「考える人」は本を読む (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 299
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821139

作品紹介・あらすじ

糸井重里さんに推薦をいただきました!

「河野さんは読書の森の管理人だ。
木を見て、なおかつ森を見ている人。」

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【目次】
1 読書を考える

『それでも、読書をやめない理由』 デヴィッド・L・ユーリン 柏書房
『〆切本』 左右社
『「本屋」は死なない』 石橋毅史 新潮社
『ボン書店の幻――モダニズム出版社の光と影』 内堀弘 ちくま文庫

2 言葉を考える
『わが盲想』 モハメド・オマル・アブディン ポプラ社
『僕らの仕事は応援団。――心をゆさぶられた8つの物語』 我武者羅應援團 大和書房
『スローカーブを、もう一球』 山際淳司 角川文庫
『展望台のある島』 山川方夫 慶應義塾大学出版会 

3 仕事を考える
『思い出し半笑い』 吉田直哉 文藝春秋
『姉・米原万里――思い出は食欲と共に』 井上ユリ 文藝春秋
『夜中の電話――父・井上ひさし 最後の言』 井上麻矢 集英社インターナショナル
『作家が死ぬと時代が変わる』 粕谷一希 日本経済新聞社

4 家族を考える
『小倉昌男 祈りと経営――ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』 森健 小学館
『秋山祐徳太子の母』 秋山祐徳太子 新潮社
『願わくは、鳩のごとくに』 杉田成道 扶桑社
『「私」を受け容れて生きる――父と母の娘』 末盛千枝子 新潮社

5 社会を考える
『広告は、社会を揺さぶった――ボーヴォワールの娘たち』 脇田直枝 宣伝会議
『大東京 ぐるぐる自転車』 伊藤礼 東海教育研修所
『ゴミが降る島』 曽根英二 日本経済新聞社
『ジーノの家』 内田洋子 文藝春秋

6 生と死を考える
『さもなくば喪服を』 D・ラピエール&L・コリンズ ハヤカワ文庫
『へろへろ――雑誌『ヨレヨレ』と「宅老所よりあい」の人々』 鹿子裕文 ナナロク社
『モリー先生との火曜日』 ミッチ・アルボム NHK出版
『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』 ランス・アームストロング 講談社文庫
『つながりあういのち』 千石正一 ディスカヴァー・トゥエンティワン

感想・レビュー・書評

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  • 惜しまれつつ休刊した雑誌『考える人』のメールマガジンの文章の中から、27回分を選んで加筆、修正の上、再構成したもの。
    まず、最初に紹介される本の書名が『それでも、読書をやめない理由』なのに思わずにやり。
    もうつかみはオッケーです。河野さんっ。
    次の本は『〆切り本』。編集者だった河野さんにはツボだったようで、三回連続で取り上げられている。
    どの書評も「えー、社会人応援団?闘牛士のノンフィクション?ドーピング疑惑をかけられたツールドフランス覇者の自伝?うーん、全然食指が動かないな」と最初は思うのだが、(自分の好みの範疇外だった)読んでいく内に段々引き込まれてきて、読み終わる頃には紹介されている本が無性に読みたくなっている。魔法?
    全部読了して印象に残っているのは今はもう亡い方達のこと。著者と親交のあった方達もいる。山際淳司さん、米原万里さん、、、。皆さん、人間としても個性的で、更には稀有な書き手だったのだな。
    最後は『わくわく動物ランド』でもおなじみだった動物学者の千石正一さん。2017年にお亡くなりになった。
    彼の遺書とも言える本の書評でミーム(文化的遺伝子)の事に言及されている。こうやって河野さんが紹介してくれた千石さんのミームは、この本によって広まり、もしかしたら誰かを鼓舞したり、救ったりするのかもしれない。そう思うともう、胸がいっぱいになる。

  • 推薦人が嫌いで放ってあった。探し出して読まなきゃ、、、

    「考える人」は本を読む 河野通和:一般書 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/321608000189/

  • 『考える人』は本を読む(河野通和)

    隙間時間にサクッと読んだ。
    著者の雑誌編集に携わった経歴が、紹介される本の見つめ方によく現れている。

    紹介された短い紹介本のなかで思わずかってしまった本が4冊ある。
    『それでも、読書をやめない理由』
    『スローカーブを、もう一球』
    『わが妄想』『僕らの仕事は応援団』(『「本気でいきる」以外に人生を楽しくする方法があるなら教えてくれ』)

