とらわれない生き方 悩める日本女性のための人生指南書

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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040667034

作品紹介・あらすじ

おしん的人生を歩んできたヤマザキマリが、だからこそ言える人生の味わい、愉しみ、喜びとは。人生にいきづまっている日本女性に、「心のタガの外し方」を語りおろしで捧げます。

感想・レビュー・書評

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  • 著者の哲学を知ることができる。
    男性でもサクサク読める。
    自分らしく生きるとは、自分の考えをもって生きることだと、この本を読んで思った。

  •  勇気づけられました。


     正直へこんでいた時に、「自分を確実に慰めてくれるであろう本」を何冊か買い求め、自分を慰めておりました。そのうちの一冊でございます。やめようやめようと思いつつも、そうでもしないと浮かばれない気持ちってのがあるんですよね。


     最近、不倫しそうになりました。しそうになったというか、言い寄られたというか。


     その返事はまだ出てません。嫌ならばっさと切ればいいんですが、まぁいろんな事情があります。

     言い寄られた際に「あぁ、またかよ。」と思いました。

    女は男に、性的価値のある女かどうか、無意識の選別を受けます。ありがたいことに、人に「やりたい女」くらいには思ってもらえるようです。

    でも、わたしはそこ止まりなんですよ。「結婚したい女」か「性的価値止まりの女か」どうかという選別にかけられると、確実に後者なわけなんです。少なくとも日本人にとっては。外国人と付き合ったことはあるけど、誠意をもって性的価値として付き合っていた感があります。なかなか言語の違う人と付き合うのは難しいものがありました。


    別に私は、尻軽女というわけではありません。言い寄られ、人とごはんに出かけるとか、そういうことはまぁあります。でも誰とでも寝るとか、セックスが大好きだとか、そういうんじゃない。


     でも男(日本男子?)は、「やりたい女」として、私に寄って来る。それ以上は何も望まない。

     その最終形態が、既婚者からの言い寄られでしょう。ハナから自分のものにする気なんて、ありゃしない。


     地味にさぁ、傷ついてんだよ。君が欲望を素直に私に向けることがさぁ。

     そう思いつつ、あぁ、まだ私は女でいるのだ、と思ったことも事実なんだけれど。

     まだ、返事を出していないのは、とても近しく仕事に支障が出ては困るという事情もありますが、あなたはなぜ私に声をかけたのか、ということと、なぜ私はそのようなポジションにしかなれないのかということを、徹底的に調べたいと思ったからです。


     およそ思うに、「人にそこまでしがみついていきたいと思うほど執着を持てない」自分の性質にあるのだと思います。わたしは、この本を読んで、山崎さんのパートナーの選び方に、とても共感を覚えました。

     お互いに、頑張っていたいのです。
     自立した関係を築きたいのです。
     「あなたがいなくても、私は生きていけるけれど、あなたと生活を共にすることによって、私の人生はとても彩り豊かなものになる。」そう思える人と、一緒になりたいのです。

     それは、「あなたのことはそれほど好きではない、という人と一緒になること」とは違います。もっと自立して人と対峙していたい。依存の強い関係が(とりわけ日本的な感じがします)苦手なのです。

     そういう女は、おそらく日本の男性からしたら、「常に何かを頑張っていなければ、その関係を保てない」面倒くさい女だと思われるのではないかと思います。自分の好きなこと、楽しんで深めている姿を見ることができれば良いだけの話なのですが。

     だったら海外に行け、日本の男が合わないと言うのだったら出て行けよ。そういう発言にも聞こえるかもしれません。違いますよ。もしかしたら価値観の合う人が、世界のどこかにはいるかもしれませんが、依存しなきゃいけない関係なんて、別に日本人だからそうならなきゃいけないわけじゃ、ないじゃないですか。

    家のことは奥さんにやってほしい、その代り自分が外で稼ぐ。(あわよくば奥さんにも働いてほしい。)その気持ちが根底にあるから、自分が優位に立てる女を望む。それを受け入れられる人ならいいけれど、「外で稼ぐ」プレッシャーを自ら生み出してもいる。なおかつ「頑張らなくても優位に立ちたい」と願うがゆえ、「言うことを聞いてくれそうな女を選ぶ」。

     それが悪いわけじゃありません。憂慮すべき点があるとすれば、その停滞は成長をまるで生まないことではないかと思います。

     わたしは、成熟したい。そのために自分を伸ばしたいし、深めたい。多くの男性にとって、それがプレッシャーになるのなら、私は「選ばれる女」ではないのでしょう。

     だから「やれる女」なのかよ、っていうのが、とっても悲しい。そんなに物欲しそうにわたしは佇んでいるのかと。

     好きな人には、自分の好きなことを思い切り頑張っていてほしい。

     それが成立するためには、女が自分を犠牲にしてその男に尽くすことだけがその関係を成立させる手段だなんて、そんな演歌な話、ありえないでしょ。今、平成ですわ。

     私はあなたを大切に思っています。
     自分のことは責任持って自分でやってください。
     生活すること、二人で頑張らなきゃ乗り越えないことを、一緒に乗り越えていきましょう。

