校閲ガール

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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本棚登録 : 1425
感想 : 255
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040663630

作品紹介・あらすじ

ファッション誌の編集者になるはずだったのに、どうして私が校閲に!?出版社が舞台のお仕事エンタメ。

感想・レビュー・書評

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  • ○○ガールにちょっと食傷気味なこの頃だったが、まさか「校閲」を持ってくるとはね!しかもヒロインの名が河野悦子(こうのえつこ)って(笑)縁の下の力持ち的な「校閲」という仕事、ファッション誌の編集に行きたくてうずうずしている24歳のオシャレ大好きヒロイン。この相容れない感じが面白い。悦子がまた物怖じしない娘で、歯に衣着せない物言いでベテラン大御所作家だろうと先輩社員だろうと、ズケズケ本音をぶつけまくるところが気持ちよくてね。(こんなにタメ口でいいのと不安にもなるけど、宮木作品の女子って結構そうか。)
    思い入れが強すぎるあまり、つい越権行為してしまう若さと言うか青さも、理解できるなぁと思ってしまった。
    そして、友情出演的に時々現れる、近所の不動産屋に勤める娘は宮木作品のレギュラー。「セレモニー黒真珠」「憧憬☆カトマンズ」でおなじみのあの人この人のその後がさり気なくわかるのもファンには嬉しい。「婚外恋愛に似たもの」の「ディセンバーズ」ネタもちょっぴり登場。
    「校閲」の仕事がどんなものかを詳しく知ったのは、実はつい最近のこと。誤字脱字を校正するだけじゃなく、内容を読み込んで展開に矛盾はないか、丹念に調べぬく。本当に細かい作業だ。いくつかの章の初めに、悦子が校閲する小説の一部分が載っているが、誤字脱字に全く気付けなかった。斜め読みしたからとはいえ、あまりに目が節穴でした…(汗)悦子の同僚が校閲の仕事を「ホテルのルームメイクっぽい感じ」と言っていたが、そうかもしれない。校閲さんの陰の努力があって、私達はたくさんの書籍や雑誌を、違和感なく安心して読むことが出来るのだとしみじみ思った。
    購入するきっかけとなた茶谷怜花さんの表紙イラストもとてもキュート!宮木さんのお仕事女子ものの装画は、勢いを感じる瀧波さんのイラストや、ワカマツカオリさんによるクールな雰囲気のものが主だったが、今回のかわいさは意外さがあってまたよかったかもと思う。そのかわいい表紙をはがしてみると、初校の原稿!?こんな感じに赤が入るのねと色々納得です。
    フィクションとはいえ、この版元やこの作家がモデル?とうっすらわかるところも面白い。

  • 可愛いお仕事小説。
    大好きなファッション誌を作りたかったのに校閲部に配属されてしまった主人公が奮闘する。
    校閲の仕事って本当に難しそうだ。
    でも読んでる分には面白い。
    もっと知りたい。

    テンポがよくて読みやすいし、仕事のこういうところは楽しいよねという前向きな気持ちにもなれる(長続きするかは分からないけど)。
    そんなお仕事小説は大好きだ。

  • 校閲はとても大切な仕事だと思う。
    僕には性格的に絶対に無理なので、尚更尊敬。

    楽しめるお仕事小説。

  • 主人公は、大好きなファッション誌の編集がしたくて出版社にはいったのに、校閲部に配属されてしまった校閲ガールこと河野悦子。
    校閲というお仕事小説か、校閲から始まる日常ミステリのようなものを想像していたんだけれど、ずいぶんコミカルタッチでライトな読み物だった。まぁそれはそれで良し。
    私は今まさに校閲の勉強をしているので、それをいち会社員として仕事にしている悦子が羨ましい。あーでも編集も憧れる。
    出版社内での仕事シーンが多くて参考になるので続編もとりあえず読んでみよう。ドラマもそのうち。

  • 軽めの本なので、読みやすい。
    ずいぶん前に見たドラマの映像が頭に浮かび、そのまま楽しめるが、それに上乗せしていくものはあまりないような…。ドラマが原作をうまく表現していたとも言えるのかも。
    疲れている時でも、さくさく楽しく読める、こんな作品も良いな、と思いました。

  • 「本をめぐる物語」って短編集にこの1話が載っていて、面白かったので借りてみた!
    プロフェッショナルな裏方ってめちゃくちゃかっこいいなと。。

    表記の統一、事実確認、誤字脱字がないか、送りがななどが間違っていないかとか、色々見る観点の多い校閲ってすごい。。どうやってみているんだろう。。

    美しい日本語を読めるのは、校閲のかたがプロの仕事をしているからなんだな。。
    雑誌の編集者になりたがっていた悦子が、最後に校閲の仕事の価値に気づくところもすごく良かった。

    本質はいいよね、だけじゃ多くの人に良さはつたわらない。
    わかりやすく、伝わりやすく、文章を整えていくからこそ、多くの人に本質が伝わるんだなと。。

    悦子のキャラが良くて、スカッとしながら読んでいた。

  • 校閲ガールシリーズ ①

    あんまり期待してなかったけど、はまったー!!
    おもしろかったなぁー(*´▽`*)
    確か石原さとみさんがドラマしてたよね!?
    なんか、主人公はそんなイメージで脳内動いたよ!!

