うす灯 (偕成社コレクション)

著者 :
  • 偕成社
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本棚登録 : 52
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037440909

作品紹介・あらすじ

あなたの「愛」もきっとここにあります。七つの愛の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 春頃の朝日小学生新聞に、小学生が書いた推薦文で、珍しく読んだこともなければ今度読もうと思っていた本でもないものが紹介されていて、しかも読みたくなってしまい、図書館へ(今は手に入らないらしい)。7話の短編で少し不思議な話が語られるのですが、どれもうす灯という骨董屋とその店主が絡みます。1995年の本だけあって、描写が丁寧。会話も上品なんだよね…。銭天堂上位互換的内容でした。余韻も透明感ありました。今の子たちにもこういう世界を読ませたいし、この内容ならいけるけど、買えないならどうしようもない。ちなみに、杉みき子さんの文章を思いだしました。「わらぐつのなかの神様」が光村から消えたから、なかなか手に取らせにくくなってしまった。もともと教科書の最後だったから、並行読書まで行く先生少なかったけどね。教科書載るなら真ん中が華。
    挿絵担当の東逸子さんは「Qはせかいいち」で見た、スゴく印象に残るフランス人形の絵の方でした。

  • 再読。骨董屋〈うす灯〉が呼びかけてくるので扉を開いた。ロイド眼鏡の主人と骨董品のささやきに耳を傾けていると、そのときの私に必要なものを与えてくれる。憂悶の蔓や感傷の殻を、解いて、砕いて、心のいちばんやわらかな部分に触れてくる物語がある。

    今回私が特に丁寧に読んだのは【重たい鞄】。
    少女の持つ鞄の重さは罪の重さ。失ったものの重さ。
    毅然とした態度は弱さを隠すため。大人びた容姿は内面の幼さの裏返し。無関心と無表情を装っているけれど、ほんとうは誰よりも寂しがりな「小さな小さな女の子」。温かな涙をこぼす彼女を抱きしめてあげたいと思う。

    『だけどもう、解放されても許されるかな、と思ったの。あの店に売ってしまえば、わたしはもう一度、やさしい人間になれるかなって。』
    新しい鞄にやさしい愛をめいっぱい詰めこんだら、あの人に会いに行きましょう。

  • いろいろな「愛」が描かれた7つの短編集。
    心がほわっと温かくなる話が多いけど、なかには切ない話も。
    ほのかな灯に包まれるような、不思議な雰囲気をまとった物語たちでした。
    もう絶版なのがもったいない。。

  • 【収録作品】第一話 赤いタイプライター/第二話 重たい鞄/第三話 影のない町/第四話 お茶を飲んで、そして……/第五話 肖像画家の館/第六話 セルロイドの恋/第七話 幻想ワイン

  • 不思議な骨董屋を訪れた人々が何かの幸せを見つけていく話。連作7編。子供のころから何度も読んだ。すき。絶判らしく表紙が無くて残念。私が持っているものの表紙は東逸子さんの幻想的で美しい絵、挿絵も素敵です。

  • 何度でも読み返したくなります。

  • 小〜中学生のころ、すきでした。
    よく通った地元の市立図書館にひっそり置いてあって、
    何回も読み直したっけ。

    おとなになって、急に思い出した。
    いまどこにあるのかな。読みたいな。

  • 百円で売っていたのをゲットしてきました。
     まず、この雰囲気がすばらしい。
     偶然に見つけた骨董屋。ただ座り誰かを待つようなロイド眼鏡の老人。その店には自分を必要としてくれる人々が現れるまで待つ、品物たちが眠っている……。
     短編集ではありますが、一つ一つの物語を終える頃には、きっと貴方はこの本を手放せなくなるでしょう。一押し。

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