作品紹介・あらすじ
「私、死んじゃったんですね……」弾丸となったアリスを止めたとき、アイの心臓も止まった。「アイ、これからどうするの?」「三日、待っていて下さい」アイはナインと共に消えたアリスをひたすら待っていた――。
感想・レビュー・書評
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「私、死んじゃったんですね……」
弾丸となったアリスを止めたとき、アイの心臓も止まった。
「アイ、これからどうするの?」
「三日、待っていて下さい」
アイはナインと共に消えたアリスをひたすら待っていた――。
帯と裏のあらすじで全力でネタばれる最終巻。前巻ラストで、え?いやまさか…と思っていたことが、まさか帯でバラされるとは。
確かに死んでも死ねない世界なわけだし、在り得ないことではなかったんだけど、まさかこんなどでかい倫理観みたいなものを最終巻に投下されるとは…
もうなんか、序盤のユリーの悲壮な姿がすごい胸に来た。
お義父さん…ここまでアイの事を大切に見ていてくれたのがホント…でも取り返しつかなくなる前にどうにかなって良かった!
ユリーとスカー、アイとセリカの疑似家族はここにきて、ああ本当に家族だなぁと感じさせてくれて嬉しいけど切ない。
アイがようやくユリーを「お父さん」と呼んでくれたのが何か、感極まった。
ディーを初め、ゴーラ学園組やオルタス組が再登場して「死者」としてのアイと絡むのも上手いなと。
特に五感で殺せちゃうウッラ。アイが死んだ事で初めて素の彼女と触れ合えるというのは感慨深い。
ナインとアリスも後半でようやく登場。まぁ顔を合わせられないのも分かるけど。
でも結局アイはアイだから、こうなるような気はした。それだけにアリスの最期の行動にはびっくり。
ようやく納得して、お互いに想いも通じて、いちゃついて終わりかと思ってたのに。
アイも頑固だけど、アリスはそれを上回るなぁと。
終わり方としてはそうくるのかーという感じ。まぁ希望はあるし、二人は一緒だし、いい終わりかな?
お父様のお墓参りとか行ってほしい。
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-あらすじ-
アイ・アスティンが死者になったことで、ディー・エンジーがブレてしまう。ナイン・サイカヴァッティがブレてしまう。ただ、アリス・カラーだけが変わることがなく、変わろうともせず、変わることができずにいた。アイ・アスティンが選択した"失敗"を、今、彼ら彼女らが選択する。
著者プロフィール
第21回ファンタジア大賞大賞受賞作『神さまのいない日曜日』でデビュー。同書はTVアニメ化され、角川文庫版も刊行されるなど、ライトノベルにとどまらない幅広いファンを獲得した。ほか著作に『魔法の子』があり、独自の深い世界観で読者の支持を集めている。
「2015年 『王女コクランと願いの悪魔II』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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