雪女 (日本の童話名作選)

  • 偕成社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784039637406

感想・レビュー・書評

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  • 15分

  • 小泉八雲の「怪談」の一編。伊勢英子(いせひでこ)による絵本化である。

    木こりの老人、茂作とその弟子の巳之吉は、ある夕暮れ、山から帰る途中でひどい吹雪に遭う。小屋に逃げ込んだ2人は、寒さにふるえながらも眠りに付く。
    ふと目を覚ました巳之吉は、白い服を着た女が茂作の上にかがみ込み、息を吹きかけているのを目にする。
    そう、女は雪女。怖ろしい目をした、しかし、非常に美しい女だった。
    女は「おまえもこの老人と同じ目に会わせてやろうと思ったけれど、かわいそうだからやめた。でもこのことは決して人に話してはならない」と告げて去る。
    女が立ち去り、我に返った巳之吉が茂作を呼ぶと、老人は冷たくなって死んでいた。

    おなじみの「雪女」である。
    伊勢の絵は美しく、硬質だけれども繊細な雪の結晶の描写がすばらしい。
    秘密を漏らされ、怒りに震える雪女の白い姿に、わずかに紅が差す。怒りか、哀しみか。その瞬間、永遠に冷たいはずの雪女の体内を、あるはずのない赤い血潮が駆け巡ったようにも見える。その壮絶なまでの美しさ。

    雪女は恋した男の元に嫁ぎ、10人もの子をなしたのだという。
    それでもなお、その子らを捨て、本当に帰らねばならなかったのだろうか。
    そのまま人間になってしまうことはできなかったのだろうか。
    去った雪女の行方は杳として知れないという。

    *8月10日記。何か、このころ、暑かったので、雪女が読みたくなったのでしたたw

  • 怖いです。
    挿絵が、さらに怖さを増してくれます。
    「絵本なんて…」
    などといいそうな高学年におすすめ。
    小泉八雲の話もしてあげながら、すすめると良いかと思われます。

  • 怖いです。
    挿絵が、さらに怖さを増してくれます。
    「絵本なんて…」
    などといいそうな高学年におすすめ。
    小泉八雲の話もしてあげながら、すすめると良いかと思われます。

  • 雪女は、美人でないとね。
    このお話の雪女は、結婚して子どもも10人いて、幸せそうなのに、正体がバレると、やっぱり出て行かないといけないなんて、切ないです。

  • 読み聞かせ13分。冬にぴったり?5年生にしました。字がよみづらくて大変でした。光村の教科書に載っている松谷みよ子文のものより、言葉はやや難しいですが、これでも小泉八雲著を子ども向けに訳したものだそう(あとがきより)私はこちらを読み聞かせに使っています。

著者プロフィール

(1850年-1904年)ギリシア生まれ。作家。ラフカディオ=ハーン。1869年アメリカへ渡り、新聞記者に。ハーパー社の通信員として、1890年4月4日来日。島根県松江尋常中学校へ英語教師として赴任。1890年12月、小泉節子と結婚、日本に帰化し、小泉八雲と名をあらためた。節子夫人から聞く日本につたわる話を集め、工夫をこらして物語にし、『Kotto(骨董)』『kwaidan(怪談)』などの本にまとめた。

「2008年 『耳なし芳一・雪女 新装版-八雲 怪談傑作集-』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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