イ-ゲル号航海記 (2)

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037448202

感想・レビュー・書評

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  •  ひょんなことから小型潜水艇「イーゲル号」に乗って魚人の国に行ってから2か月後、カールは再び「イーゲル号」に乗ることになる。
     今回着いたのは砂漠。
     なぜか雨季が来なくなった砂漠を救うため、砂漠の向こうにある海岸を目指す。

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     前巻も含め、今回も具体的な時代は書かれていないんだけれど、戦争があったのがそう昔ではなく、ドイツがフランスと敵対しており、日本が戦勝国であるということから、もし今私たちが使っている暦と同じ歴史ならば、そういう時代の話なのかな、と。
     それにしては、博士が天才すぎて。
     この人の気持ちが、ちょっとでも悪のほうに傾いたら、世界が本当に大変なことになっちゃうような、とんでもない発明してる。

     前回よりも、カールが冒険ということに慣れて、頼れる存在になってるのがいい。
     ただ今回は、前作と違って、問題解決するための場所に行くのに、クイックイッカーが同行できないのが寂しい。
     前は魚人さんと一緒に行って、言葉は通じないけど、仲間感があったのに。

  • ある日、犬のラインゴルトに出会い、ついていくと、潜水艦イーゲル号のコック、ハンス・ハンスがいた。もともとイーゲル号が万一の時の脱出用に作ったという陸上走行が可能な小型潜水艇「ムッシェル号」にカールを試乗させてあげるために。
    しかしどうやら重要な人物の息子だったらしいカール・キリシマ・キルシュ君が誘拐されないようになのか、何者かに追われることに。ムッシェル号にのったまま海に落ちたが、自動回収装置の作動によりイーゲル号の内部へとたどり着いた。
    そしてまたしても、前回にも冒険した北緯54度東経8度ヘルゴラント島南南東の巨大渦に入り、違う場所、海底ドームへと行くことに。9つある洞窟のひとつ選んで進んだ先には・・・・サボテンのような生物クイックイッカーがいて、助けをもとめていた。

    このクイックイッカー、挿絵がめちゃくちゃ可愛らしい。
    イーゲル号の内部もいろいろと改造されていて、電気衝撃波を出すものとか作られてて、使い方を間違えると危ない武器になるという。そこから、このイーゲル号を作った天才科学者ハインリッヒ・フォン・ローゼンベルク博士の名前にも別の意味があるのが面白い。

    前回は魚人たちの島で彼らをたすけましたが、この海底ドームのそれぞれの洞窟では誰かが助けを求めているのかも。ということは、このシリーズまだ続くのかなあ。続いてほしいなあ。
    とても好きです、この作品。

著者プロフィール

1952年、東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。1986年、『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞受賞、同作でデビュー。1988年、『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞受賞。2013年、『ルドルフとスノーホワイト』で野間児童文芸賞受賞。「どうわがいっぱい」シリーズの作品に、「もぐら」シリーズ、「ペンギン」シリーズなどがある。

「2022年 『がっこうのおばけずかん シールブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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