がここにはある。繰り返し語られる毎月のお話、友人とその家族の物語は、どれも家族と学校・先生への信頼に満ちている。

    このような価値観を共有できる時代は、もう来ないのだ。同じクラスにいる生徒が、すべて国内のどこかにいて、ルーツもその国ということはない。両親の愛情を当然に信じられるのかも危うい。先生の価値は落ちるばかり。それでも、ここに所属しているという自分のアイデンティティを確かにすること、誰かに愛されているという実感を自信につなげること、自分の力が社会の一員として役に立つこと、これらの重要性は今でも変わらない。だから、ちょっとお説教くさいし、古めかしいところもあるが、この物語が若い人や幼い人に読まれてほしいと思った。

  • なんというか、愛がテーマ?なんだろうけども、キリスト教の世界では、聖書とか、まぁイメージだけども、許しというよりは説教なのかな、と。ともかく説教されまくりの主人公は、何かするとねちねちと文句を言われるわけで。しかもこの文句というのが、私はこんなにあなたを愛しているのに、あんたときたらそれを分からずに、全くもう、という愚痴のようなものを、しかも押しつけがましく聞かされるわけです。でもキリスト教の(勝手にキリスト教徒結びつけてるけど)聖書とか、神様はこんなに皆さんを愛しているのに、皆さんときたら!みたいな書かれ方のような気もするし、まぁ同じなのかー、とか。総じて親が子どもに読ませたい系の本だろうかな。しかし母を訪ねて三千里の原作がここにあるというトリビアをゲットできたのがあるいみこの本を読んだ最大の成果か。

  • 3月から7月までを収める。有名な「母をたずねて三千里」もここにはいっている。この物語もたいへん感動的な物語であるが、『クオレ』のテーマは「教育」であって、1886年に出版されたこの本は1870年に独立した「青年イタリア」の清新な息吹を感じられる作品である。この時代の小学生はみな同じ年齢ではないし、試験は市役所から送られてきて、先生ははらはらしながら、生徒の解答を見守っている。教育者は親切で、教育を生きがいとしており、教師に関わる感動的な話も多い。主人公エンリーコの父を教え、60年も教鞭をとった教師は、ずっと生徒の作文を保存しているし、病気になった先生の見舞いにエンリーコがいくと、「算数をするように」懇切丁寧に指導してくれたり、以前教えてくれた先生は身体を壊し、持ち物すべてを生徒に残して死んでゆく。また、この本ではエンリーコが家族に逆らったりすると、父・母・姉が手紙を書いてきて、諭してくれるし、同級生のなかには父母に手紙を書いている者もいる。
    現代日本では不祥事ばかりがニュースバリューがあるために報道され、モンスター・ペアレントだの、不適格教師だの教育の現場が萎縮している観もなきにしもあらずであるが、ひらがなや九九を教えてくれた先生の骨折りを覚えている人もいるのではないかと思う。一人前になる前にどれだけの先生に会うものなのか数え切れないが、人間というのはやはり教師の影響をうけて、精神をはぐくんでいくものなのだという当然だか大切なことを思い出させてくれる本である。
    また、家業をしながら学校に通ってくる子どもとか、DVをうけている子どもが学校から表彰されて父親が立ち直る話とか、子どもにもいろいろな背景があって、学校にかよってくるということも考えさせられるであろう。父母は一日二回子どものために学校へ送り迎えをしているし、くる病や盲学校、聾唖学校、兵隊や職人などが働いたあとに通ってくる夜学などの話もあって、とても感動的である。
     イタリアは「マンマ・ミーア」の国で、家族主義で中国や日本と似ている所がある。余談だが、宮崎駿の作品にはラテン系の人びとがでてくる。「ラピュタ」の海賊はイタリア系だし、「魔女の宅急便」はリスボンがモデルといわれているし、「紅の豚」や「風立ちぬ」ではイタリアがそのままでてくる。宮崎アニメの「なつかしさ」を支える要素にはラテンの家族主義もあるのであろう。

    「金のあるものもないものも一つの家族にする学校、ばんざい!」である。

  • 18世紀のイタリアに住むエンリーコ少年の小学4年生から5年生までの1年間を日記形式で表してあります。たまに入る、家族の忠告がとても胸を打ちました・・・><クラスメイトはそれぞれ個性的で良いキャラですが、特にガルローネに尊敬!

  • 図書館で借りた。
    収められた内一編(上巻だったかな)
    が見覚えあったのだけれど、考えてみたら、
    小学校の道徳の教科書にありました。

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