クラスメイツ 〈後期〉

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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784038144202

感想・レビュー・書評

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  • 森絵都が描く中学生群像「クラスメイツ」著者インタビュー公開! | 偕成社
    http://www.kaiseisha.co.jp/news/publish/588-20140602.html

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  • 中学1年のクラスメイト24人。1年A組の中学入学から終了式までの一年間を、ひとりひとりのエピソードで繋いであります。

    24人の個性。それぞれの目線で1年A組の様子が描かれていて、泣いたり笑ったり喧嘩したり気持ちがすれ違ったりと、いろんな角度から見られて楽しく読めました。

    あ~、やっぱり学園もの大好き(*^^)。中学生の甘酸っぱくもバタバタした日常がキラキラしていて眩しい。

    若いっていい!
    自分も10代の時に散々言われてきた言葉ですが、当時は何がどういいのかさっぱり分かりませんでした。そりゃジジババよりは若い方がいいけど、ただのガキだし大人の方が自由でいいじゃん的にしか考えていませんでした。
    けど、若いってそれだけでもうスペシャルなんですよ。

    子供たちのくるくる変わる表情や気持ちを、なんだか母親目線で見ていて(私は子供はいませんが…^_^;)心がほっこり温かくなりました。

  • 怒涛の後半12人(12章)。
    目立つ子も目立たない子も種々様々。主たるテーマは1年A組の結束なんだろうけど、大いに盛り上がる章も有れば脇道に逸れた軽いお話も有る。
    野外活動や合唱コンクール、ボランティア活動等、各季節に学校行事を盛り込んでさり気なく時間は経過していく。
    1年生の終業式なんてただの通過儀式だ、と言ってしまえば簡単だけれど、2度と同じ24人は揃わないと思えば多少感傷的にはなる。
    その辺の微妙な空気感を表現するのがとても上手い。
    最終章は流石は委員長、1年間を気張って締めようとするが、いいところはみんな人に盗られて最後の締めも不登校児と問題児にさらわれてしまう。
    (不登校の話と不良になりそうな子の話は泣けましたけどね。いや思い出すと他の章でも泣いたな。)
    一人でポツンと帰る彼に、気になるあの子が校門で待っている・・・。
    爽やかですね~、いい終わり方ですね~。そう、中学生って恋愛ごっこのスタートですもんね。
    明日から新しい1年が始まるって感じです。
    本作といい「武士道シックスティーン」といい「夜のピクニック」といい私は学園ものには弱いみたいです。(いい年して)

  • 冒頭───
    十月に入って、めっきり夜が長くなった。夏の間は六時や七時でも明るかったのに、今では五時に暗くなる。夕焼けが空にとけると一日がもう終わってしまった気分になるから、久保由佳は週三日の塾へ行くのもゆううつだった。

    前期・後期と二冊に分かれていたのに、迂闊にも順番予約しなかったせいで、後期のほうが先に借りられることになってしまった。
    恐る恐る読みだしたのだが、中学一年生24人のクラス仲間を前期・後期それぞれ12人ずつの目線から語る物語だったので、時系列的には後ろの方からになったものの、特に問題はなかった。

    中学生になったばかりの24人には24人なりの色々な問題や葛藤がある。
    友情、恋愛、学校や家庭の問題など、中学一年生には悩みだらけだ。
    その感情を見事に書き分けている。
    この“後期”では、「田町」章で号泣する藤田先生の姿に心を打たれた。

    話は変わるが、現在の中学生は一年生ぐらいでもうSEXを現実のものとして意識しているのだろうか?
    「アリスの処女を守る」などという発言が出てくるのを読むと隔世の感がする。
    僕等の時代は、まさか中一で実際にSEX行為を現実として受け止めるなんてありえなかったよなあ------。
    そもそも、中一の女子と高校生が付き合うなんて想像しなかったよ。

  • ある小学校の、ある6年生のクラスのビブリオバトルで1位になったと聞いて、興味をもった作品。

    中学1年生の、クラス全員24人分の物語。

    共感できる登場人物が、きっと1人はいる。クラスって改めて不思議。様々な人がいる。この人からはこう見えていて、でも本当はこうで…ということが、24人の物語から見えてくるのがおもしろい。気付いたら、自分もそのクラスの一員であるかのように読んでいた。

    誰もが友達を大切に思っていること、周りが思っているよりも真剣に自分自身に向き合っていること、そして皆成長していることが伝わって、嬉しい。

    一見バラバラなクラスだけど、皆それぞれの存在を認めて気にかけていて、それでいて年度末は前向きな別れであっさりしているのも学生って感じ。良い!

    私が読みながらいつも考えていたのは、藤田先生の気持ちや姿。ずれてるようで、ずれてない。先生の物語はないけれど、生徒の視点からどんな先生なのかとっても良くわかって、これも素敵。

  • 前期にあった窓ガラス事件!!その犯人が明らかに!意外な人が犯人だった!?まだまだ色んな人の気持ち、生活などが分かります。そろそろ24人のことが具体的に分かってきます。後期でもうクラスメイツも終わってしまいますが、とても面白いので、前期からも見て下さい。

  • 夏休みに読みたいおすすめの本YA

  • 後期、一年の後半戦を描く。

    すこしずつ、クラス24人全員がみえてきて、
    クラスメイトの関係性が具体的にわかってきた中で、
    最後まで中学生らしく青春真っ只中な悩みで読了。

    あー、中学生ってこんなかんじだったな。

  • うん。後半もテンポよくすすんで、面白かった。クラスの24人が全員でてきてそれぞれが少しずつほかの人の話に絡みながら、成長していく。「大人」なんてすごいものじゃなくて、なんというかなぁ。あの13歳から15歳までの、あの独特な雰囲気の中に入っていく。それを青春といったり思春期といったりするのかもしれないけど、そんな簡単な言葉ではくくれないぐらい24人の中学1年生の1年間はバラエティに富んでいて面白かった。本当の中学生がこれを読んだら、一人ぐらい「似ている感じ」「でも違う感じ」っていうのに出会うんじゃないかと思いました。中学1年生が終わる前に読んでみることをおすすめ。

  • 良い。
    最後にはあまりにできすぎた大団円で、あまりにできすぎたハッピーエンドであるのも良い。いい話揃い。

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著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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