    「校閲」とは、文書の誤りや不備を調べて
    検討し、訂正や校正すること。
    主人公は、河野悦子(こうの えつこ)。
    略して、こうえつ。
    そんな悦子はファッションが人一倍好きで、
    ファッション雑誌編集者になりたいために出版社を希望。
    だけど、配属は全然関係ない校閲。
    そこでの、お仕事ドタバタ話。

    個人的には、悦子の性格が好きだったー!!
    オシャレさんであり、誰に対しても毒舌!!
    スパッと言うところは、なんか気持ちよかった。
    そして、アフロイケメンと今後どうなる?
    多分、続きも読みますねー笑

  • 大物作家が失踪するドタバタ劇と恋がスタートするときめきを掛け合わせたストーリー。なんだか主人公悦子が好きになれなくて、白けたまま読み終えました。

    ???と思ったところを例を挙げると

    ・主人公悦子の言葉が汚い。

    ・「貧乏で、七五三で着せてもらえなかった」と言う藤岡を貧困層と位置づけるところ。

    ・ファッションにはお金をかけるが家賃が格安の商店街の一角の古くて狭い戸建に住んでいる。1階が元鯛焼き屋だったため、きまぐれに不動産屋の加奈子が鍵を開けて鯛焼きを焼きに来る、ナゾの設定。

    ・顔とファッションが自分の好みの男をコーヒーショップで見かけ、これは恋だ、と確信し、身を乗り出して「ねえ、あのお客さん、よく来る?」と店員に聞く悦子。しかもその男を自分が働く会社の館内で見つけ、受付嬢から名前を聞き出すアグレッシブさ。その男は覆面作家であるのにもかかわらず、男前だったと仲のいい同僚たちに話すところ。

    ・大学では合コン三昧の日々だったのに、好きになる男には出会えず、何よりも男の方が「完璧すぎる見ため(服飾的に)に引いて近づいてこなかった」、しかも、えてして男というものは、ちょっとダサくて抜けている女を好むものだ、思っているところ。(バブル時代の林真理子氏のよう?今の時代には会わない内容だと私は思った)

    ・悦子の研修メモ6で『新書とは細長くて表紙のやわらかい、物理的に薄めなウンチク本』と書かいているところ。


    悦子が七五三をできないこと貧困層の基準にするところで、全く共感できなくなった。
    服にはお金をかけて住居にはお金をかけないのはある程度分かるけれど、おしゃれな人間としてどうか疑問。
    覆面作家の正体を、同僚とは言え、躊躇なく話すところに常識がないと感じた。

    私自身文章が下手だし、本なんて書けないし、このレビューも間違いだらけだらけなのにこんな評価をして申し訳ないけれど、校閲のお仕事をテーマをしていることがこの本にとっての救いだと思った。

  • 大好きなファッション誌の編集者になる!と夢見て受けた出版社、無事に内定をもらったものの、配属された先は校閲部。
    全く希望と違う部署に配属されながらも、日々仕事に向き合いながら、事件に巻き込まれながら、仕事におもしろさを見出していく。

    心のビタミン剤的に、読むとすっきりスカッとするワーキングエンタメです。
    こんな風に言いたいことをずばっと言えたらどんなにいいか!と思う程、主人公はずけずけとモノを言う。
    そんな、しょっと常識的な社会人とはズレているように見える主人公ながら憎めない、どころかカッコイイ、好きだと思ってしまうのはきっと好きなものへのひたむきな愛情とか、筋を通す芯があるところとか、案外やさしいところがあるからかもしれない。

    登場人物もこれまた魅力的で、ぜひとも続編を読んでみたい。
    彼らの恋の行方も気になる!
    宮木さんの本は初読みでしたが、読んでいてすごく楽しかったです。
    こんな風なワーキングエンタメ、いいですね。仕事への活力になります。

  • ファッション雑誌の編集者になるために出版社に就職したのに、
    なぜか配属されたのは文芸書の校閲だった悦子。
    ファッション部門への未練は断ち切れず、
    校閲の仕事でも度々ご法度を犯し、周りに怒られる日々…。
    それでも持ち前の強さで乗り切り、少しずつ校閲の仕事を理解していく。働く女子の成長物語。

    校閲という超裏方に、スポットを当てたのは斬新ですね。
    こんなに細かく確認しているのか!と、純粋に校閲という仕事に驚く部分もあり、
    本作りに携わっているすべての方に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

    悦子、あなたはできる子だよ。
    ポリシーなく仕事している人はこの世の中にごまんといるもの。

    自分も頑張らなきゃなーとサラッと思える
    ワーキングエンタメです。

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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