- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040820781
作品紹介・あらすじ
皮相的な社会に抗し権力に個人として対峙し、上からの道徳に抗い、イデオロギーを超える事を願った――。
“時代に抗え”“国家に振り回されるな”“私を生きろ”!時代と漱石は格闘した。
「自己本位」は帝国主義に抵抗しつづけ、人種差別主義も偏狭な自己中心主義も乗り越える。
百年前の漱石の認識は、21世紀のこの国において、改めて現実的な方向性を示している。「現代日本の開化」「私の個人主義」等は、現在の状況に符合しているのだ。
感想・レビュー・書評
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時代背景が読み解けず、流し読みとなってしまった。
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東2法経図・6F開架:914.6A/N58n//K
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漱石の講演が星一つなのではありません。余計な要約と見当はずれの後書きの評価です。漱石の講演が必要なら全集をあたりましょう。
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漱石の講演録。冒頭は回りくどい挨拶から始まり、そのうち自然と本題に入っていくさまは、寄席のような巧みさがあって、話は途中あちこち飛ぶが、最後はきちっと主題に戻ってくる。言葉遣いは無論口語なので、漱石の生の声が聞こえてくるよう。白眉は「個人主義」の講演。この20年ほど後には、日本は国家主義を以って個人を圧殺する運命を持つが、この講演で漱石は(危急存亡の時などは)それを自然な流れと捉えつつも、平時であった当時、また平時である100年後の現在、ここで説かれた個人主義がどれほど日本人に浸透しているかといえば心許なく、そういう意味で、改めて咀嚼したい講演だし、先見性というよりは真理を持った内容と思った。そのきっかけを与えてくれた点で本書は価値があり、付記されてる解説はあっても無くても変わらない。