花よりも小さく

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784039638007

感想・レビュー・書評

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  • 中学校の体育教師として部活動の指導中、事故により頸髄を損傷し手足の自由を失ってしまった作者・星野富弘さんが、口に筆をくわえて描いた「花の詩画集」。

    この本との出会いは17年前。
    その数年後、私はステージ4のがんを告知された。

    治療の合間のひとりの時間、子どもの頃から大好きだった絵を描くことに熱中した。
    絵を描いている間は何もかも忘れられる。
    絵を描くことは、私にとってセラピーのようなものだった。

    でも、終わりの見えない抗がん剤治療、回数を重ねるごとに手指の痺れやこわばりがひどくなってゆく。薬の副作用による末梢神経症状だから、治療を継続する限り、悪化する一方で改善は見込めない。

    だけど実は、そのことはそんなに怖くはなかった。「絵を描けなくなってしまうのでは?」なんて悲しく思ったりはしなかった。
    だって、手指を上手く動かせないことは、絵を描けない言い訳にはならないことを、この本が教えてくれていたから。
    手が痺れるなら痺れた手なりの絵を、手がこわばるならこわばった手なりの絵を描けばいいんだ、と。
    口にくわえた絵筆であんなにも素晴らしい絵を描くことのできる人がいるんだもの。

    それからまた数年が経ち、キャンサーペアレンツに出会い、仲間たちとえほんプロジェクトを立ち上げた。
    そして、私と同じように子育てしながらがん治療に向き合う親とその子ども達への思いを込めて、絵本「ママのバレッタ」を描いた。

    「花よりも小さく」が私を励まし続け勇気づけてくれたように、「ママのバレッタ」もどこかでそっと誰かのことを励ますことができているだろうか、と、今でも時々思いを巡らせる。

    リンママ(たなか さとこ)

  • 花の素朴な美しさと絵に添えられた澄んだ詩にこころが洗われるようでした。

    つらいことがあって(クサボケ)
    少しつらいことがあって
    帰り道
    枯れ草の中に
    花を見つけた

  • 星野富弘さんの本とは高校時代に出会いました。あったかい絵とほっこりする詩が、なんとも心を癒してくれます。苦難を乗り越えた人は強く優しく魅力的です。。。

  • 2004年9月1日読了。

  • 今年の夏に、ご主人の海外赴任終了とともに日本に帰国された「おはようfromオハイオ」のsusieさんから、「本棚を片付けてたときに目に付いた1冊を」とプレゼントに送ってもらった1冊。
    星野富弘氏は、今や日本では知らない人はいないのではないかと思われるほど有名である。
    初めて彼の著作に出会ったのは、今から20年前、1986年に出版された「鈴のなる道」を偶然にも書店で手にしたときだった。
    あれから早20年、この作者の本が、どれほど多くの人たちを勇気付け、励ましてきたことだろう。
    その後何作か購入していたものの、この「花よりも小さく」は、日本を離れてから出版されたもので未読だったため、とてもありがたかった。
    いまや英語やポルトガル語など、数ヶ国語に翻訳されているという星野氏の作品。
    そういえばこの本にも、「911」のテロがあったときは、サンフランシスコで彼の個展が開催されていたという。
    ぜひ我が図書館にも購入してもらうべく館長にリクエストしようと思っている。

      痛みを感じるのは 生きているから 
      悩みがあるのは 生きているから 
      傷つくのは 生きているから 
      私は今 かなり生きているぞ

  • 星野富弘は小学生の頃知りました。
    それ以来大好き。
    口で描いてるとは思えないくらいステキな花の絵。
    詩もすごくいいのがポツポツと。
    綺麗。

  • 最新刊。さらに宗教色の強さを感じる。しかしいい。

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著者プロフィール

詩人・画家。群馬県勢多郡東村に生まれる。群馬大学教育学部体育科卒業。中学校の教諭になるがクラブ活動の指導中頸髄を損傷、手足の自由を失う。入院中、口に筆をくわえて文や絵を書き始める。1979年、前橋で最初の作品展を開く。1981年から雑誌や新聞に詩画作品や、エッセイの連載をはじめ、1982年、高崎で「花の詩画展」開催以後、全国各地で大きな感動を呼ぶ。1991年、村立富弘美術館開館。ニューヨーク(97年)、ホノルル(00年)、サンフランシスコ、ロサンジェルス(01年)、ワルシャワ国立博物館(04年)で「花の詩画展」を開催。05年、(新)富弘美術館新館開館。群馬県名誉県民。

「2019年 『女声合唱組曲 神様ありがとう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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