ポケモンの神話学 新版 ポケットの中の野生 (角川新書)
- KADOKAWA (2016年10月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040821160
感想・レビュー・書評
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ポケモンがなぜ特別なコンテンツなのか知りたくて本著を手に取った。人間が持っている本質的な感性や幼年期の心の働きに大きく関連しているということは理解できた。ただ一方で、「他のコンテンツと何が決定的に違うのか」は理解できず、消化不良な感じもした。きっとGBというインフラと言っても良いくらいの共通ツールを試用しているところや、キャラクターデザイン等が複合的に影響してのことだとは思うが、ではなぜ「他の類似コンテンツ」は現在のポケモンの地位に到達できなかったのか?ポケモンよりも他のゲームに「はまっていた」自分としてはその点を明示してもらうことを期待してしまった。
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2020年81冊目
ポケモン大ブームな息子が図書館でポケモンと名のつく本を片っぱしから予約したらやってきた本です。
確かにポケモンが題材の本ではありますが、子どもが読んで面白い本ではありませんw
間違いを認めたくない息子は、唯一あったポケモンの挿絵を見つけて、「ほら、これ。このポケモンを見たかったの!」だってさ。
でも、せっかく手元にやって来たので私が読んでみました。
ポケモンが何故こんなにも大ヒットしたのかを、色々な面から学術的に説明してくれています。
とはいえ、なんとも後付理論的な感じがします。なんでもそうだよね。ヒットした後から説明されても、そう言われたらそんな気がしてきます。
でも、私の妹が息子と同じくらいの時にハマっていたポケモンに今息子がハマっている事はなんだか微笑ましくて嬉しいものです。 -
ポケモンは子どもに何をもたらしたのか。
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中沢新一といえば中学校くらいで虹の理論を読んで
こういうモノを書いて見たいと思わせつつも、
あまりにも胡散臭すぎて直視するのが恥ずかしいそんな作家であった。
今回もポケモンの神話学ということで
胡散臭さは満載ではありますが、
率直に言って氏がポケモンを満喫しているのがよく分かってわりとなごむ。
おおむねフロイトの話で目新しさはないものの、
ゲームとデータで構築された世界に文化としての意味を与えたのは
ひとつの道しるべとして評価できるかもしれない。
消費される対象というだけではなく、
生産される場としてインベーダーゲームから辿っていくのは、
いかにもアカデミズムの手つきだが、
この人は根が山師だからまぁ、いいんではないか。