元禄の雪 (白狐魔記)

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037446208

作品紹介・あらすじ

白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、人間に化けることができるようになった狐、白狐魔丸の人間探求の物語。時は江戸時代中期、元禄十四年。俳諧や歌舞伎など町の文化が花ひらき、人びとは天下太平の世を謳歌していた。しかし、白狐魔丸は江戸城から強い邪気がただよってくるのを感じる。赤穂事件がおきたのは、その直後だった。小学校高学年から。

感想・レビュー・書評

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  • ついにきた!
    ニアミスだけど、触れてくれない厳しさよ!
    他のレーベルなら触れてくれたろうおいしさなのになぁ。市川桜花としての魅力は小桜シリーズの方がやっぱり上ではないでしょうか。あちらもまた読み返します。
    あ、ハンスまさかとか思ったけど全然そんなことなかった。

    宿に居残りいいなぁ。
    好みな顔が現れず退屈そうな雅姫。

    こちらも、赤穂浪士には親しみを感じる派なのですが、確かにそう言われると…、内匠頭お前…、となりますね。
    やっぱり一本筋の通ったお狐さまの意見。
    うわーんさらっと時代下っちゃって、小桜でてこなくて残念です。

  • 赤穂浪士はTVで観て知っていたが何故吉良幸之助が斬られたのか知らなかったけど、何故なのか謎だったのかぁ。この本は教えを請う見返りを渡さなかったからとありそれも人の噂話として書いている。有名な討ち入りも白狐魔丸は見届けて立ち去るが時代が変われば武士の生き方も変わる事を知る。この時代は全然知らなかったので、吉綱の生類憐みの令が施されていた時代にあった事件、何故斬ったのか謎だとか知識が増えた。

  • 浅野内匠頭が吉良上野介にどうして切りかかったかはわからないけど、赤穂の人たちはみんな死んじゃったのに、吉良だけピンピンして生き残っていて、赤穂の人たちはちょっとかわいそうだなと思った。これが、江戸の武士の考え方なのかな。
    生類あわれみの令は、生きものを大事にするのはいいけど、そこまでする必要があるのかなと思った。
    宿の人たちが、かぶき好きでおもしろい。優しくていい。武士がいなければ、江戸もいいな。(小5)

  • 赤穂浪士の話。忠臣蔵が観たくなる。
    武士の心理、人間の心理についての描写に納得。

  • 武士とはという疑問について、白孤魔丸の考えに、またなるほどとなりました。
    武士を知らない現代では、なぜ切腹するのか?なぜ武士はあのように行動するのか?などなど、狐の疑問がそのまま私たちも疑問に感じ重なるところが、面白いなと改めて思いました。

  • この巻で白狐魔丸は江戸に出て、そこで忠臣蔵の物語の現場に立ち会うことになります。江戸城に忍び込んだり、吉良邸に忍び込んだりなどして重要な場面を目撃しはしますが、赤穂浪士や吉良側の内側にはほとんど入り込まないし、赤穂に場面を移したりもしないので、江戸に当時生きていたらこんな風に見えたんではないか、という言わば忠臣蔵を外側からリアルタイムで見た町人感覚を大事にした描き方をしているようです。それは、歴史というものは伝聞と推測で作られた物語であって、特に忠臣蔵のように人形浄瑠璃や芝居で脚色された物語は、現実とは似ても似つかぬものになっているものだということをどうやら本巻の裏テーマにしていることによって選ばれた方法であるように思います。

    本巻で何度か繰り返して語られるもう一つのテーマは、切腹すれば目的や結果の成否は問わず正義となる、という侍の生き方・責任の取り方への疑問です。白狐魔丸シリーズを通して武士は嫌いだと言ってきたわけですが、巻によって武士への視線の温度には高低があるように私には見受けられました。この巻ではその点、だいぶ冷たかったです。

    こういったようなこだわりのテーマをもって書かれたと思われる本巻では、作者自身、読者を楽しませることすらよりも、これらのこだわりを意識的に優先したんではないかな、と私は思います。というのは、町人から見て忠臣蔵は、なかなか討ち入りに来ない間延びした出来事だった、ということを結局本書では書いていて、読者にもその感覚を追体験させているわけで、それが本書の中だるみになっています。そこで中だるみを防ごうとするならば、やはり白狐魔丸も赤穂に舞台を移して、大石たちの葛藤にも立ち会うとか、そうしなくても江戸で赤穂と関係を持ったオリジナルキャラをもっと活躍させるとかなんかやりようがあったし、斎藤洋にはそれができたはずです。なので、それをしなかったのは、斎藤洋の故意だったのではないかと私は思います。

    とはいえ、うちの子は楽しんだみたいですね。特に最後のあたりは面白かったと言っていました。死ねば正義という侍の生き方はいやだ、と言って違和感を感じたのも成果ではないでしょうか。私はこの本を読んで、天草の乱の頃から生きている人がまだいた頃だった、というのと、生類憐れみの令が行われていた時期だった、ということなど、別々に習ってはいても私の頭の中では全然つながっていなかった事柄が、当時の江戸の空気感みたいな感じで知ることができたのも嬉しかったです。

  • 白駒山の仙人から化身の術をさずかったきつねの白狐魔丸

    島原の乱で天草四郎時貞の最期を見届けてからおよそ六十年
    ときは元禄、生類憐れみの令が布かれている時代

    はじめて江戸に入り江戸城に出入りするうちに
    浅野内匠頭の殿中刃傷沙汰にかかわることになる

    読んでいるうちに歴史が好きになる1996年からの人気長寿シリーズ
    既刊6冊の第6作は2012年初版

    シリーズスタートから21年
    前作刊行から5年がたち続刊が待たれるところ

  • 白駒山の仙人の弟子となり、修行ののち、人間に化けることができるようになった狐、白狐魔丸の人間探求の物語。時は江戸時代中期、元禄十四年。俳諧や歌舞伎など町の文化が花ひらき、人びとは天下太平の世を謳歌していた。しかし、白狐魔丸は江戸城から強い邪気がただよってくるのを感じる。赤穂事件がおきたのは、その直後だった。

  • 最後がもうひとこえ!

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著者プロフィール

1952年、東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。1986年、『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞受賞、同作でデビュー。1988年、『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞受賞。2013年、『ルドルフとスノーホワイト』で野間児童文芸賞受賞。「どうわがいっぱい」シリーズの作品に、「もぐら」シリーズ、「ペンギン」シリーズなどがある。

「2022年 『がっこうのおばけずかん シールブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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