- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040663913
作品紹介・あらすじ
"水使い"それは22世紀の人類が生み出した"深海踏破の異能"-。山城ミナトは水使いの訓練生を指導する教官として、母校であるアカデミーに帰ってきた。そんな彼の教え子は二人。落ちこぼれでもマイペースな幼馴染の星野ナツカと、性格に難はあるが水使いとして至宝の才能を生まれ持つクロエ=ナイトレイ。時には反発を見せながらも前に進もうとする彼女たちを見て、ミナトは教官であることに楽しみを感じ始めていた。しかし、深海に沈む都市に"S.O.S"が鳴り響いた時-平和だったミナトの日常は終わりを告げる。"深海"×"絶望"戦慄の本格パニックノベルが登場。-この"結末"を、僕達はまだ、知らない。
感想・レビュー・書評
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ラブコメ系のラノベかと思った。 #日本SF読者クラブ 。
読んだら、いい意味で予想を裏切る「拾い物」。ラノベのレーベルから出ているし、イラストからもそんな印象を受けたので、しばらくは積読状態だった。
「大海害」と呼ばれる事象で陸地の多くが水没した未来。「ソラリス」とは一部の人間を水中でも活動可能にし、「テリトリー」と呼ばれる特殊能力を与える謎の鉱物。そんな能力を得た彼らは水使いと呼ばれた。舞台は、その水使いを教育するアカデミーで、教官と訓練生が登場する(お約束ですね)。
最初は、ほんとにラブコメ系の展開。しかし、後半からは一転して、ハードなモンスターパニック物に。もしもアーネスト・ボーグナイン(CV:故富田耕生さん)が登場すれば、もう少し助かる人もいたかもと、勝手に空想した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
題名の通り『惑星ソラリス』のような異世界的な舞台を
ライトノベルなキャラクタに結び付けて冒険させる話
ガガガ文庫の『俺が生きる意味』(だっけ?)と同類だが
とても書き慣れた筆運びで実力の差をまざまざと見せつける
枠組みが単純であるだけに上手さが出ているが
平坦な場のような他ではどんな感じになるのだろうか -
下手なこと言うとネタバレになってしまうからあまり言えないけど、序盤は所謂ラノベ的だ。
ほわほわした幼なじみやツンデレとキャッキャウフフする。…表現が古い。
本編は中盤辺りから。
さっきまでのは、要するに刈り取るための種蒔きである。
そしてラストの絶望感たるや。
ちょっと予定調和を超えてやり過ぎだろう…、という思いで☆3にしてしまった。
途中で、え、ホントに?駄目でしょ。と思いつつひっくり返らないこの虚無感。
正統に評価すると☆4(☆5は滅多に出さない基準)。 -
鬱だ…。もしこれがアニメ化されたら驚くわ。次巻でいいことあるかなー。
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ショックすぎて逆に楽しくなってくるレベル。
いやーこれは…すごいな。正にパニックものだな。
あーいやごほん。えーと本編は…。
《水使い》の訓練施設であるアカデミーを卒業して一年後、教官として帰ってきた主人公ミナトは、セクハラ野郎扱いを受けつつも図太く、落ちこぼれの癒し系幼馴染ナツカと戯れたりツンデレ天才少女クロエを調教したりしつつ、二人を組ませてそれぞれの成長を促そうと真面目に教官をやっていた。
うーん、まさかのうっかり発言で涙目になっちゃうクロエあざといまでにかわいい。しかしやっぱり私はナツカ派ですね!幼馴染属性大好きですから!深海撮影の遠征演習参加を目指してがんばる二人もとても良い。
そしてこの辺りで登場するメイファ!メイファ好きだー!メカ嫌いの無表情っ娘で特徴的な口調。イイキャラしてるぜ。
ところがそんな彼女らを引き連れての遠征演習はパニックの連続で…!?ドキドキが止まらない!深海パニックストーリー☆
うん、間違ってない。えーと…あ、主人公の能力(MAI)実に中二的にかっこよくて好きです。ミシェルちゃんも好きだなー。 -
ほのぼのラノベかと思いきや、どん底に落とす。この落差は癖になる。
よくよく考えたら、クローズドな空間に入り込んでモンスターと出会うというシチュエーションはよくあるような気がするのだけど、「深海」というだけで何か幻想的なものを感じてしまう。上手な舞台設定だと思う。 -
このかわいい表紙からは想像もできない救いの無い物語が読者を襲う!
印象的なのは、絶望的な状況に至るまでの過程がほぼ平坦で淡々と進んでいくことだ。いわゆる決死の覚悟で死地に乗り込むような物語とは毛色が違うてんが、更に絶望を深くする。
脱出した後のエピローグ部分で起こる出来事にしてもそうで、バッドエンドものにしても普通ここまでやらないだろうと思える徹底ぶりで忘れられない1冊になった。