- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784037204402
感想・レビュー・書評
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あの坂を登れば海が見える
中学生の時だったか、教科書に載っていたお話を唐突に読みたくなり購入。
でも割とそのほかのお話がしんどかったのは、どうしてだろう。
ここまで歩いてくるのに捨ててきたものすべてがあった気がした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私の周りの年配の女性に杉みき子ファンが多いので、気になって読んだ。
「わらぐつのなかの神様」で有名な著者だが、これも人の情愛と豊かな自然を、淡々と描く。一編一編は非常に短く、大きな物語ではないので、ストーリー性のある作品が読みたい人には向かないが、淡々としてはいるけれど、ちゃんとだしをとったすまし汁みたいに、滋味に満ちた深い味わいで、あっさりしていても、作り手の愛情が感じられる。
こういう作品が、年をとった女性の心に沁み込むのもわかる気がする。
わたしはまだ生ぐさいのか、あまりたくさんいっぺんに読んじゃったせいか、「もう、いいか」という気持ちになってしまったけど、たまに読めばいいものだと思うだろうし、もっと年取ったら感じ方も違ってくるのかもしれない。 -
読了
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小学生の時問題で見て惚れた本。電柱、風見鳥、坂や旗の話、火の見櫓の話どれも素敵で大好きです。
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国語の教科書に掲載されていた小説の中でも特に思い出深い「あの坂を上れば」が掲載されているという理由のみで購入。短編集であるため、時々読んでいるが、まだ読んでいない短編もある。「あの坂を上れば海が見える」は間違いない名作である。繰り返し使われる「あの坂を〜」のフレーズが言葉のリズムをとりつつ、簡潔にテンポよく少年の心と物語が語られる。本当に短い話となっているが、それだけで十分と感じさせるだけの完成度の高い一編。