薔薇十字叢書 神社姫の森 (富士見L文庫)

著者 :
制作 : 京極 夏彦 
  • KADOKAWA/富士見書房
3.09
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本棚登録 : 161
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040707198

作品紹介・あらすじ

久保竣皇を名乗る作家を探る榎木津はその男の記憶を視て驚愕する。それは武蔵野連続バラバラ殺人の犯人・久保竣公しか持ち得ない『匣の中の娘』の記憶だったのだ。そして、ついに京極堂が動く。久保竣皇とは何者か?

感想・レビュー・書評

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  • 基本的なプロットは単純だがよく考えられていると思うし、
    妖怪の蘊蓄を本家と同じように頑張って披露しようという
    意気込みは買ってもいい。冒頭のゴジラのくだりも、ミス
    リードの役割を果たしていると言えるので、あれはあれで
    「あり」だと思う。

    だが、肝心の「神社姫=くだん」の蘊蓄を語ることと久保
    竣皇の憑きもの落としとがきちんとリンクしてないので、
    ペダンティックなただの「惑わし」にしか感じられず、
    どうにもいただけない。結局最後は力業だしね。さらには
    多くの情報量と少ない紙幅の関係か、登場人物全員が知的に
    蘊蓄を語ってしまうのもどうかと思う。

    頑張って挑戦はしたが、やはり本家には敵わなかった、と
    いうところだろうか。

  • 蘊蓄が難しすぎる。関係者をいっぱい出しときましたよって感じで好みではなかった。ただこの叢書って、普段は違うジャンルを書く作家さんが京極堂シリーズが好きすぎて書いた作品なので、その気持ちはとても伝わる。

  • 百鬼夜行シリーズの公認シェアードワールドの一冊
    作者のこれまでの作品と同じく換骨奪胎
    歴史ものが先人たちそれぞれの観測結果による物語の集積からなる世界であるように
    ミステリもおなじようなもので
    なんでもおなじようなものに見える

  • 雰囲気は本家に一番近い気もするが、蘊蓄描写が読み切れない。でも憑物落としの所が好き。

  • 出だしが映画「ゴジラ」鑑賞からどう見ても本筋でない京極堂の妖怪薀蓄。中々本編を踏襲してるかと思いきや。久保竣皇が「魍魎の匣」書いてから「姑獲鳥の夏」を書くとかは未だ、本編に寄り掛かり過ぎやろ〜で済むが、大谷崎出すとかナシやろ( ̄∀ ̄)しかも偽久保が関猿とか〜涙

  • 関くんの病が重い…
    ここまで拗らせてしまったら、いかな京極堂でももうどうにもならないレベルじゃないのかなと思ってしまった。

    とても百鬼夜行なんですよ。
    とても百鬼夜行なんだけど、でも違う。
    榎さんがマトモに会話してるし、あまつさえ取り乱しているし。
    京極堂の蘊蓄もひたすら冗長なばかりで、単なる知識の披露のように感じてしまった。
    あのシリーズを彷彿とさせるからこそ、心の狭い自分はそういう細かいところが気になってしまってとても座りが悪かった。
    本家へのリスペクトを強く押し出すあまり、無理が出ている気がしました。
    読んでいて正直ちょっと疲れました…

    なので、あとがきにあったもう一案「京極堂対加藤保憲」の方が自分としては良かったなぁって。
    いっそトンデモな100%オリジナルの方が、絶対楽しめたと思います。

    余談ですが「引っ越しの際に(関口を)匣に詰めて運んだ」っていう件には笑ってしまった。ほんと皆さん関口くんの扱いひどい(笑)

  • これは本編読んでからでないとよくわからないだろうなぁ。どこかしら違和感があって、ちょっと読むのがしんどかった。その時代の話がもりこまれていて調べて楽しかったは楽しかったんだけども。久保竣皇を支えた「妻」はとてもよい娘さんだったなぁ。関口くんは愛されているし、雪絵さんは本当にできた奥様だ。

  • 薔薇十字叢書、なんだかんだでじわじわ買ってしまっている。『桟敷童の誕』も結構本編の雰囲気があったけど、今のところあの独特の重厚さを一番継承しているのはこれじゃないかなと思う。

    この叢書自体が、パラレルなのか同一線上なのか、はたまた他の叢書との関連性もあるのかないのかというところからして曖昧なので(別物と捉えよと言われても無理がある)、物語の境界はただでさえ幻覚めいたものには否が応でもなる。それを差っ引いたとしても、最初は「久保竣”皇”なんてあまり良いセンスじゃないなぁ」なんて思っていたものの、その陳腐なワードから「百鬼夜行シリーズ」を少しずつ絡め、それでいてきちんと別の大きな流れにもっていって、最終的には予想通りの結末にピッタリおさめた。
    この「予想通り」というのは個人的には良い意味であって、「こうあって欲しい」というところに嵌ってくれたという事。「予想外」というのももちろん良いのだけど、予想外の場合は「予想以上」でないとどうにも納得出来ないというか、興ざめしてしまうこともあるので、わかりきった予想通りは面白くないけれど、きちんと作りこまれた「予想通り」は、作者と意思の疎通がとれたようでちょっと嬉しい。

    そろそろ叢書の刊行ペースも落ちてきたところで、いいかげん本家もごもご…。

  • 雰囲気は本家に近いし京極堂の長広舌もあったりするんだけど、なんだか読みづらい。
    本家本元の京極堂はなんだかんだ言って、蘊蓄とか小難しいこと言っててもスッと入ってくるんだけどこっちは『???』ってなる場面(共時性や神話の説明など)が多かった…私の理解力がないのかもだけど…。

    ただ、京極堂と関口くんの関係性が好きな私としてはその点では楽しめました。

  • 京極堂シリーズの公式スピンオフ本、ということで、姑獲鳥から宴までさらっておかないとわかりにくいかも。読んだの昔過ぎて誰が何したんだっけって思いながら読んでた(汗)。終盤の京極堂VS久保の、神話体系の話が小難しくて辛かったし、お前ら真面目に何の話してんの??って度々思ったが、他はおおむね読みやすい。久保の正体についてはわりと最初の方から彼だろうな、と思ってたけど、彼にしては理知的だな、やっぱ違うか?と思ったり(笑)。最後の最後に出てこられたあの方には、テンション上がりました。

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著者プロフィール

2009年『織田信奈の野望』でGA文庫からデビュー。2012年7月にTVアニメ放映のヒットとなり、現在は『織田信奈の野望 全国版』がファンタジア文庫より刊行中。他作品として『真・三国志妹』(ファンタジア文庫)『Re:スタート!転生新選組』(電撃文庫)『ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士』(ダッシュエックス文庫)などがある。

「2023年 『天才少女、桜小路シエルは異世界が描けない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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