グーグル、アップルに負けない著作権法 (角川EPUB選書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 153
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040800011

感想・レビュー・書評

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  • グーグル、アップル、アマゾンが提供するクラウドサービスが、巨大な引力をもって、著作物を引き寄せている現状に株式会社KADOKAWA取締役会長が警鐘を鳴らす一冊。

    iTune storeをはじめとした音楽提供クラウド、電子書籍、そしてWebとテレビが合体するスマートテレビの展望をして、いかに著作物の流動における粘土が希釈されているかという点、非常によく理解させてもらえる一冊。

    後半は、これでいいのか日本の著作権法をテーマに、あの著作権の大家、中山信弘先生、ドワンゴの川上社長、MIT伊藤譲一メディアラボ所長など豪華キャストと角川会長がマンツー。

    個人的には、伊藤所長との対談にあった「著作権をいくら強くしても、著作者は儲からない」という提言が刺さりました。

  • 「躍進するコンテンツ、淘汰されるメディア」よりの逆上がり読書。2013年の出版なので、ネットフリックスもちょっと出てくるだけだし、アマゾンエコーもまだ登場していません。でも、この5年の変化を予言しているかのような本です。ギャング4、いわゆるGAFAがそれぞれの生息域で不可侵なバランスを取っていた時代から、コンテンツというひとつの山をそれぞれの登山ルートで登り始めたことを熱い言葉で語っています。その熱さは、日本の出版社の総帥してモノポリー者としての4大クラウドプロバイダーとヒリヒリするような直接の交渉してきたからこその危機感より生まれています。クラウド革命というイノベーションがテクノロジーの問題やマーケティングの問題だけでなく著作権という法律の問題と密接に関わっていることがわかります。本当にコンテンツのナウ&ゼンを語る啓蒙者として著者の存在は大きいと思います。彼が今から5年前語るコンテンツ事業者が自らクラウドプロバイダーになる「エコシステム2.0」の構想はきっとまだまだ模索中。さらに今年のCESがもはやテレビを捨てて自動車にシフトしているようにリビングの画面としてのテレビを巡る冒険として語られていた本書のテーマも置き去りにされてきているかもしれない時代の変化の速さを感じます。

  • 中身はタイトルとはだいぶ異なり、全体の8割はメディア論。出版だけでなく、テレビ・映画・音楽までを網羅したコンテンツ産業全体と、ハードウェア・クラウドサービスについての「IT戦国」を解説した本。

    KADOKAWA会長ならではの視点で、Google、Apple、Amazon、Microsoft、Facebookといったクラウド企業がこれまでどういう戦略で支配力を高め、どういった競争をし、これからどういった方向に進んでいこうとしているのかについて、実体験も含みながら、多くのページが割かれて書かれている。

    そして、それらのプラットフォーム企業に対抗しながら、かつクリエイター収入とユーザーの体験を高い品質に保つために必要な今後の著作権のあり方について、それに関わる各分野の第一人者との対談が、後半に掲載されている。

    ビジネス書というよりは、コンテンツ産業を中心に置いた、ITと著作権をとりまく日本とアメリカをとりまく情勢を切り取った本。

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