グーグル、アップルに負けない著作権法 (角川EPUB選書)
- KADOKAWA (2013年10月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040800011
作品紹介・あらすじ
グーグル、アップル、アマゾン、ツイッターの戦略を熟知する第一人者が語るコンテンツ現場の大革命。
感想・レビュー・書評
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アメリカの情報IT産業革命にのみこまれないようにするためには???著作権法から論じられる現在の問題点。
しかし、びっくりしたのが、これを書いているのが、角川歴彦さんだということです。この年齢で考えているのは、すばらしく、このような人が経団連の会長さんだと良いのにと思いました。 -
グーグル、アップル、アマゾンが提供するクラウドサービスが、巨大な引力をもって、著作物を引き寄せている現状に株式会社KADOKAWA取締役会長が警鐘を鳴らす一冊。
iTune storeをはじめとした音楽提供クラウド、電子書籍、そしてWebとテレビが合体するスマートテレビの展望をして、いかに著作物の流動における粘土が希釈されているかという点、非常によく理解させてもらえる一冊。
後半は、これでいいのか日本の著作権法をテーマに、あの著作権の大家、中山信弘先生、ドワンゴの川上社長、MIT伊藤譲一メディアラボ所長など豪華キャストと角川会長がマンツー。
個人的には、伊藤所長との対談にあった「著作権をいくら強くしても、著作者は儲からない」という提言が刺さりました。 -
米国IT業界の現況と日本の著作権について。特に日本企業がクラウド・サービスや電子出版をしようとするとどのようなことが著作権的にハードルになるのかについて株式会社KADOKAWA取締役会長の見解が窺える本。
著作権法について学ぼうとする人にはオススメしないが、著作の権利に関わったビジネスを考えている人にはオススメします。角川歴彦にこれだけ話を聴ける機会が1500円くらいでえられるのだから(とはいっても評者は図書館で借りましたが…)。
時間がないのであれば巻末の対談だけでも一読の価値あり。 -
「躍進するコンテンツ、淘汰されるメディア」よりの逆上がり読書。2013年の出版なので、ネットフリックスもちょっと出てくるだけだし、アマゾンエコーもまだ登場していません。でも、この5年の変化を予言しているかのような本です。ギャング4、いわゆるGAFAがそれぞれの生息域で不可侵なバランスを取っていた時代から、コンテンツというひとつの山をそれぞれの登山ルートで登り始めたことを熱い言葉で語っています。その熱さは、日本の出版社の総帥してモノポリー者としての4大クラウドプロバイダーとヒリヒリするような直接の交渉してきたからこその危機感より生まれています。クラウド革命というイノベーションがテクノロジーの問題やマーケティングの問題だけでなく著作権という法律の問題と密接に関わっていることがわかります。本当にコンテンツのナウ&ゼンを語る啓蒙者として著者の存在は大きいと思います。彼が今から5年前語るコンテンツ事業者が自らクラウドプロバイダーになる「エコシステム2.0」の構想はきっとまだまだ模索中。さらに今年のCESがもはやテレビを捨てて自動車にシフトしているようにリビングの画面としてのテレビを巡る冒険として語られていた本書のテーマも置き去りにされてきているかもしれない時代の変化の速さを感じます。
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出版業界への黒船襲来に関し、KADOKAWAの総帥が書き下ろした書籍。
著者の著作権法に対する理解の深さにも驚くが、
だからこその出版社への著作隣接権の付与といった活動につながってゆくものだと思う。
もっとも、いちばん興味深かったのは、中山信弘氏と伊藤穰一氏との対談。
前者は著作権法の限界について、後者は権利を持つことの限界につて、
それぞれ語ってくれていて、示唆に富んでいる。 -
Apple、Google、Amazon、MSもしくはFBのビッグ4が、モノポリーを求めて争う現状はインターネットの理想と言えるのか。
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うーん、て感じ。
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類書とは異なる視点で著作権を捉えており、非常に興味深かった。
角川だからと思えることも結構あった。
考えると、いろいろ難しいなと思うが、今後の変化には注意をしていきたい。 -
著作権法はちょこちょこ法的な規制が強まっているけれど、本当にそれでコンテンツは守られているのか?という話。アップルを筆頭とする「ギャング4」が自らのシステムを押し付けることで、法律上は地位が強くなっているはずのコンテンツホルダーがどんどん弱くなっていってるのでは、という視点は非常に面白かった。本書での対談で出てきた「著作権法を強くしても著作者は強くならない」というフレーズが印象的。
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あえてこのタイトルにしたそうだけど、むしろ読者層を狭めてしまっているかも。ネット化を通じたIT業界による世界再編をコンテンツ寄りの立場で俯瞰。
骨太です。 -
角川書店会長の本
出版社に著作隣接権よこせ!っていう内容の本かと思ったら(←謝れ)まったくそんなことはない良書でした。
前半は、世界のコンテンツホルダーの勃興と競争の歴史を著者の経験も交えながら、わかりやすく解説している。
その上で、今後のコンテンツ産業の行く末を考察している。
角川氏が提唱するエコシステム2.0も興味深い。
アップル、AMAZON、グーグルに縛られない、コンテンツ事業者中心のシステムは実現できればおもしろい。
後半は著作権を中心に中山先生・ドワンゴ川上氏・元国立国会図書館長の長尾氏・村瀬先生・MITメディアラボ所長の伊藤氏との対談。
なにより、70歳を超える角川氏の知識力・考察力に脱帽である。
(あ、中山先生も70歳超えですな!) -
中身はタイトルとはだいぶ異なり、全体の8割はメディア論。出版だけでなく、テレビ・映画・音楽までを網羅したコンテンツ産業全体と、ハードウェア・クラウドサービスについての「IT戦国」を解説した本。
KADOKAWA会長ならではの視点で、Google、Apple、Amazon、Microsoft、Facebookといったクラウド企業がこれまでどういう戦略で支配力を高め、どういった競争をし、これからどういった方向に進んでいこうとしているのかについて、実体験も含みながら、多くのページが割かれて書かれている。
そして、それらのプラットフォーム企業に対抗しながら、かつクリエイター収入とユーザーの体験を高い品質に保つために必要な今後の著作権のあり方について、それに関わる各分野の第一人者との対談が、後半に掲載されている。
ビジネス書というよりは、コンテンツ産業を中心に置いた、ITと著作権をとりまく日本とアメリカをとりまく情勢を切り取った本。 -
著者の立場だからえられる人脈、そこから得られる情報に触れることができる面は価値あり。特に後半の各著名人との対談形式のところ。たとえば一度購入した電子書籍はいつでもダウンロードできるのはユーザーの権利として当たり前と思いこんでたが、将来にわたってそれを保証する事による著者などへの不利益のリスク、配信事業を強くしてしまうリスク
を考えるとバランスの重要性を感じた。 -
図書館で借りた。法律系じゃなかったけど似たようなこと考えてる人がいるんだな。
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IT時代の著作権についての本。ときどき急に話が変わって分かりにくい箇所もあったけど、まあまあ面白かった。
JASRACについて好意的にかかれていた印象。自分もネットでのJASRACは叩かれすぎな印象があるけれど、あまりJASRACについて好意的な意見を聞いたことがないから新鮮だった。
ところで、川上量生との対談で著者の角川さんが川上さんに対して「いやいや、ソーシャル社長だよ。僕はソーシャル社長になりたい願望をもったまま会長になっちゃった」と言ってるけど、川上さん自身も会長なはずじゃ・・・。 -
問題点が網羅されていて、とても分かりやすい。
後半の対談は多少時期が古いが、問題点整理という点でためになる。