ミュシャのすべて (角川新書)

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  • KADOKAWA (2016年12月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040820811

ミュシャのすべて (角川新書)の感想・レビュー・書評

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  •  ミュシャ展に行った後に買って読みました。

     デザイナーとしての成功から、スラヴ叙事詩を始める画家としてのミュシャまで。
     そしてスラヴ叙事詩を解説する。
     ミュシャ展行く前に読んでおけばよかった。

     ミュシャという画家は迫害の歴史を受けてきたスラヴ民族の団結をスラヴ叙事詩に描いた。
     一方で、日本で民族の一筋の歴史を描いた画家はいただろうか。いないね。
     つまり、日本民族は民族としての団結が求められず、必要ともされていないということ。

     とにかく、スラヴ叙事詩の本物は圧巻のスケールだった。

  •   パリの華と言われた前半生を投げ出して祖国に帰り後半生をスラヴ民族の誇りを表現することに捧げたミュシャ。
     
     異民族の侵略におびえ、言葉も文字も奪われた祖国の歴史。
     ---私たちは私たちとして生きることを望んでいただけなのに、どうしてそっとしておいてくれないのか。
     
     異教徒や大国のエゴに翻弄され、空を見上げることができずにうつむくことしかできなった祖先たち。
     
     ----私たちは謳いたい。私たちの声で。
     私たちは子どもを抱きたい。私たちの子守歌を口ずさみながら。
     剣を振り上げたくはないのだ。
     斧を振り、鍬を振るうことに専念したいのだ。
     ただし私たちの声を奪おうとするなら、悲しみとともに剣を振るおう。
     花はいらない。名誉も財産もいらない。私は、ことばを取り返したいのだ。
      
     民族意識を高揚する危険人物の筆頭に挙げられ、ゲシュタポに捕らえられたミュシャ。窓一つない狭くじめじめした独房に閉じ込められ、尋問された。釈放はされたものの、体調を崩し逮捕から4か月後には世を去る。
     
     ミュシャは死の直前まで信念を持ち続けることができたのだろうか。それとも拷問に耐えかねて、もう筆を執らないことを条件に釈放されたのだろうか。
     
     わからない。

     わからないからこそ、彼が命をかけて残した叙事詩に私たちは耳を傾けなくてはならない。

  • 今もそうなのかは分からないが、専門学校に通っていた頃、ある
    新刊書店で本を買った時に挟んでくれる栞にミュシャの作品が使用
    されていた。

    買った本を読もうを思って開いたページに挟まっていた栞を見て、
    目が釘付けになった。なんだ?この絵は。この繊細さ、美しさ、色
    遣いの絶妙さは何?いや、そもそも誰の絵よ、これは。

    芸術に疎い私と、ミュシャとの遅い出会いだった。それから専門学校に
    通っていた間は学校から近いこともあり、新刊はすべてこの書店で購入
    していた。勿論、栞目当てである。同じ図柄が何枚もあるけど、あの時
    は本当にミュシャに魅了されていた。

    当然、今でも好きな芸術家である。本書に協力している堺市立文化館の
    ミュシャ館には是非とも行ってみたいと思っているし、古書店でミュシャ
    の画集を手に取ってうっとり眺めていることもある。

    書庫のスペースの問題で大判の画集などはなかなか購入の踏ん切りが
    つかいのだけれど。

    アールヌーボーを代表する芸術家のひとりであるアルフォンス・ミュシャの
    生涯と作品を辿るのが本書なのだけれど、文章少な目・作品画像多めで
    とっても嬉しい。

    ミュシャの名声を高めたポスター画をはじめ、油彩、歴史画、宝飾品、
    お菓子のパッケージやワインのラベルまで。ミュシャの魅力いっぱい。

    新書でオールカラーだと価格が高くなりがちだけれど、本書は「え、こん
    なにいっぱいカラーで作品が見られるのに、この値段でいいんですか?」
    と思うほどのお手頃価格。

    そして圧巻はミュシャが晩年のすべてを捧げて制作した油彩の大作で
    ある「スラヴ叙事詩」の掲載と解説だ。

    この「スラヴ叙事詩」、2017年3月から東京の新国立美術館で開催され
    る「ミュシャ展」に初来日する。ミュシャの故郷チェコ国内以外では初
    の海外展示だ。

    これは行くしかないでしょう、ミュシャ好きとしては。1枚6m×8mと言う
    巨大なキャンバスに描かれたスラヴ民族の歴史を描いた壮大な作品
    である。

    まずいな。買って積んだままのノンフィクション作品がいっぱいるのに、
    本書を読み終わってミュシャを取り上げた作品を検索しまくっている。

    でも、でも…。装飾デザイン集とか欲しいっ!猛烈に欲しいっ!ページ
    をめくりながらミュシャの作品世界にどっぷりと浸かってみたい。

  • カラーの絵が美しい。
    デザインがだけでなく、スラブの受難を描いた絵は、まさしく私の見たかったものだった。
    他の画集ではあまり見かけない暗いトーンの絵が、迫力があり精神的なものに満ちていた。
    デザイン画は、計算し尽くされて作られており、仕事的なものを感じるのと対象的であり、衝撃的だった。

