多毛留〈たける〉 (米倉斉加年)

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著者 : 米倉斉加年
  • 偕成社 (1976年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784039630704

多毛留〈たける〉 (米倉斉加年)の感想・レビュー・書評

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  • 茫・・・と広がる海。
    漂う潮の香り。
    海の向こうには、別の言葉を話す別の国の人々が住んでいる。

    あるとき、漁師の阿羅志(あらし)は、消え入りそうな白く美しい乙女を連れて浜に戻る。
    ずっと口をきかなかった乙女はしかし、時を経て阿羅志の妻となり、多毛留(たける)という男の子のかかさんとなる。

    かかさんは口をきかぬまま、それでも親子3人の暮らしは穏やかに続いた。
    浜に2人の男が打ち上げられるまでは。

    美しくはかなげな乙女が、なぜふるさとの地を離れたのかわからない。
    その後、父と息子と思われる2人の男がなぜ流れ着いたのかもわからない。
    ただ、玄界灘を挟み、2つの国は近い。
    歴史の中で、こうした出来事がいつかどこかであっただろう。いや、それは形を変えて今でもどこかであることなのかもしれない。

    繊細で優美で妖しい絵は、夢ともうつつともつかぬ、運命的な出会いとそれに続く悲劇を描き出す。博多弁の響きは、神話のような民話のようなこのお話に深みを与える。

    先般(2014年8月26日)亡くなった米倉斉加年さんの作品である。
    俳優としての米倉さんは知っていたが、画家として、あるいは絵本作家としての米倉さんは知らなかった。奇書といわれる夢野久作の『ドグラ・マグラ』(自分は未読なのだけれど)の印象的な表紙絵が米倉さんの絵と知ったのは訃報記事の中でだった。
    本作はイタリアのボローニャ国際児童図書賞、青少年の本のグラフィック大賞を受賞している。

    異国との関わり、生きる痛み、それでも連綿と続くひとの営み。
    細い線の向こう側に奥行きを感じさせる絵であり、読者それぞれの内面への旅を促すような物語である。


    *作品中の奴津(なのつ)とは現在の博多を指すようだ。

  • 文庫ドグラ・マグラの美しい表紙絵の米倉斉加年の絵本。絵本が苦手な方も是非読んでみてください。おさえられた線や色調が映像作品のような感覚です。
    私がこの本を見つけたのは薄暗い古本屋でした。圧倒され時空をさまよいました。

  • 日本に流れ着いた朝鮮の女と日本人との子供、ある日お母さんの元夫と子供が流れ着く

  • 絵に惹かれた。

  • 俳優の米倉斉加年氏が、絵も描くと知って驚いた。しかも、いいな、と思っていた新装版のドグラマグラの装丁画が氏によるものだった。もっと氏の絵を見てみたいと思い、購入した本。
    一応、絵本ということだけれど、ストーリーも含めて子供向けではないと思う。こんな自由で魅力的な線を自分も描いてみたいと思った。

  • 絵が美しい。かなりせつない。
    メッセージが,子どもにはちょっとわかりにくい。
    あとがき まで読んで,表紙に返って思わずうなりました。

  • 血とかグロさが、自分はあんまり好きじゃなかった。
    独特の世界観。
    絵本じゃなくて他の形でみたい。

  • 絵が衝撃的で何度も絵を見た。
    とても個性的で哀しい。

    内容も胸が苦しくなる内容だった。

    不思議な魅力をもつ作品。

  • 宙に浮く唇の中に、近くて遠い国の空。
    圧倒的な人間のなまめかしさ。そこに覗くひずみや、愚直さに、感じ入る。

  • 初めて読んだ時、心臓をえぐられるような衝撃を受けた。

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