緋弾のアリアXX 恋と戦の超伝導 (MF文庫J)

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  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040676128

感想・レビュー・書評

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  • ロンドンで鬼を撃退し、メヌエットとの星をかけた最後の勝負に勝利したキンジたち。
    ついに明かされるメヌエットの推理は「星伽白雪に会えば緋緋神のすべてがわかる」と言うものだった。
    全ての謎が明かされる、そんな予感に決意を新たにするキンジ達の前に、かつての強敵、死んだはずの男、シャーロック・ホームズが現れる。
    シャーロックは香港で戦った妖の少女、コウを連れていた。
    シャーロックの手引きで鬼達と休戦・協力関係を結んだキンジは、アリア、鬼、シャーロック、コウと共に鬼の総大将、ハビのいるキノクニへ向かう。

    キンジはハビに殻金を返却するよう交渉するが、決裂。
    強力な鬼、エンの7倍強いという鬼幼女ハビを、人間離れ人間なキンジはワンパンKO。(笑)
    みごと殻金を奪い返すも、すでに殻金はその効力を失い、アリアが緋緋神にのっとられてしまう。
    ついでにハビとコウも緋緋神化し、緋緋神3体Vsキンジ&エンの変則タッグマッチがまたまた高空、巨大爆撃機富嶽の中で展開される。
    3体の緋緋神に圧倒されながらも、有視界瞬間移動で逃げるアリア(緋緋神)、ハビ(緋緋神)、コウ(緋緋神)を追うキンジ。
    瞬間移動で辿りついた先は、マッハ0.5で突っ走るリニア新幹線の屋根の上。
    必殺のレーザービーム×3はどうにか攻略したものの、完全緋緋神と化したアリアには逃げられてしまう。
    緋緋神化を解除されたハビ、コウを連れ、キンジは雪山の中を星伽神社へ向かう。
    ウレシハズカシ全裸幼女と温泉タイムでほっこりどきどきした後、ついに星伽神社へとたどり着く。
    緋緋神の本体の前で、遠山キンジ、神埼アリア(緋緋神)、星伽白雪(緋巫女)が揃い、ついでに妖狐玉藻も揃ってさあ最終決戦か!?、てなところでこの20巻はおしまい。

    今回の20巻はメインヒロインと呼ぶべき存在が不在だったので、恋愛要素は薄い。
    あえて言うなら今回最も重視すべきは、本格登場したノーパン幼女のハビか。
    緋緋神化したアリアも重要な位置にいるが、アリアの人格が消えて完全に緋緋神になってしまったのでアリア自身の存在感はちょっと薄め。
    ついでに、コウとハビも緋緋神化するので、緋緋神の存在感もぼやけ気味。
    鬼女のエンにも男前な見せ場があるが、登場シーンが少ないのでメインヒロインになれるようなものでもない。
    20巻の表紙は白雪だったので、ひょっとしたら今回こそ白雪がメインヒロインか?と期待もしたけど、白雪の登場は最後の最後。

    と言うことで、20巻は複数ヒロインが並び立つ分、メインと呼べるほどの存在が立たない巻だった。
    ただその分、全裸幼女1号のハビと、全裸幼女2号のコウがサービスシーンを担当してくれてる。
    ちなみに、魅力的なヒロインの多いこのお話の中でも、個人的にコウはかなり好きなヒロイン。
    キンジが大好きで、超強くて、でもちょっと気が弱いってところがいいね。
    もうちょっとメイン扱いでイチャイチャする話が読みたい。

    ハビについては扱いの難しいキャラになりそうな気がする。
    ヒス状態のキンジがハビの全力好意を超人的にいなすシーんは見てみたいけど、天真爛漫で超怪力のハビが、幼女らしい素直さでキンジに向かって全力大好きアタックをかますと、ヒスッてないキンジは普通に死ぬ。
    かといって、ハビは幼女キャラなので「まずキンジをヒスらせてから全力で甘える」みたいな計算高いマネは似合わない。
    今後、どうキンジと絡ませるつもりなのか、ちょっと想像しにくい。

    エンに関しては、たぶん死んでないだろうと思う。
    てかアリア世界って基本的に死人が出てないし。
    死んだと思われていたカナも生きてたし。
    死んだと思われていたホームズも生きてたし。
    初めから死んでるキンジの父やジーサードの想い人は別として、物語中で死んだキャラはいなかった・・はず。
    例外的に、登場人物の諸葛はもうすぐ病気で死ぬけど、コイツくらいじゃないか?
    と言うことで、たぶんエンは生きてる。

