クラスメイツ 〈前期〉

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784038144103

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭───
    若草色の風が吹きぬける四月、それまで二つに結っていた髪をポニーテールにまとめて、千鶴は中学生になった。
    中学生なんて、なるときは、だれでもなる。地元の公立中学校だから、新入生の半数は知った顔。そう考えると気もらくで、入学の日もとくに緊張しなかったけれど、唯一、クラス発表のときだけは胸がどきどきした。

    小学生から中学生になったばかりの24人の生徒たち。
    大人と子供の狭間の中で、揺れ動くそれぞれの心情。
    みんな色々な悩みを抱えているんだよなあ。

    24人いれば24通りの悩みや葛藤がある。
    24人分の個性がある。
    それがぶつかりあうのがクラスであり、それが交差しあうのがクラスメイトである。

    森絵都は、優しい眼差しで24人の子供たちを見つめる。
    中学生になったのを契機に変わろうとする生徒たち。
    或いは生徒たちの間に自然と変化は訪れる。
    小学校の時は感じなかった些細なことでも、中学生になれば心の奥にずしんと重くのしかかってくる問題も多い。
    それでも森絵都は、苦しく悩んでいる生徒たちの未来に明るい希望を提示する。
    生徒たちはたくさんの壁にぶつかりながらも、それを乗り越えていくだろう。

    良い話ではあるのだが、ハーフ美少女のアリスが一年生で好きな男の子に告白したり、後編になって、それを諦め高校生と付き合い出したりなどというのを聞くと、やはり今の中学生は僕らの時代と全く違うものという気がする。
    そりゃあ、色気づく年頃だから、好きになったり、仄かな恋心みたいなものはあったけれど、それを実際に面と向かって告白するなどというのは、卒業式近くまでできなかったな。
    なにせ、そんな“付き合い”なんて始めたら、みんなに冷やかされるのがおちで、恥ずかしかったからね。
    ましてや中学一年生の女子が高校生の男子と付き合うなんてさ。

    でも、森絵都の話は安心して楽しく読める。
    児童文学やYA分野の他の本も読んでみたいという気にさせられた。

    • 杜のうさこさん
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      台中に行かれたんですね。
      写真アップして下さってありがとうございます!
      私も登校坂組でした。...
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      台中に行かれたんですね。
      写真アップして下さってありがとうございます!
      私も登校坂組でした。キツかったですよね。先生方の車もよく途中でエンスト(笑)
      懐かしくて懐かしくて、涙が・・・

      希望の泉(別名・絶望のため池・笑)
      1.3年生と2年生の校舎の中間にあって、
      あの頃は正方形の形だったような…
      そばに鳥小屋もあったかな?
      でも、水の色は相変わらず(笑)

      希望の泉、koshoujiさんは記憶に無いんですよね。
      なのにわざわざ生徒さんに聞いて撮影…
      ということは、もしかしてこの写真は私のために撮って下さったのでは…?
      なんて図々しく思っています。
      ホントに嬉しいです!
      ありがとうございました<(_ _)>

      台中、素晴らしい中学校でしたよね。
      私は別の私立女子中に入学予定だったのが、移転話があって急遽台中に入学しました。
      でもそれで良かったと心から思います。
      1年余りしか通えなかったけど、一生の友達もできたし。

      活気があって、”フロンティアスピリッツ”がスローガンの中学なんてそうは無いですよね~。
      みんなお勉強ができたから、大変でしたけど(^_^;)
      卒業アルバム、転校していった生徒も載せて欲しいものです。

      今頃はラグビー中継準備のため忙しくされている頃でしょうか?
      お身体大切になさってくださいね。

      少女マンガのこととか、まだまだたくさんお話したいのですが…
      また、次の機会に(*^-^*)
      2015/10/11
  • (後半と合わせての所感)
    中1という思春期に差し掛かる頃の生徒たちの1年を見つめたクラス小説。特定の誰かではなくクラスメイト全員をそれぞれの章で取り上げ描いた作品。
    クラスには当然色々な子がいるわけで、可愛い子、しっかり者、意地悪する子、だらしのない子、家庭に事情がある子、彼らがクラスで織りなす人間関係は決して綺麗事ではなくて、でもその一つ一つがまさにこの年代の子どもたちにあるよなあということばかり。当然担任もその中で右往左往するわけだけど、1年が経って様々なエピソードを経た最後には確かに生徒たちの成長に触れられる作品です
    自分と重なるキャラを見つけられれば一層共感すること間違いなし!

  • 中学生の話で、自分の参考になるから後期も読もうと思っている。
    友達の作り方、部活動などなど…
    めっちゃ面白いです!

  • 6年教科書掲載本。 

    2つの小学校から集まる中学校の1年A組24人それぞれの視点から描かれる話が時系列に沿って進むので読みやすい。

    クラスのカーストみたいなのが、それほどドロドロとしたものではなくさらっと書かれている。

    思わず吹き出す場面もあれば、胸が締め付けられる気持ちになる場面もあり。
    でもそれが現実でしょうね。

  •  24人のクラスメイト。中学生の時期、1人ひとりみんなちがう。前期後期2冊だけど苦にならず読めると思います。
    (一般担当/1号と2号)

  • クラス1人1人の視点から描かれている短編集です。短編集だけど1つ1つの話に繋がりがあって、とても読みやすくて面白かったです。
    受験の時の過去問によく出題されていて過去問では国語の点数がよかったです笑笑
    後編も読むと、より面白くなると思います。

    • koshoujiさん
      フォローありがとうございます。リフォローさせていただきます。
      この本、私も好きですね。
      今後のレビュー楽しみにしています。<(_ _)>
      フォローありがとうございます。リフォローさせていただきます。
      この本、私も好きですね。
      今後のレビュー楽しみにしています。<(_ _)>
      2017/01/11
  • 【要旨】中学1年生24人のクラスメイトたち、その1人1人を主人公にした24のストーリーで思春期の1年間を描いた連作短編集。前期・後期の全2巻。 うれしい出会いや、ささいなきっかけの仲違い、初めての恋のときめき、仲間はずれの不安、自意識過剰の恥ずかしさや、通じあった気持ちのあたたかさ。子どもじゃないけど大人でもない、そんな特別な時間の中にいる中学生たちの1年間。だれもが身にしみるリアル。シリアスなのに笑えて、コミカルなのにしみじみとしたユーモアでくるんだ作品集。

    1 鈍行列車はゆく    (千鶴)
    2 光のなかの影     (しほりん)
    3 ポジション      (蒼太)
    4 愛と平和のシメジ   (ハセカン)
    5 1001人目の女の子 (里緒)
    6 神さまのいない山   (アリス)
    7 Pの襲来        (吉田くん)
    8 夏のぬけがら     (陸)
    9 言えなくてごめん   (ゆうか)
    10 ゆらぎ        (美奈)
    11 悲しいことを悲しむ (敬太郎)
    12 炎のジャンケンバトル (タボ)

    感想はまとめて後期に

  • おもしろい! 
    ある時期から森絵都の作風が変わってしまった気がして
    読まなくなっていたけれど、
    これは俺が気に入っていた頃の森絵都だ。

    少子化で1学年に2クラスしかなく、1クラス男女12名づつのこじんまりしたクラスメイト一人一人の短編で
    話が繋がって行く。
    その誰もが色々な悩みや不安や問題を抱えていて、
    学生時代をとうに過ぎた世代も現役世代も誰かっしらの話に共感したり出来るのではないだろうか。

    彼等が後期でどうなって行くのかとても気になる!

  • 後期にて。

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著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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