    ○『それでも、読書をやめない理由』
    では、著者デヴィッド・L・ユーリンを紹介した本の6行が読んでみようかと思わせてくれました。その6行とは
    『本があふれている家で育ち、もっとも幼い頃の記憶では、はしごをのぼって床から天井まで続く本棚の中から、魅力的な表紙絵の本を探していました。思春期には、手当たり次第に乱読しました。大学を卒業した年の夏には、バックバックひとつでヨーロッパ中の方書店をめぐりをし、またジャック・ケアックの『オン・ザ・ロード』を片手にアメリカ大陸横断の旅をしたこともあります。これらの旅に連れ立った恋人との新婚旅行では、敬愛する作家がかつて暮らしていた浜べにたたずみ、作品に描かれていた光景を心の中に刻みつけました。』
    “こんな空気感、こんな環境で育ち、人生を旅する姿はもう訪れないんじゃないかなぁ”と思いながら、このような時代を生きた人間が描く読書観を共有してみたいなぁと思ったから

    ○『僕らの仕事は応援団』
    はもう、この短い紹介文を読んでいただけで目頭が熱くなって、もうその時には“ポチッ”っとしていた。きっと“熱い生きる実感”に渇きを感じていたんだなぁ。
    こういう人たちが、どこかに存在しているのだと思うと、自分の生き方にも『良し!』と言える。

    ○『ボン書店の幻』
    誰にもその存在を知られずに鳥羽茂(とばいかし)の人生が閉じていた。でも、彼の人生には彼の“生”を通してやり遂げようとした想いが詰まっていて静かに、ひっそりと地中に埋められていた。
    その熱い思いを掘り起こそうと、必死に微かな足跡を辿っていく。そこに見えてきた鳥羽茂の起こした『ボン書店』。
    あまりに、儚いけど、多くの人の人生の末路のようにも思えた短い紹介文には多くの想像が立ち上がる。

    ○『スローカーブを、もう一球』
    これは読んでいて当時の時代を感じたくて買いました。

    ○『わが妄想』
    は紹介文『「目に見えない人」が研ぎ澄まされた感性で、聞き、嗅ぎ、味わい、触って思い描いた等身大の日本の現実がユーモアたっぷりに語られます』がおおよその当たりをつけていた。
    かつて「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」に行っときの感覚を呼び起こして、もう一度世の中を感じる機会を得るためにポチりました。楽しみです。

  • 仕事も勉強も人間関係も、困ったときはまず「検索」。便利さとひきかえに失っているのが、自ら考える時間かもしれません。読書の海を泳ぎ続けてきた著者が「考える」をテーマに25冊を厳選。きっと大切な一冊に出会えます。

    特に井上ひさし関係の2冊を読みたくなった。

  • それぞれが結構分量長めの書評集。でもなかなかに読ませるものが多く、素直に気になる作品が多かった。特に気になったのは以下。

    僕らの仕事は応援団
    へろへろ
    次点で 〆切本

  • 普段、読書案内のような本は一切読まない。この本を読んだのは、父から「kindleでこんな本買ったんだけど読むか」と言われたから。無料で読めるなら喜んで!と父からkindleを借りた。長い時間をかけてちまちまと読み進めた。

    自分が絶対に選ばない種類の本を紹介している、これまた全く読まない読書案内本がこんなに面白い。紹介された本をまだ読んでいないのに、この著書を読んだだけで世界が押し広げられた気がした。自分の読んだことのない、面白い本はいっぱいあるんだなあとわくわくした。これだから読書は面白い。

  • 2022.01.19 品川読書会で紹介を受ける。軽薄短小になった角川を批判し、退社。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685013

  • 隙間時間とかにサク読みするくらいで

  • 新潮社雑誌「考える人」編集長だった河野通和さん。
    読書、言葉、仕事、家族、社会、そして生と死の6テーマ25冊が、本の背景や関連エピソードなど深い知識とともに紹介。まずは山川方夫さんの本やミッチ・アルボムさんの「モリー先生との火曜日」を読んでみたいかな。

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著者プロフィール

河野通和(こうの・みちかず)
1953年、岡山市生まれ。東京大学文学部卒。
1978年、中央公論社(現・中央公論新社)入社。
主として雑誌編集畑を歩み、雑誌「婦人公論」(1997-2000年)、「中央公論」(2001-2004年)の編集長を歴任。
2008年6月、取締役雑誌編集局長兼広告総括部長を最後に、中央公論新社を退社。
2009年1月、日本ビジネスプレス特別編集顧問に就任。
2010年6月、新潮社に入社し、雑誌「考える人」編集長を務める。

「2017年 『言葉はこうして生き残った』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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