    えーと、この20巻は日付的には2010年の3月。
    2009年の12月24日が香港タンカージャック事件。
    2010年1月1日にお正月イベントがあって、
    同年1月にコンステラシオン、ジャンヌらとフランスへ飛んで、
    そこで魔女連隊のカツェと遭遇・追跡・雪山遭難し、
    フランス東部でドイツ戦車ティーガーIとやりあい、
    ブリュッセルで妖刀の静刃に襲われ、
    リバティーメイソンのカイザーらに裏切り者の嫌疑をかけられ、
    地下道で眷属のリサと出会い、オランダまで逃走し、
    潜伏先でカツェ、パトラ、セーラ、アリスベルに襲撃され、
    囚われた先のナオ・デ・チーナでいっぺん処刑され、
    生き返った直後にロケットの上で高高度戦闘をかまし、
    ナオ・デ・チーナに舞い戻って魔女連隊を壊滅させ、
    日本に帰ってキンジガールズとイチャコラしてたらアリアが倒れて入院し、
    病院にバイトとして潜伏してたらハビ、エン、ツバキの三鬼女に襲撃され、
    雲の上まで追いかけて航空機富嶽の中でエンと決闘し、
    緋緋神化の進むアリアを祖父母に紹介したらカナがパトラと同棲してて、
    驚いてたらアリアが緋緋神化したのでカナと協力してコレを鎮め、
    緋緋神化したアリアについてアリアの母に相談に行くと緋緋神に対抗するため瑠瑠神、璃璃神を探せと言われ、
    今後の方針を話し合っているところをちびっ子事務官銭形に追い回され、
    日本とイギリスの公権力が敵に回りこいつはヤバイとピンチのところをアメリカ(ジーサード)に助けられ、
    そのジーサードに協力を求められアメリカに渡り、
    大陸間横断鉄道の上で人型ロボット少女Looと戦い、
    瑠瑠神、璃璃神と出会ってその協力を取り付け、
    メヌエットに会うためにアメリカからイギリスへと直接飛び、
    ロンドンで007と鬼とのバトルロイヤルをこなし、
    そんでこんで、今回の20巻に話がつながるわけで。
    なんちゅー密度の濃い3ヶ月だろうね。

    20巻ではまだ2010年の3月でしかない。
    このあたりで緋緋神関連のエピソードは山場を迎えそうな気配が漂ってきている。
    瑠瑠神はともかく、璃璃神はまだ本格登場していないからもうちょっと話が膨らむのかもしれないけれど。
    いずれにしても、2013年1月にはアリアもキンジもピンピンしてるので、どうにかなるんだろう。
    それより、2011年の3月に起こる東日本大震災をどう描くのか、気になる。
    アリア・アリスベル世界では日本を守護していた妖タツの死亡が影響し、この大災害が起こることになるっぽい。
    2010年の12月にはタツはランパンに襲われて死んでいる。
    アリスベル6巻で静刃たちが飛ばされる未来はおそらく、震災発生直前後の2011年3月。
    アリア20巻が2010年3月で、
    2010年12月までにランパンがタツを殺し、
    2011年3月前後にアリスベルたちが再び現れる。
    この流れの中で、キンジたちがどう関わっていくのか。

    2010年中に緋緋神問題をクリアし、タツ・震災エピソードをやって、2012年以降はキンジ東大入学・公安0課関連の話に移って・・・行くのかな?
    先が楽しみなので、じっくりゆっくり、作者の健康を祈りつつ、続きを待ちたいと思う。
    外伝のアリアAA(小説版)は楽しみだけど、正直アリスベルは面白くないからあんまりそっちに力を裂かないでほしい。
    今回、アリスベル1~5巻を読み直した直後にアリア19~20巻を読んだんだけど、明らかにアリスベルのほうが物語の質が低い。
    バトル描写もキャラ描写もアリスベルよりアリアの方が重厚だと思う。
    アリア作品のほうに作者の力を注いでほしいなぁ。

著者プロフィール

第3回MF文庫Jライトノベル新人賞優秀賞を受賞。代表作は『緋弾のアリア』。

「2016年 『やがて魔剱のアリスベルVI さらば妖〓(刀刀刀)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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