- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040707198
作品紹介・あらすじ
久保竣皇を名乗る作家を探る榎木津はその男の記憶を視て驚愕する。それは武蔵野連続バラバラ殺人の犯人・久保竣公しか持ち得ない『匣の中の娘』の記憶だったのだ。そして、ついに京極堂が動く。久保竣皇とは何者か?
感想・レビュー・書評
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蘊蓄が難しすぎる。関係者をいっぱい出しときましたよって感じで好みではなかった。ただこの叢書って、普段は違うジャンルを書く作家さんが京極堂シリーズが好きすぎて書いた作品なので、その気持ちはとても伝わる。
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百鬼夜行シリーズの公認シェアードワールドの一冊
作者のこれまでの作品と同じく換骨奪胎
歴史ものが先人たちそれぞれの観測結果による物語の集積からなる世界であるように
ミステリもおなじようなもので
なんでもおなじようなものに見える -
雰囲気は本家に一番近い気もするが、蘊蓄描写が読み切れない。でも憑物落としの所が好き。
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これは本編読んでからでないとよくわからないだろうなぁ。どこかしら違和感があって、ちょっと読むのがしんどかった。その時代の話がもりこまれていて調べて楽しかったは楽しかったんだけども。久保竣皇を支えた「妻」はとてもよい娘さんだったなぁ。関口くんは愛されているし、雪絵さんは本当にできた奥様だ。
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薔薇十字叢書、なんだかんだでじわじわ買ってしまっている。『桟敷童の誕』も結構本編の雰囲気があったけど、今のところあの独特の重厚さを一番継承しているのはこれじゃないかなと思う。
この叢書自体が、パラレルなのか同一線上なのか、はたまた他の叢書との関連性もあるのかないのかというところからして曖昧なので(別物と捉えよと言われても無理がある)、物語の境界はただでさえ幻覚めいたものには否が応でもなる。それを差っ引いたとしても、最初は「久保竣”皇”なんてあまり良いセンスじゃないなぁ」なんて思っていたものの、その陳腐なワードから「百鬼夜行シリーズ」を少しずつ絡め、それでいてきちんと別の大きな流れにもっていって、最終的には予想通りの結末にピッタリおさめた。
この「予想通り」というのは個人的には良い意味であって、「こうあって欲しい」というところに嵌ってくれたという事。「予想外」というのももちろん良いのだけど、予想外の場合は「予想以上」でないとどうにも納得出来ないというか、興ざめしてしまうこともあるので、わかりきった予想通りは面白くないけれど、きちんと作りこまれた「予想通り」は、作者と意思の疎通がとれたようでちょっと嬉しい。
そろそろ叢書の刊行ペースも落ちてきたところで、いいかげん本家もごもご…。 -
雰囲気は本家に近いし京極堂の長広舌もあったりするんだけど、なんだか読みづらい。
本家本元の京極堂はなんだかんだ言って、蘊蓄とか小難しいこと言っててもスッと入ってくるんだけどこっちは『???』ってなる場面(共時性や神話の説明など)が多かった…私の理解力がないのかもだけど…。
ただ、京極堂と関口くんの関係性が好きな私としてはその点では楽しめました。