セレンディップの三人の王子たち: ペルシアのおとぎ話 (偕成社文庫 3263)

著者 :
制作 : 竹内 慶夫 
  • 偕成社
3.29
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本棚登録 : 161
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036526307

感想・レビュー・書評

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  • セレンディピティの語源となった童話。
    三人の王子が、セレンディピティ(「偶然」と「才気」によって、探していないもの、予期しないものを発見する)を実現していくストーリー。
    読みやすいが、あまり物語の内容は単調で面白くはない。巻末の解説部分がなければ、何を読んだのか分からないまま終わってしまうかも。

  • 『セレンディピティ』という言葉のもとになった話。
    だとかで読んでみた。

    『セレンディップ』ってのは『スリランカ』のことらしい。

    三人の王子が最初から賢人すぎて、親しみが沸きません。

    第一部が三人の王子が旅に出る話。
    第二部が王子たちの立ち寄った某国の王様が、病気の療養のために聞く七つの劇中話。
    第三部が三人の王子たちのそれぞれの結婚話。

    ペルシアの話ですが、イタリア語で1557年に出版されたものが原著らしい。
    この時点では第二部までの内容しかないらしい。

    この本が1719年にフランス語に訳され、このフランス版をもとにイギリスで1722年に英訳された『チェットウッド版』と呼ばれるものを日本語訳したものが本書。ということらしい。

    んでこの『チェットウッド版』を読んだイギリスのホリス・ウォルポール伯爵が『セレンディピティ』という言葉を作ったんだってさ。

    で、この版において第三部が追加されてるということらしい。

    『チェットウッド版』第二部の7つの劇中話のうち、第四話以降はイタリア語の原著からは話が入れ替わっているうえ面白くない。とのことで、この邦訳本ではカットされちゃってるのが、ちょっと残念。


    それにしても経緯がややこしい(>_<)

    イタリア語の原著も邦訳が出てるみたいなので、そのうち読んでみようかなぁ…。

  • セレンディピティという言葉の生まれる元となった物語ということを知って、読んだ。
    「偶然と才気によって、さがしてもいなかったものを発見する」ことであり、単なる「しあわせな偶然」を表す言葉でもなければ「なにか見うしなった特定のものをさがしまわり見つけること」でもないことがあとがきに書かれている。科学技術の発見にはこのような場合が非常に多い。
    偶然を生かし、発見する幸運をつかむのは、注意深く観察し意識するという私たちの心構え次第。先入観は禁物。

    物語自体は、おとぎ話であり、主人公の王子達や国におこることはできすぎていて、いくらセレンディピティといっても都合が良すぎる感がある。今の時代の感覚で読むと、王子の発言や行動はそれほど才覚のある発言にも思えなかったり、できすぎて笑えるほど。
    ただ、病んだ皇帝のために語り手が一夜ずつ違う物語を語り、それがすばらしい物語であることに褒美を授け体調も日に日によくなるという7日間の章は、独特の異世界観があり、”千一夜物語”もこのようなものかと興味深かった。

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