青を抱く (フルール文庫 ブルーライン)
- KADOKAWA/メディアファクトリー (2015年6月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040676807
作品紹介・あらすじ
静かな海辺の街で暮らす和佐泉は、毎朝の日課で海岸を散歩中、ひとりの男と出逢う。少し猫背の立ち姿、振り向いて自分を映した黒目がちの瞳-叶宗清は、海での事故以来、病院で2年間目覚めないままの弟の靖野によく似ていた。旅行中だという宗清の飾らない人柄を疎ましくも羨ましく、眩しく感じてだんだんと惹かれていく泉。だが泉には、同じように好意を寄せてくれる宗清には応えられないある秘密があって…。
感想・レビュー・書評
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2023/06/07-06/12
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読まないとーと思いつつ積んであったのを、病院の待ち時間の暇つぶしに、と読み始めたら最後まで一気読み!でした。
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webでも読んでいたのですが、改めて本で読むと感動や切なさが胸にぐぐんと来て、最後はやっぱりぽろりと涙してしまいました。
お互い口には出せない秘密を抱えた者同士が、2人の世界だけで許しあい秘密をさらけだせる関係になっていくのを見ていると、触れてはいけないタブーを覗いているみたいな心境になってドキドキしました。
一穂さんは本当にドキドキさせてくれるなぁ~!! -
情緒的で沁みるBL。一穂さん作品はひねった設定多いけど、どうやって思いついてるんだろうか。
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藤たまきさんのあとがきの、兄弟のかんじもちょっと見てみたかった、に激しく同意!
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web連載時は後半で明かされた“秘密”にテーマを持っていかれたような気がして、あまり好きじゃないなと思った。その後、一穂さんを作家買いしようと決めてから遅れての購入。読みなおし、すべてを知った上で泉(受)視点の宗清(攻)を追って読むと…気安さが思慕になっていくのが丁寧に綴られていて、じわじわとキてしまった。思いがけずに。
“秘密”の部分はあくまで彼らを取り囲む要素のひとつで、ちゃんと泉の恋愛がメインなんだと気づけたのが良かった。包容攻、大好物!だし。限界に近かった泉を救ったのが宗清だったというのも意味があると思えた。“秘密”がなければ萌えだったものが、それがあったことによって別の物語に昇華されてしまったのは否定できないけど、ちゃんと二人の恋愛を描いてあったのが良かったです。
最後に、オマケのイラストやSSでチラッと登場した生きて動いている靖野。さわやかな風貌に加えて、サラッと自分の恋心(というか苦悩?)を相手の負担にならないように抑え込んでいるところが非常にツボでした。(ビジュアルも好み!)フルールの小説部門はなくなっちゃったって聞くけど、スピンオフでて欲しいな。 -
読後にタイトルを思うとグッとくる