青を抱く (フルール文庫 ブルーライン)

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  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040676807

感想・レビュー・書評

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  • ページ開いて1行目からひれ伏した。
    一穂さんはあらゆる事象についてとても観察眼が優れているのだなぁと感心感嘆。
    素晴らしい作品に対し素晴らしい感想をと思いますが無理ですね!w
    とにかく面白かったです!!!

  • 一度さらっと読んだ後、2度目読み返して、いろいろちりばめられた秘密のヒントを改めて回収。初見じゃいろいろ???なことも多くて。複雑な人間関係。

    出来過ぎたおはなしだけど、素敵だった。ちゃんとハッピーエンドで。

  • 一穂さんブログの掌編まで読んで、泉の中の拭いされない憂いの『青』に引き寄せられた宗清の心を映し出したタイトルだったんだな、とストンと胸に響きました。印象的なタイトルと藤たまきさんの海辺の匂い立つ空気を感じさせるイラスト、表紙も含めたデザインがとても魅力的。

    海での事故以来二年間目覚めない弟を介護し続ける泉と、彼の前に突如現れた弟に良く似た男・宗清。彼らの抱えた『秘密』が露わにされていく中、波のように押し寄せる痛みと苦しさにぎゅっと胸が苦しくなりました。
    泉の抱えた行き場のない苦しさと、それらを真っ直ぐに受け止めていく宗清のおおらかな健全さ、強さとその眩しさ。
    対象的な二人が心を近づけていく心情描写の深さ、心の色の掘り下げにぐいぐい胸を揺さぶられました。
    テクニカルライターという職業からくる泉の性格や言葉選びも印象的。『仕事』を基盤とした人の思考を描くのが上手い人だなぁと。
    純度の高い、強くきらめくような魂と魂の結びつくような恋と、『家族』のあり方が強く深く心に残りました。
    泉の継父のキャラクターが温かでホッと心が安らぐような気持ちに。
    (靖野の性格は父親似なのかな、と思ったり)

    書き下ろし、目を覚ました靖野と宗清、泉の三人のエピソードはそれぞれの織りなす想いにぐっと胸が掴まれるよう。
    心と心が結びついての交歓としての行為の想いの強さが深く胸に突き刺さります。
    鮮やかな空気の色、色彩、感情の一つ一つが強く深く心に焼きつくお話でした。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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