- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784036524808
感想・レビュー・書評
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HGウェルズの作品はどれも科学や物理学によって証明されたまるで事実であるかの様なSFになっていておもしろい。
内容としては、透明人間が最後まで誰にも理解されずに孤独のままで死んでしまったのが悲しい。例の酒場に行ってカウンターで透明人間についての話をマスターから聞きながらウイスキー飲みたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
僕は今13歳ですがこの本を読んだのは11歳の時で
他の本に比べてとても読みやすかったです。 -
「ある雪の日、男が宿屋に来る。目深にかぶった帽子、包帯で隠された顔、室内でもマフラーを巻いたまま。怪しげな男は一体何者なのか、、、?」
本編でもどこかで出てきていたが、まさに「悪魔に取り憑かれた」と思ってしまう言動の数々。何らかの学問や研究に携わっている人は多かれ少なかれこういうものなのだろうか。寝食を忘れて没頭する情熱の危うさ。
彼の最初の研究も、それが完成した後の研究も、欲しかったはずの【周りからの賞賛】【友人】【家族】【仕事(金銭)】を自らの手で壊しながら事件を大きくしていくのが恐ろしくもあり、哀れでもある。
透明であろうがなかろうが、周りとの共存はいくらでも方法はあったと思うんだけどなぁ。
結末のあっけなさに少し驚いて、読み終えた瞬間は「この後ももう少しだけ書いて欲しかった」と思ったが、何を書いても蛇足だろうし、これでいいのかな。
怪物だと騒がれた彼も、結局はただの人間だったのか。 -
予想以上にホラー感が強い作品でした。テンポが良く、ハラハラさせられるストーリーで面白かったです。
あの包帯ぐるぐるの透明人間のイメージはこれが元だったのか!と本作を読んで初めて知りました。
『宇宙戦争』に続いてHGウェルズの本作を読みましたが、著者の想像力の豊かさに感服しました。
それにしても主人公の透明人間の性格が残念過ぎて、もっと性格が良ければ、透明人間としての人生を謳歌できたんじゃない?!と思いました。 -
H・G・ウェルズ
20世紀初頭の思想界に大きな影響を与えたイギリスの文明批評家であり、SF文学の先駆者。『タイムマシン』『透明人間』『宇宙戦争』など未来の人類の姿とその没落を暗示する社会批判的な作品を発表した。彼の作品には、現在SF文学や映画であつかわれる<宇宙人><タイムトリップ><クローン人間実験>などの主題のすべてが、既に描かれている。 -
SFなのかホラーなのかハラハラ恐怖を感じながら読んだ。まだわからないことが多かった科学というものへの、人々の畏れを感じる。そういうことは後書きでとても綺麗に書いてあって私の漠然とした感想がストンと腑に落ちた。先の見えない孤独と不安がグリフィンを狂わせたのか、それとも元々秘めていた凶暴性を引き出してしまったのか、後味はやや哀しいがおもしろかった。巻末で紹介されていた色々も読みたい!
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透明人間は、ドラえもんの「透明マント」のせいかもしれないが、「任意のタイミングで透明になったり戻ったりできる」というイメージがあったため、常に透明で元に戻らないのは想定していなかった。
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「真冬のアイピング村にこつぜんとあらわれたのは、けっして顔を見せない奇妙な男。男は村に宿をとり、部屋にこもってあやしげな実験をはじめた。なにをかくそうこの男は、みずからの実験の結果、からだを透明にすることに成功した透明人間だったのだ。悪意と憎しみにみちた透明人間が暴れだしたとき、ひとびとは見えない恐怖におびえる。やがてあきらかになる透明人間の哀れな過去とは? 科学文明を風刺したSF作家ウェルズの傑作。」
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決して顔を見せない奇妙な男。その正体は実験で体を透明にすることに成功した透明人間。周りは見えない恐怖におびえる。何ちゅう悪。透明だろうとなかろうと悪。でも孤独で悲しい。
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年下の本好きさんにおススメされて、ようやく読むことができた。
独りよがりと孤独、哀しみの物語。
きっと研究をはじめた時は、違う気持ちだったのではないかと思うのだ。単純な好奇心と探究心。それが次第に、虚栄心と猜疑心、そして功名心がない交ぜになってしまい、そして、それを誰もたしなめてくれる仲間も師も作ることができなかった。
人はひとりでは生きていけない。
ケンプは他の関わり方があったのではないかと思ってしまう。
結末があっけないと思ってしまったけれど、これしかないのかもしれないとも思う。