ダークルーム (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1056
感想 : 141
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041000717

作品紹介・あらすじ

シェフの内山が勤める高級フレンチレストランに毎晩ひとりで来店する謎の美女。黙々とコース料理を口に運ぶ姿に、不審に思った内山が問いかけると、女は意外な事実を語り出して…(「マリアージュ」)。立ちはだかる現実に絶望し、窮地に立たされた人間たちが取った異常な行動とは。日常に潜む狂気と、明かされる驚愕の真相。ベストセラー『サクリファイス』の著者が厳選して贈る、謎めく8つのミステリ集。書き下ろし短編収録。

感想・レビュー・書評

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  • 8つの短編集を読み、共通して思った事は、「ブルーモーメント」な世界観。
    (ブルーモーメントとは、夜明けや日没後のわずかな時間に、辺り一面が青い光に照らされる現象です。)
    その、昼と夜が交差する瞬間や、深い青、そしてなぜか透明感を感じさせる空気感が、どの物語にも表現されているように感じてしまいました。
    近藤さんの作品の中でも、人の闇や悪意が強いものもありますが、イヤミスの様な陰鬱感は殆どありません。8つの作品全てに恋愛を感じさせる描写があるため、暗い・重いというより切ない感傷になりました。
    ミステリーを期待して読むと物足りないと思う可能性がありますが、危うい情景描写や切ない空気感を感じる事ができ、やはり近藤さんの作品は好き!と確認できました。

  • 時間があるときにゆっくり読もうと思っていたのに、少し覗いただけで引き込まれてしまって斜読。
    はずれがない。

  • 日常から少し外れた異常を書いた短篇集。
    どれもそこそこ重みのある怖さ。

  • 短編8編。さらっと読めるがどれも重みがあって面白かった。「ダークルーム」と「北緯60度の恋」が特に好き。

  • コワス、SWEET BOYS、こわいわぁ。
    ダークルーム、北緯六十度の恋、なんかよかった。

  • 人間ホラーな短編集。
    2話目の『コワス』は心霊的な要素もあるけれど、
    基本的に人の心の暗い部分を描いている。

    『sweet boys』と『窓の下には』が好きだった。


    ただ、もう何冊も読んでみるけれど、
    近藤さん、ミステリ的トリックや日常の謎を作るのが、あまりお上手ではないと思う。。。
    人の心の機微を描かせると重厚なので、
    そちらにシフトしないのかなあと思うけれど。
    サクリファイスが売れた後もミステリな作品を発表し続けているので、
    きっと書きたいんだろうなと思う。

    ミステリ的な視点で見るとちょっと物足りなさを感じてしまうので、「ミステリ集」と表現するのは損をしている気がするな。
    余計なお世話ですが。

  • 8話のミステリ短編集。日常に潜む狂気とその設定が秀逸で面白い。人間の弱さや諦め、その深淵に潜む悪意。面白かった。

  •  読んでるうちに、読み進めるのが辛くなる近藤史恵さんの短編8話が収録されています。「ダークルーム」、2012.1発行。第1話「マリアージュ」と第8話「北緯六十度の恋」がお気に入りです。

  • 短編集8作品
    怪しい人、不穏な空気感、短編だからこそのスマート感はさすがです。
    8作品全て面白い。日常の謎、ホラー、愛欲、アート、アリバイ、羨望と悪意、弱さ、愛情…全てテイストが違うのもすごい。全て好き素敵。読了感もスッキリ。

  • 救いようのないものから、ちょっと感動するものまで、いろんな種類の「謎」が楽しめました。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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