  • アルフォンス・ミュシャの生涯と、その作品を分かりやすく解説。

    フルカラーで収録作品も多く、画集として楽しめた。
    ただ主題となる『スラヴ叙事詩』は新書サイズまで縮小されてしまうと、絵が判別できず残念。
    ミュシャ展は終わってしまったが、現物を見てから読むのが正解かも。

  • 写真多数でもはや画集と言っても過言ではない。ミュシャをこれだけ堪能できてさらに読み物としても過不足なしという逸品。

    アルフォンス・ミュシャ
    1860年 チェコ生まれ
    27歳でパリにきて、主に挿絵の仕事をしていた。1894年、女優サラ・ベルナールの注文で劇場ポスター『ジスモンダ』を製作、彼の出世作となった。
    パリでの活躍の後は渡米しての資金繰りを経て、祖国チェコのために大作《スラヴ叙事詩》を製作。

  • ミュシャ展を見た後、買いました。公式本や大型本もあったのですが、携帯して読むには重すぎて結局本棚にしまわれたままになりそうな気がしたので、悩んだ末、表紙の絵も素敵なこちらの新書版にしました。中はカラーで、沢山の絵が時代別に分類されていて、解説も複数の専門家により執筆されています。

  • ミュシャ展@新国立美術館の帰りに購入。
    ミュシャの作品が所狭しと詰まっている。アールルーヴォー時代の見目麗しいポスターから、スラブ抒情詩まで。
    現物のスラブ抒情詩を目前にしてただただ圧巻の言葉しかない。歴史絵画が流行ではなくなったあの時代に、人生をかけて書き上げた大作をこの目で見れてよかった。彼の故郷への強い思いを何百年も超えて垣間見れたことを幸運に思う。
    現物を見るチャンスはもうないかもしれないから、この本を時折出してお気に入りの一枚を眺めることにする。

  • これまでミュシャというとポスタや装飾のデザインに注力したと思っていたし,そのような見せ方を美術展ではしていた.しかし,スラヴ叙事詩全作品を目の当たりにすると,これこそがミュシャの代表作であり,人生を賭してやりたかった結晶なのだということがよく判る.本書は,それらの結晶が何故生み出されたのか,歴史的背景を教えてくれる.

  • ポスター画家としてバリで一世風靡したミュシャが祖国に戻りスラブ叙事詩をかく。
    国立新美術館にミュシャのスラブ叙事詩全作品やってきた。歴史背景を知り、ミュシャに思いを馳せた

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ミュシャのすべて (角川新書)の作品紹介

2017年3月より、日本で初公開されるアルフォンス・ミュシャ晩年の超大作《スラヴ叙事詩》、全20作を詳解! 
また人気の商業ポスター、装飾パネルから、挿絵、工芸デザイン、油彩画まで、ミュシャの全生涯における作品180点を、オールカラーで紹介します。

■主な収録作品
・ポスター・装飾パネル画/《ジスモンダ》、《椿姫》、《サラ・ベルナール》、《四季》、《黄道十二宮》、《サロン・デ・サン》、《メディア》、《ハムレット》、《トスカ》、《四つの花》、《四芸術》、《夢想》、《四つの宝石》、《四つの星》、など
・油彩画/《ポエジー》、《クオ・ヴァディス》、《ウミロフ・ミラー》、《百合の聖母》、《ハーモニー》
・書籍/『白い象の伝説』、『主の祈り』、『装飾資料集』
・工芸品/《ラ・ナチュール》、《岩に座る裸婦》、紙幣のデザインなど
・チェコ時代のポスター/《ヒヤシンス姫》、《ソコル祭》、《イヴァンチッツェ地方祭》、《ズデンカ・チェルニー》、《ロシア復興》、《スラヴ叙事詩》展ポスターなど
・油彩画/《女占い師》、《異教の彫像をもつ女》、《星》、《巫女》、《眠れる大地の春の目覚め》など
・《スラヴ叙事詩》全20作
1 原故郷のスラヴ民族/2 リューゲン島(ルヤ―ナ島)でのスヴァントヴィート祭/3 スラヴ式典礼の導入/4 ブルガリア皇帝シメオン/5 プジェミスル・オタカル2世/6 東ローマ皇帝として戴冠するセルビア皇帝ステファン・ドゥシャン/7 クロムニェジーシュのミリーチ/8 グリュンヴァルトの戦いの後/9 ベツレヘム礼拝堂で説教をするヤン・フス師/10 クジーシュキでの集会/11 ヴィートコフ山の戦いの後/12 ヴォドニャニでのペトル・ヘルチツキー/13 フス派の王イジー・ス・ポジュブラト/14 ニコラ・シュヴィッチ・ズリンスキによるシゲトヴァールの対トルコ防衛/15 イヴァンチツェの兄弟団学校/16 ヤン・アモス・コメンスキーのナールデンでの最後の日々/17 聖アトス山/18 スラヴの菩提樹の下でおこなわれる「オムラディナ」の誓い/19 ロシアの農奴制廃止/20 スラヴ賛歌

■解説(掲載順)
冨田章(東京ステーションギャラリー館長)
白田由樹(大阪市立大学大学院文学研究科准教授)
小野尚子(兵庫県立美術館学芸員)

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