     そう思う私はやっぱり、多くを求めすぎているのかな。

  • 人間のスケールが大きい!物事を見る視点が違います。読んでいて爽快です。

  • 著者が呼ぶ「マザー」、自分の中のうちなる指針はよくわかる。自分の中のその存在がだんだん小さくなり聞こえなくなってきたことも。好きなことせず、我慢を重ねているからだろう。
    「自分でも嫌になるような、消化不良の毒気のあるものは、母親の責任としてこの子の前では絶対に出さないと決めた。」とある。本当にこれこそ母親の責任だよなと思わされた。親がよりよく生きることを子に見せること。覚悟が座ってるわ、この人。

  • ヤマザキマリさんが波瀾万丈な半生を歩んでこられたというのを初めて知りました。
    いろいろな見方ができるからこそ、斬新な作品を生み出せるのでしょうね。多様なあり方を肯定的に捉える力を、私も高めたいものです。
    本書のなかで、さまざまな人の悩みにおおらかに回答するお言葉が素敵でした。自分がいかに自分の思い込みや周囲の言葉にとらわれているのかと考えらせられます。「とらわれない生き方」というタイトルに頷けます。

  • 2019.2.11読了。昨年の年末に読んだ出口治明さんの本(『働く君に伝えたい 「お金」の教養』)に、価値観を変える方法として“ヤマザキマリさんの本を読むこと”が勧めれていて、一体どんな本を書かれているんだろうと思い、早速手にとってみたのがこちらでした。
    タイトルからして価値観を変えてくれそうな本ですが、まさに。特に恋愛や結婚に関してのお話では、目からウロコというかなんというか、読者からのお悩みにも潔くバサッと斬っていくようなスタンスが素敵でした。
    いろんな価値観に出会えるから、やっぱり本って面白い!と改めて感じさせてくれた読書体験となりました。

  • 人生

  • 自立している女性は、魅力的ね‼️

  • 図書館でずいぶん前に予約して待たされたけど
    このタイミングで読めて良かった。

    ヤマザキマリさんによる人生相談。
    のこしておきたいコメントをコピーします。

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    私の人生なんて失敗だらけですが、全然恐れてませんね。「失敗、OK!」てぐらいです。なぜなら失敗があったおかげで、ものすごく自分の身となり血となったことが山のようにあるからです。

    私は挫折ではなく、人生を転換したというふうにとらえています。

    私が後悔しないのには、どこかで「意味があってそうなっているんだな」という考え方をしているからなんです。すぐに結果が出てないけど、私がこうやって一生懸命考えて出した結論なんだから、きっと何かにはつながるんだろうと思っています。

    旅の経験もそうですが、時にはまったく関係のない本を読んでいる中に、悩みに対する答が出て来るくることがあります。数日間でも、ネットに費やす時間のすべてを、本を読み、映画を観ることにつぎ込んでみてください。自分の中に蓄積されるものが増えて、ふっとしたときに自然と答えが出るようにもなる。自分を励ます言葉や知識を自分の中にストックすれば、仕事でも恋愛でも何でも、自分が自分の味方になってくれます。

    自分に対してのタブーとしては、精神的な毒素をためないようにしています。くすぶり出したら、自分なりの処方箋を投入して、とにかくデトックス。

    苦労によって、人が輝きを増すことはあるかもしれませんね。苦労することで免疫力がついて、細胞が活性化される。そしてまた「頼りがいのある自分」になったと実感するわけです。何かに依存しなければ生きていけないという弱みが、また一つなくなった。人生は修行みたいなものですね。

  • おしん的人生を歩んできたヤマザキマリだからこそ言える、人生の味わい、愉しみ、喜びとは? 仕事、恋愛、子育て、セックス、人間関係などについて語り、人生にいきづまっている日本女性に「心のタガの外し方」を伝える。

    実体験が有るから,すごいと思うが,私には真似できない・・・。

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著者プロフィール

1967年東京生まれ。漫画家。14歳でドイツとフランスに一人旅へ。17歳でフィレンツェの美術学校入学。1994年、一人息子デルスを出産。1996年、漫画家デビュー。帰国し、北海道大学などイタリア語の講師を務めつつ、北海道の放送局でイタリア料理の紹介や旅行のレポーター、ラジオパーソナリティなどを務める。2002年、14歳下のイタリア人ベッピと結婚。エジプト、シリアと日本を往復しながらの生活が続くが、2004年に日本での仕事を整理し、リスボンに家族三人で住むことになる。主な著書に『テルマエ・ロマエ』『モーレツ! イタリア家族』『世界の果てでも漫画描き』『地球恋愛』『ルミとマヤとその周辺』など多数。現在シカゴ在住。

「2012年 『ヤマザキマリのリスボン日記──テルマエは一日にして成らず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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